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1.  ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
下品さややり過ぎ感がこの作品の魅力なんだと力説されたとしても、やっぱり下品だし、やり過ぎ。ある国の文化(それも、全世界的には「メジャー」とされているような?)を他文化の視点から俯瞰してみたとき生じる可笑しさを描いているという点では、文化人類学の要素が詰まった作品だと思うが、何しろ絶対に教材としては使えないから意味がない。それならばとただ単にエンターテイメントとして観ようとすると、楽しませられるより、不快感が勝る。フェイクドキュメンタリーは個人的に好きだが、だからこそ(多分)素人さんたちのガチ困惑が辛かった。うん、発想はいいと思う。ただ何事もほどほどが一番。
[DVD(字幕)] 5点(2010-02-18 18:44:48)
2.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
残念なことに最近、自称「映画通」が自分を語るためのツールとして映画を扱っている現状を目の当たりにすることが多い。だけど本当は、内容にかかわらず、映画をつくりたい、観たいっていう根本的な要求は実はものすごくシンプルなんだなと実感。手作りの映画を今から上映しようというときの、薄明かりに浮かぶみんなのワクワクした表情が胸にぐっときた。店中のビデオがダメになるというのは、物語の展開上必要なのでしょうが、このシーンはあまりに勿体なくて、別の意味で感情が揺さぶられるという。でも実際、ビデオって本当にもろい。だから扱いづらいというんじゃなく、大切にしたいものなのです。簡単に廃棄する最近のレンタルチェーンは大馬鹿者。彼らこそこの映画を観て欲しいものだ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 19:36:07)(良:1票)
3.  放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人
テレビのシリーズのファンなので長らく観たいと思いながらも、上映期間を逃したので、ようやくDVDで鑑賞したが、劇場版である必要はなかったなあというのが率直な感想。わざわざ劇場まで観に来たり、DVD買ったり借りたりする客は、偶々深夜に観てしまったという人とは違い、フェイクドキュメンタリーだと認識しながら観ているということが前提とはいえ、中盤以降のあまりに台詞くさい台詞に思わず「そんなこと言う奴おらへんやろ~」と、某芸人風のツッコミを入れてしまった。いつものお蔵入りの説明が入る出だしなんかは良かったけど。題材はいいのに、うまく料理し切れていない感じ。恒例の最後の種明かしも今回はちょっとくどいかな。山本剛史のファンなので、ちょっと得した気分の6点(しかし当然といえば当然だがクレジットはなし)。同じ彼が出てくるフェイクものなら、山下敦弘の「不詳の人」や「汁刑事」のほうが断然好きだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2009-06-27 20:55:11)
4.  ぼくのバラ色の人生 《ネタバレ》 
とりあえず一番気になるのはビデオパッケージの謳い文句と内容に齟齬があること。深刻なテーマをコメディーにするか社会派にするか決めきれず、適当なカラフルさとファンタジーでお茶を濁した感がある(少なくとも、ハート・ウォーミングではないと思う)。今でこそ性同一性障害は名称だけでも一般に認知されつつあるが、十年以上前の映画ということで、作中あまりにも主人公への理解者がいないことが哀しい。希望を持たせたいならば、せめてクリスティーヌとの友情やご近所さんとの友好によって救われるというオチを明確に描いて欲しかった。ただ、性同一性障害の人や周囲の人間が抱える葛藤をこんなに分かりやすく描いた作品は他に観たことはないので、その点は非常に評価できる。孤独な主人公が冷凍ボックスにこもるシーンと髪を切られるシーンは涙が止まらなかった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-18 00:23:13)
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