1. ボーイズ・ドント・クライ
とても胸を締め付けられる映画でした。ブランドンを演じたヒラリー・スワンクを始めて見たのは、ビバリーヒルズ青春白書でした。その時はシングルマザーを生き生きと演じていました。その印象が強かったせいか、この映画を観た時、まるで別人のように感じました。「性同一性障害」に苦しむ主人公になりきって本当に20歳の青年に見えました。こういった社会問題を題材にした映画は見終わった後とてもいろいろなことを考えさせられます。私は最後のブランドンが女だとわかってからのすべてのシーンが脳裏に焼きついて眠ることが出来なくなるほどでした。目を閉じるとそのシーンが蘇ってきて自然と涙が出てきてしまうのです。きっと私は女性の視点で見ていたのだと思います。あの細い体を二人でおもちゃのように扱っていた・・。これが本当に実際に起こった事件なのかと人間の残酷さに目を背けてしまいそうになったけれど、現実を受け止めようと心に決め、彼(ブランドン)と彼女(ティーナ)を見ました。そして映画を見た後どうしても詳しいことが知りたくてインターネットでこの事件を調べてみました。ブランドン(本人)の顔も知ることができました。来年で彼が亡くなってからちょうど10年です。この残酷な事件を一人でも多くの人が知り、「性同一性障害」についての理解がもっと深まればと願わずにはいられません。 9点(2002-09-06 13:02:44) |