1. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 デヴィッド・リンチ監督追悼、ということで初鑑賞。 いや、難解。 まあなんとなくは理解できるんだけど、そういう理解をリンチ監督が求めているのかも不明。 そもそもナオミ・ワッツがご贔屓だから、彼女が初めて登場するシーンからその美しさにくぎ付けになるわけだが、青い箱を開けてからのナオミ・ワッツのあばずれ感たるや、相当のもの。 メイクとか衣装の力もあるんだろうけど、しぐさや表情で同じ人物を全く違うキャラクターに見せてしまうナオミ・ワッツの演技に感服。 私はあんまり考えずにじんわり良かったなあと思える映画が好きかなとあらためて思ったしだい。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-02-06 14:07:00) |
2. マッド・ハイジ
《ネタバレ》 いや、「マッド」が足りてないよ。 もっとハチャメチャなハイジを予想していたんだけど、ちょっと暴れっぷりが足りない。 予告編観て期待しすぎた私の責任かもしれないが、もっとマッドに敵をなぎ倒すのかと思ったら、意外に正統派。妙な師匠に弟子入りしちゃったりしたもんだから、少し矛先が鈍った感が否めない。もっと勢いで突っ走る映画を期待していただけに、その点は少し残念。 しかしながら、「アルプスの少女ハイジ」とほぼ同じキャストの登場は、我々世代には間違いなくヒット。ペーターは不憫だけど。 映画館で観ようかどうしようか迷ったんだけど、映画館で観たらまた違った印象だったのかも。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-06 15:32:54) |
3. マッドマックス:フュリオサ
前日譚とはいえ、もう前作の内容をあんまり覚えていないのだが、シャーリーズ・セロン役をやるなら、アニャは適任ではないかと思う。なにせあの鋭い眼光は只者ではない。 自ら爆弾となるボーイズとか、相変わらず狂気に振ったキャストは異世界の設定として迫力充分。これはもう一度「怒りのデス・ロード」を観たくなる。…でも多分観ないけど。 「マッド・マックス」と冠する必要はもはやない気がするので、そこんとこはちょっと異議あり。 [映画館(字幕)] 6点(2024-09-16 11:56:56) |
4. 曲がれ!スプーン
《ネタバレ》 タイトルは知っていたのだけれど、ヨーロッパ企画製作って知らなくて、今更視聴。 ド派手なアクションとか、人生をひっくり返すような壮大なドラマとか、想像もつかないSFだとか、そういう映画もいいけど、この手の映画もやっぱりいいのだ。 エスパーって聞くと私なんかは「超人ロック」のような人智を超えた能力の持ち主をイメージしてしまうのだが、本作のエスパー陣はその能力もほぼ日常的で、だからどうなの?なレベル。 喫茶店で繰り広げられるドラマは、さながら大学生の会話のようでいつまで経っても進歩がない。そこで突如現れる長澤まさみ。 大学生乗りの彼らにとって、マドンナの登場はいつもドキドキで胸の高鳴りが止まらないものだ。ただ、彼らが大学生と違っていたのは、彼女の願いを叶えようと一致団結すること。サンタを飛ばすアイデアは私にはなかったが、そう来たかと。 ラスト辺りで「サマータイム~」の部室に電気が灯るのはちょっと嬉しかったね。 愛すべき映画じゃないかな。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-08-22 13:32:39) |
5. マンハッタン・ラプソディ(1996)
《ネタバレ》 ローズの講義を最後まで聞かなかったグレゴリー。 なぜ恋するのか?超幸せな気分になるからよって部分をグレゴリーが聞いてなかったことに気づいたローズだけど、そのうちなんとかなるはずってことで結婚に至るのだけど。 頑なにセックスを遠ざけようとするグレゴリーにやきもきしつつも、彼女がペッパーをかけないことや、ドレッシング多めが好きなことをちゃんと理解しているグレゴリーを愛おしく思う表情が最高。やっぱりバーブラ・ストライザンドはキュートだ。 ドタバタ劇でラストはハッピーエンド。 こんな映画ばかりじゃつまらないけど、こんな映画も必要なのだよ。 ラストのプッチーニも憎い演出。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-06 08:03:38) |
6. 護られなかった者たちへ
《ネタバレ》 東日本大震災と生活保護をテーマに映画にしようとすると、観る方も少し身構えてしまうと思うのだが、この映画はサスペンス要素を入れることで、鑑賞者を増やし、その点で成功していると思う。 野外ステージのシーンで語られたことが何だったのか最後に明らかになるのだが、彼の人間性を表すいいセリフだった。「殺されていい人間なんていないんだ」は震災で大切な人を失ったからこそ出る言葉だったのだろう。 佐藤健という俳優を少し見くびっていたのだが、本作で見事にその印象が変わった。役柄でどんな人間でも演じることができる稀有な役者だと思う。すばらしい。 そして倍賞美津子。この人の存在感は絶大で、歳を重ねるごとに彼女の持つ包容力や安心感が増している気がする。二人の役者に加点。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-12-26 09:42:03)(良:1票) |
7. マリグナント 狂暴な悪夢
まさかそう来るとは。いや予想外の展開。 精神的に怖そうだなと、予備知識なしで鑑賞。 殺人鬼の動きがなんか妙だよなって思ってたんだけど、そういうことなのね。納得。 これぐらい突き抜けてやりたいことやってくれると、観てる方がちょっと置いて行かれるかも。しかし嫌いじゃないな。 ということで、予備知識なしで鑑賞されることをお勧めしたい映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-10 10:52:23) |
8. マスターズ・オブ・ホラー(2018)
《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞したので、1話目の映画館のシーンとのつながりがどうなるのかワクワクしながら観たのだが、そんなのどうでもよくなるようなどんでん返しっぷりに「おお!」って期待度かなり上昇。数十年前に観た「トワイライト・ゾーン」とか「クリープショー」的なオムニバス作品なのね。 自分の将来が見える映画館?で、支配人はほぼレスラーのミッキー・ローク。 1話目はとにかく意外過ぎる展開で〇。それは完全に予想外。 4話目の徐々に人物や背景が崩れていく描写も薄気味悪くて〇。 あとの話は評価が分かれそうかな。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-10-01 12:06:08) |
9. マローボーン家の掟
冒頭から映画の中に引き込まれる。 ただ怖いだけの映画ではなく、ただ哀しいだけの映画でもなく、観終えてから「これいいよ」って人に勧めたくなる映画だった。 一切の予備知識なく鑑賞されることをお勧めしたい。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-08-17 08:57:25) |
10. マジェスティック(2001)
《ネタバレ》 ジム・キャリーが出ると、良くも悪くもこの人の映画になってしまう。 だが、この映画はジム・キャリーの抑えた演技と脇を固める俳優陣の手堅さで、彼が悪目立ちしないとても居心地のいい映画になっている。 映画館を再建することで、多くを失った町が再生していく様子は、観ていてつい微笑んでしまうほど。 法廷でのやり取りを最小限に抑えた演出も、イデオロギーくさくなくてちょうど良い。 人生で大切にすべきものは何なのか。 恋した女性が待っていてくれることを期待した駅は、彼の帰還を歓迎する人々で溢れている。 そうこなくっちや。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-02-14 23:11:28)(良:1票) |
11. マチネの終わりに
《ネタバレ》 「洋子さんは、記憶のことを言ってるんじゃないかな」 自分のことを理解してくれる人に出会えたら、どんな状況にあっても恋に落ちる。 二人にはいろんな壁が立ちはだかるけど、魂で欲している相手を見失うことはない。 一度しか無い二人のキスシーンが、火の出るほど熱く、美しかった。 そしてラストの邂逅。 微笑みを交わす二人にもはや言葉は必要ない。 ここ何年かで観た映画の中でも、最高のラストシーンだった。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-11-07 18:31:56) |
12. マネーボール
《ネタバレ》 統計でチームを強くするって息巻いたんだけど、監督の協力が得られず、なかなか結果が出ない。 次の就職口のこともあるから、俺は実力で起用すると文句を言う監督は、なんだか生々しくてアメリカ的。 それならと敢行するトレード作戦で物語は最高潮に。 ここは盛り上げ方が上手い。 クリス・プラットがバッターボックスに入った時には、知らず知らず祈ってたもんなあ。 ここで終わってたらスッキリだったんだけど、元々は野球の常識を変えるって話だから、ワールドシリーズまでいって優勝しないといけなくて。 結局他のチームに革命を横取りされて、それでもアスレチックスで頑張ってるって文字で終わらせる作戦。 球界の改革とチーム愛がなんだか両立してない感じがするのが多分モヤモヤの原因かと。 でも、相変わらずブラット・ピットはカッコいいから許せる感じ。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-26 20:34:50) |
13. マイ・プレシャス・リスト
《ネタバレ》 IQが高いだけでなく、他にも色々個性的な女の子。 嘘が嫌いで真っ直ぐな所は、扱いづらそうだけどやっぱり好感度大。 幸せの形は様々だけど、誰かとつながっていることもその一つ。 父親役のガブリエル・ヴァーンは流石の威厳。映画のラストを締めるにふさわしい演出。 そしてきっちり伏線回収。 いや、常套手段だけど、ここまでのキャリーの頑なな姿勢が効いてるから、見事にはまった。 やるね、サイラス。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-17 22:25:01) |
14. マーティ
《ネタバレ》 嫁姑の確執は世界共通、であろうか。 なんだかハリウッド版小津映画の雰囲気。 母親と叔母の二人が、ひとしきり息子は結婚すると豹変するという話をした後で、キッチンに入ってきたマーティが家を売るとか小さなアパートに引っ越そうと話し出すのには笑った笑った。 封切られた当時も、映画館が笑いで包まれたんだろうなあと、そんな想像もついしてしまう。 母親も友人も、モテないマーティがどこかへ行ってしまう寂しさから、訳もなくクララを嫌悪する所も上手い演出。 かかってこない電話を待って、テレビを観ながら涙を流すクララが不憫で、我に帰ったマーティがクララに電話するシーンで終わるのが少し残念。 その後が観たかったんだけどなあ。 しかし、あっという間の90分。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-08 00:25:55) |
15. マイル22
《ネタバレ》 作戦の前に辞表を書くルールがあるらしい。 警察にも知られてはいけない隠密部隊。 最初に始末したロシアの若造がポイントなんだけど、時間軸が行ったり来たりするので少し複雑なんだけど、肉弾戦もガンアクションもキレキレで小気味いい。 まあ、レイドのあの人なんだからその点は当たり前。 マーク・ウォールバーグのいっちゃった演技も面白い。 22マイル先の空港までの怒涛の展開は確かに面白かった。 でも、でもね、やはりローレン・コーハンは『ウォーキング・デッド』で売れ過ぎたことが仇になっちゃいないかい。 彼女が銃持ってると、いや、彼女が出ているだけで、そこはもう『ウォーキング・デッド』の世界。 早めにドラマ辞めて、映画に専念した方が役者人生としてはいいんじゃないかと勝手な心配。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-01-24 22:34:04) |
16. マーシュランド
《ネタバレ》 事件の舞台が湿地帯ということもあってか、終始ぬるっとした居心地の悪さが拭えない。 捜査を担当する刑事二人も、なんだか得体の知れない過去がありそうで、感情移入する対象が見つからないまま中盤。 そこからの展開は少しあっさりし過ぎるものの、観ているものを引き込むどす黒さに溢れている。 普段聞かない言語であることも、底の知れない薄気味悪さを際立たせることに一役買っていた。 まあこれは日本人の感想。 ラストを考えさせる伏線がいろいろあったんだろうけど、それを確かめるためにもう一度観る気にはなれないかな。 1980年を描いた映画ってことで、登場する車はエンスーにはたまらないラインナップかも。 しかし、ラスト近くのマリナと名乗る女の子のスタイルは反則。そこまで築いてきたストーリー全部持ってっちゃったよ。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-15 23:09:41) |
17. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
《ネタバレ》 兄とも折り合いが悪く、母親にもあんまり愛されてなさそうな、ちょっと弱々しいイングマル少年。 彼の毎日はかなりつらそうだ。 望んでもいないのに宇宙に飛ばされたライカ犬よりはマシ、が彼の自己防衛。 そんな彼が大好きな母親と離れて預けられた先が、叔父夫婦の暮らす片田舎なのだが、この町の人々がイングマルの心を解きほぐしていくさまが、とにかく心地よい。 叔父夫婦も、日がな一日屋根に登って修理を続けるおじさんも、イングマルにファッション雑誌を読ませる老人も、スタイル抜群の憧れの女性も、みんな自分の人生を楽しんでいる。 生きている限り、そこに喜びは見つけられるんだ。 そんなささやかな幸せに気づくことを、この映画は教えてくれる。 ハルストレム監督らしい、じんわり心にしみてくる穏やかな映画。 そしてなんと言っても素晴らしいのは、イングマルの相手役のサガ。 まさに宝石のような愛くるしさで、彼女の成長物語としても成立する作りになっている。 男勝りだった彼女がスカートをはき、イングマルと笑い合う場面は、本当に記憶に残るワンシーンになった。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-08-29 00:47:46)(良:1票) |
18. マネキン
つい先日、やっとブルーレイを購入。 VHSにダビングしてたんだけど、もう再生するデッキがない。 そんな古き良き時代の映画。 脚本、キャスト、音楽の全てが素晴らしい。 特にこの映画のキム・キャトラルは、キュートでセクシーでもう褒め言葉が思いつかないくらい愛らしい。 映画って、本来こういうもんかもしれないなあ、という思いを改めて感じる歴史に残る一本。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-05-06 23:49:15) |
19. MAMA(2013)
《ネタバレ》 設定の発想が普通ではない。 小泉八雲の「飴を買う幽霊」の話を思い出した。 日本びいきのギレルモ監督のことだから、きっとこの怪談を知っていたに違いない。 それにしても、人間が四つ足で歩くだけでこんなに恐怖を覚えるものかと、演出に脱帽。 怖いだけで終わらせない、異常ではあるけれど、人間の情を描く脚本は嫌いじゃない。 そしてジェシカ・チャステイン。 ボディラインも母性を感じさせて、つい見入ってしまった。 好きなタイプの女優さんじゃなかったんだが、観る本数を重ねるとどんどん魅力的になって来た。 そこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-11 02:55:03) |
20. マイ・ボディガード(2004)
《ネタバレ》 過去に苦しみ、酒浸りの生活を送る男に一筋の光が差し込む。 寂しげだ、と男を見抜く少女と過ごすことで、少しずつ新たな人生の可能性を感じ始めた男。 デンゼル・ワシントンの演技は相変わらず見事で、ダコタ・ファニングの天真爛漫さも最高にキュート。 復讐に燃える男に完全に感情移入できる流れは、前半の輝いた一コマがあればこそ。 監督の手腕にまんまとやられた感じ。 男の最期のアートになったかどうかはわからないが、無事だった少女が男に抱きつくシーンはグッとくるものがあった。 レオン、よりは、アジョシに近い、自分の光を守ろうとする男の美しさに溢れた映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-08-12 15:07:12) |