1. M:I-2
監督にジョン・ウーを起用し、前作に輪をかけるどころか、もはやアクション面のみを売りにした作品と 化したシリーズ第2弾。 オリジナルである米TVドラマ:スパイ大作戦の持ち味であるチーム頭脳プレイの醍醐味は もはや皆無で、こうなると、数あるアクション作品の亜流と言った印象である。 ジョン・ウーの独特のスタントアクションは、本作に魅力を与えるどころか、邪魔な存在以外の何物でもなく、 脚本的にも中途半端なシロモノとしか言いようが無い。 ジョン・ウーを監督に据えた本作で、ボロボロになった感のある、シリーズ。 トム・クルーズは、性懲りもなく、3を製作し、そろそろ公開するようだが、その出来や如何に。 果たして、幾分、軌道修正した内容となっているのだろうか? 少しの興味と期待を捨て去って見守ろうと思う。 [DVD(字幕)] 3点(2006-01-20 01:11:46) |
2. ミッション:インポッシブル
元々、ミッション・インポッシブル(邦題:スパイ大作戦)シリーズは、チームリーダー:フェルプス氏の元、 ある技術に特化したメンバー達がチーム連携し、各々の特技を駆使して指令を秘密裏に遂行していくという、 頭脳戦を主軸においたサスペンスドラマなのだが、トム・クルーズは、これをアクション・ドラマに仕立ててしまった。 そういう意味で、オリジナルのスパイ大作戦を念頭において見てしまうと、その醍醐味は、あまり得られない。 それでも、まだ初作である本作には、オリジナルへのオマージュが垣間見られ、本来あるべき 「ミッション・インポッシブル」としての娯楽性をまだうっすら残している。 MI2に至っては、もはやその影も形も吹き飛んでしまい、「ミッション・インポッシブル」とは名ばかりの 別物に醜く変異している。 話を本作に戻すと、導入部とクライマックスはひたすら格好良い。 「燃えよドラゴン」のテーマ曲も書いたラロ・シフリンによる原曲は、ダニー・エルフマンのアレンジで、 重厚感が増し、よりインパクトのある楽曲となっていて、素敵だ。 監督は、デ・パルマであるため、その雰囲気から、推理サスペンスモノとして見ると逆に失敗する。 また、癖のあるデ・パルマの編集を見慣れていないと少し取り違えてしまうのではないかと思うシーンも見受けられる。 しかし、デ・パルマがクライマックスのアクション・シーンをここまで見せられるとは、少し意外な気もする。 [映画館(字幕)] 8点(2006-01-20 01:04:50)(良:1票) |
3. 未来世紀ブラジル
奇才集団モンティ・パイソンのテリー・ギリアムが作るシュールな世界に憧れて観にいった。 見た当時も「なんか良かったなぁ」などと一緒に行った友人と話していた気もするが本当に俺達、理解できていたのか甚だ疑わしい。 DVDでも見直したのだけど、どこに感慨を持ったかがわかった気がする。 彼の作り出す映像と、その世界観なのだ。 だけど、彼が本当に表現したかった部分を理解できているかというと今も自分が疑わしい。 「バロン」辺りが、分かりやすくて、俺には合っているのかも。 [映画館(字幕)] 6点(2005-09-14 18:13:04) |
4. ミミック
B級ホラー的作品にしては、かなり上質である。 脚本も良くできていて、最後までしっかりと見せてくれる。 同時期の同系統映画「リリック」とは雲泥の差があり、こちらはタダモノではない。 ギジェルモ・デル・トロの本国でのデビュー作は、1992年製作の「クロノス」と 言う現代吸血鬼物語。 こちらも機会があれば、是非観たい。 7点(2004-06-13 21:50:58) |
5. Mr.デスティニー
あの時、あのグラウンドで、あの白球を打つことが出来ていたなら、人生はもっとバラ色だったかもしれない。 人生をやり直してみるというプロットが「ペギースーの結婚」とは逆パターンではありながらも似通っていたせいなのか、はたまた別の理由でなのか、本作は日本では、劇場未公開である。 しかし先に劇場に観に行った「ペギースー・・・」よりも、偶然レンタルビデオ店でレンタルして観た本作の方が、私は断然面白いと思うし、大好きである。 主演はブルース・ブラザースの故ジョン・ベルーシの実弟、ジェームズ・ベルーシ。 彼の妻役に、リンダ・ハミルトンが好演している。 運命を変える謎の男「ミスター・デスティニー」役のマイケル・ケインが素敵だ。 本作が好きな理由は何とも甘酸っぱい味付けのエンディング。これが絶妙なのだ。 クライマックスで抱かせる曖昧模糊な夢物語に決着を付けるのだが、この雰囲気と筋運びが見事なのだ。 エンドロールはプラターズの「Only You」。 ミスター・デスティニーは本当にいたのか? これは酒に酩酊した主人公の単なる夢?それとも妄想? あの時、あのグラウンド、試合が終わった後、独り肩を落としてグラウンドを立ち去ろうとする少年に・・・・・。 そうか!全てはここから始まっていたのか! [ビデオ(字幕)] 10点(2004-06-12 19:29:36) |
6. 未知への飛行
長丁場な作品であるのと、モノクロである上に導入部が長いのでやや冗長な感じは否めない。 ただ、そこさえ絶え忍べば、後はひたすら手に汗握る展開を約束されている。 シナリオがかなり秀逸であるため、劇としてしっかりと見せて、観客をグイグイ引っ張って行く。 シドニー・ルメット監督のこのあたりの作り込みのテクニックは素晴らしく、 「12人の怒れる男」同様の真価をここでも発揮している。 その確かな演劇の上に築かれているクライマックスは、尚ショッキングであるが、 何よりもホワイトハウスとクレムリンのホットラインによるやりとりの緊迫感は他に類を見ない。 通訳を介してのやりとりであるが故に、状況の進退が微妙なニュアンスで変転するという緊張感に張り詰めている。 私的にはこの作品は「12人の怒れる男」より上だ。 「博士の異常な愛情・・・」と同時期に製作公開され、テーマが似通ったせいか、 日本劇場未公開であるが、私はキューブリックのそれよりも、こちらの方が好きだ。 [DVD(字幕)] 10点(2003-12-06 14:19:12)(良:2票) |