1. 未知への飛行
「博士の異常な愛情」の生真面目版とも言うべき内容。タラタラした序盤にウツラウツラしそうになったのをヘンリー・フォンダに活を入れられました。苦手な人ですが今作では魅入ってしまった熱演振り。ただ、彼の決断の無理筋さに白けたのは残念。 「博士の・・」には及ばない作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2023-12-06 23:13:51) |
2. ミネソタ無頼
《ネタバレ》 冒頭、無実の罪で18年収監されているミネソタ・クレイの脱獄シーンの適当感に「駄目だハズレだこりゃ」と思ったのですが。意外や意外!!!掘り出し物で忘れじのマカロニ・ウエスタンでありました。視力が失われてゆく中で身の潔白を証明する為の闘いに挑むミネソタ、頭悪そうな小悪党オルティス(フェルナンド・サンチョ はまり過ぎ)、狡猾な大悪党フォックス、三人の男の間を立ち回る蓮っ葉エステラ、父は死んだと聞かされている娘ナンシー、それぞれキャラが立っていて展開が実に見応えあるものでした。エステラを始末するシーンで監督らしからぬ見せない演出が印象的。そして私的にウエスタン屈指の名場面であったクライマックスの暗闇での決闘模様は息を詰めて見入るもので、妻の敵でもあった汚いにも程があるフォックスのやり口を粉砕したナンシーのブレスレットに痺れました。 私が観たのはハッピーエンド版で味わい深いものの面食らったところもありました。 ナンシーに父であることを告げて力尽きる版もあると言うことです。これはありきたりなので観たいとは思えません。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-27 02:29:59) |
3. ミニミニ大作戦(1969)
《ネタバレ》 金塊強奪作戦はハラハラするところは無いもののCGの無い時代の3台のミニの逃走模様はワクワクし通し。ミニのこれ以上ない宣伝効果になったのではないでしょうか。カースタントチームの仕事ぶりに心からの喝采を送ります。マイケル・ケインを支える、ノエル・カワード、ロッサノ・ブラッツィ、ラフ・ヴァローネの贅沢な脇役陣の存在感がたっぷり。囚人でありながら刑務所の君主であるブリッジャーが作戦成功で皆の祝福に応えるシーンでのチャンチャンチャチャチャンチャチャチャチャ ブリッジャー!!が耳に残ります。「えっ、ここで終わり?」意表を突かれたラストショットは先の展開が色々と思い浮かんだ印象深いものでした。怒り悲しみ切なさやるせなさとは無縁のからりとした粋な味わいある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-16 00:01:15) |
4. ミクロの決死圏
小学生の時に観ていてハサミを落としてしまうシーンのみ記憶。50年近く経て再見。小宇宙人体を舞台にした冒険SFは見応え十二分。奇想天外なアイデアを形にした製作に携わった方々と最高傑作の邦題をつけた方に敬意を表します。件のハサミのシーンの後の彼女を助ける際の男性三人の目がランランとしていたのに凄腕監督の茶目っ気を感じました。 [DVD(字幕)] 9点(2018-04-30 23:26:46)(良:1票) |
5. 水の中のナイフ
《ネタバレ》 妻を前にして内心張り合って火花を散らす夫と青年。何時爆発するのかハラハラさせられていたら、夫婦のほうが爆発するも腐れ縁を続けて行く。湖上のヨットにおける密室劇で描かれる人間模様は夫婦の倦怠のみならず体制対反体制をも浮き彫りにさせるもの。斬新なアングルの瑞々しい映像美、バックに流れるジャズ、妻が歌う歌にも心奪われます。29歳での長編処女作とは、監督の無尽蔵の才能に脱帽します。 [映画館(字幕)] 8点(2013-08-03 21:58:16) |