1. ミッドナイト・ラン
実は「タクシードライバー」と勘違い(笑)して買った 1,000 円 DVD 。 だから、ギャップが激しかった。 それにしても、こんなに映画でずーっと笑っていたのって何年ぶりだろう? 実に緻密にストーリーが組み立てられていて、そこにクスッとする、あるいは爆笑する要素が絡められている。 登場人物のキャラクターもハッキリ分かりやすく設定され、それぞれに「笑い」のポジションが与えられている。 だけど僕はこの映画を、単なる「コメディ映画」とは思わない。 この映画は「総合的なエンタテインメント作品」だと思う。 ここまで楽しめる映画だと、ついつい10点をあげてしまいそうになるのだが、 僕にとって「10点満点の作品」とは、 「将来、それを超える作品が出てこないほどの名画」 という意味合いになるので、この点数にとどめた。 今後も、もっと新しい映画の登場に期待していたいから10点は取っておこうと思う。 ただ、これは自分自身の問題であるのだが、あまりに完成度の高い作品(絵画や音楽など全ての芸術作品)と 出会うと、なぜか自分の感情に防衛本能が働いてしまうのか、どこか一歩ひいて見てしまう。この作品も同じ。 単純にのめり込めないのだ。スゴく残念な性格だと思う。 僕の本当の専門は「音楽」であり、今回初めて「映画」に対して、こういう反応が出た。 そういう意味で言えば、限りなく「10点」に近い「9点」とも言えるだろう。 映画のラストシーンで、ロバート・デ・ニーロが2度目に振り返った時の表情が何とも寂しげであり、同時に 自分にとっても「楽しい時間」は、これで終わりなんだという事実がオーバーラップして、複雑な気持ちであった。 [DVD(字幕)] 9点(2020-02-12 12:36:14) |