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自己紹介 映画を観る楽しみ方の一つとして、主演のスター俳優・演技派俳優、渋い脇役俳優などに注目して、胸をワクワクさせながら観るという事があります。このレビューでは、極力、その出演俳優に着目して、映画への限りなき愛も含めてコメントしていきたいと思っています。

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1.  ミュージックボックス 《ネタバレ》 
"政治的実録映画「Z」「告白」「戒厳令」のコスタ・ガブラス監督によるベルリン国際映画祭で金熊賞に輝く、社会派法廷ドラマの秀作「ミュージック・ボックス」"  この映画「ミュージック・ボックス」のコスタ・ガヴラス監督は、もともと社会派の実録映画作家です。 ギリシャ生まれで、政治家ランプラスキー暗殺事件にヒントを得て、時のギリシャ軍事政権を痛烈に批判した「Z」(1968年)、スターリニズムの驚愕の実態をえぐった「告白」(1969年)、南米ウルグアイで実際に起こった事件を基にした「戒厳令」(1972年)など、政治的実録映画を次々と撮って来ました。  その後、アメリカでも映画を撮るようになり、1982年にはチリの軍事クーデターにアメリカ政府やCIAが関与していた事実を暴いた、ジャック・レモン主演の「ミッシング」で、カンヌ国際映画祭の最高賞のグランプリ(現在のパルムドール賞)を受賞しました。  そして、1988年には、アメリカ社会に根強く存在する人種差別のテロリストたちを軸に、FBIの女性捜査官とテロリストが対立する立場にいながら、恋に落ちるという「背信の日々」を撮りましたが、この映画「ミュージック・ボックス」は、ユダヤ人虐待の嫌疑をかけられた父の無実を晴らそうとする、女性弁護士の苦悩を描く社会派法廷ドラマで、ペルリン国際映画祭で、最高賞の金熊賞を受賞している作品です。  女性弁護士アン・タルボット(ジェシカ・ラング)は、第二次世界大戦後にハンガリーからアメリカへ移民し、平和な日々を送って来た父マイク・ラズタ(アーミン・ミューラー・スタール)が、突然、ハンガリー政府からユダヤ人虐待の容疑者として、彼の身柄の引き渡しを要求された事で、周囲の反対を押し切って、父の弁護をする事を決意しました。  そして、真相を調べていくうちに明かされる、過去の知られざる父の姿。 彼女は、父の無罪を証明するために、父の祖国ハンガリーへ飛ぶが----。 娘と弁護士という立場で揺れ動くアン・タルボットをジェシカ・ラングが熱演しています。  新たに浮かび上がった事実は、父が移民の際、自分の身分は警察官ではなく農民だと偽っていた事でした。 また、同じハンガリー移民のゾルダンという男に、なぜか送金していた事もわかって来ました。  そして、法廷では父がユダヤ人虐殺の先兵であった特殊部隊の"ミシュカ"と同一人物であるという証言が次々と行われ、状況は決定的に不利だと思われました。 しかし、父の無実を信じるアンは着実な反証によって、検察側の証人を切り崩す事に成功するのです。  検察側は遂に"ミシュカ"の知人だという男を証人として持ち出して来ますが、アンはハンガリーのブダベストまで行き、病床にあるその男を訪ね、そこで決定的とも言える反証の資料を手に入れるのです。  しかし、アンの胸中には、父が送金していたゾルダンという男の事故死についての疑念が晴れず、何かすっきりとした気持ちになれませんでした。 その時、アンはゾルダンの姉から唯一の手掛かりになると思われる質札を預かりました。  その後、アンがアメリカへ戻ると、新聞は父の有罪立証が不可能であるという事を一斉に報じていました。 しかし、アンはブダペストでユダヤ人虐殺の証拠である、顔に傷を持った男がゾルダンである事を見てしまっていたのです。  そして、質札から引き出されたミュージック・ボックス(オルゴール)が意外な真実を告げたのです。 その中には、ユダヤ人に銃を向けている若い頃の父の写真が入っていたのです----。  激しく問い詰めるアンに対して、父は私を信じてくれと言うばかりでしたが、もはやアンは父を愛する事が出来なくなっている自分の心に気づき、黙って父の有罪を告げる証拠写真を連邦警察へと送るのです----。  やはり、コスタ・ガプラスという、不当な権力による政治的犯罪に対する、燃えたぎる不屈の精神、抵抗、そして、人間の尊厳を踏みにじる諸々の行為に対する告発----、これらの彼の映画作家としての資質を抜きにしては、とうてい、この映画は製作されなかっただろうと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-24 10:10:14)
2.  緑色の部屋 《ネタバレ》 
フランソワ・トリュフォー監督の「緑色の部屋」は、後ろ向きの人生まっしぐらの男の物語です。  かつて観た「海の上のピアニスト」の主人公に共感できなかったように、この映画の主人公ジュリアン・ダヴェンヌ(フランソワ・トリュフォー)にも全く共感できませんでした。  ある意味、非常にグロテスクな映画だと言えます。彼は死者しか愛せないのです。もちろん、死体愛好者ではなく、死んだ人が全く忘れられないということなのです。 そして、この映画はホラー映画でもサスペンス映画でもありません。ある異常な男の人生ドラマです。  人間は誰でもいずれは死にますが、かといって死ぬために生まれてきたわけではなく、生きるために生れてきた存在のはずです。 最愛の人を亡くせば、絶望のどん底にたたき落とされるのはよくわかります。 配偶者や恋人や両親や子供を亡くしたことのある人なら、誰でも経験することです。  しばらくは頭も真っ白になったり、呆然としたり、死にたくなるほど落ち込みますが、ごく普通の人なら、そのうち時が経てば心も落ち着いてくるものです。 親しい人の死の悲しみを乗り越え、自分の「生」も取り戻すことができるのです。  ところが、この映画のダヴェンヌはそうではないのです。 新婚時代に妻を亡くした彼は、ずっと妻を想い、妻の遺品に囲まれた部屋で時を過ごしたり、頻繁に墓参りに行ったり、別の土地でのいい仕事の話しがあっても断ったり-----。  彼は新聞社で死亡記事を書くことが仕事で、死亡記事を書かせたら、彼の右に出る者がいません。まさに彼の生活の中心は「死者」なのです。  この違和感満点の陰気な男を、フランソワ・トリュフォーは実に見事に演じています。 脚本もトリュフォー自身が書き、当然のことながら監督もし、彼自身が主演もしているという入れ込みようです。  そして、もう一点、見事なのはカメラワークです。 ほの暗い空間に無数に灯されたロウソクの光が幻想的で美しく、壁に貼られた数々の死者の写真が思い切り辛気くさく、なんとも言えない怖さが伝わってきます。  この主人公には全く共感できないのですが、映画としては傑作だと思います。 この何とも言えない"妖しい雰囲気"には、観ていてゾクゾクしました。 死者を想い続ける主人公の妄執は、とにかく陰鬱なのですが、考えてみれば、確かに世の中にはきっとこういう人もいるだろうなと思わせられます。  ダヴェンヌの前に現われるセシリア(ナタリー・バイ)という美しい女性との関わり合いも、とても切なくて印象的でした。  これからも、トリュフォー作品をこまめに観ていきたいと思っています。
[ビデオ(字幕)] 7点(2019-03-28 20:20:45)
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