1. 息子のまなざし
日本映画の表現があいまいだと言われるけど、ベルギー、フランスの映画も違った意味であいまいな表現ですね。重いテーマを硬派な映像で表現した作品。地味な映像でありながら、いったい何が起きるのだろうという緊張感が最後まで続きます。そうした表現力を評価しつつ、主人公の立場に心から同情しつつも、ほかの方々が書いているように、オリヴィエの肩ごしに撮影した映像が音楽なしで続くのは、耐えがたかったです。まるで、身動きのとれないほど混雑した通勤電車の中で、目の前に自分より背の高い中年男に立たれてしまい、焦点が合わないくらい間近でその男のうなじを見続けなければならないような感じで、一種の拷問でした。私は家の小さいテレビで見てもこう感じたのですから、映画館のスクリーンで見るのはさぞかしきつかっただろうなと思います。 6点(2005-01-28 17:02:10) |