1. ムッシュ・カステラの恋
ほんとに分かったような分からないようなもどかしい感じではありますがなんだか印象的。最初はいろんな人がいろんなことを言って進むのも少々退屈な感じですが、次第にその人間模様が面白くも見えてきます。 こういうちょっとおしゃれだけどどこかクセがある、といった感じはいかにもフランス映画という雰囲気がします。 5点(2004-10-28 20:43:33) |
2. ムッソリーニとお茶を
これは本当に監督の自伝的思い出だったんですね。彼が少年期から青年期の大戦中に関わった老レディたちへの敬愛が感じられます。 独裁者や戦争中の話なのにこのレディ達にはどこかのんびりとしたユーモアが漂ってます。 個性的なレディたち、特に元英大使夫人のマギー・スミスがどんな状況でもマイペースで誇り高いイギリス流なのがちょっとシニカルでユーモラス。 彼女が軽薄で下品だと軽蔑するアメリカ人女性がシェールですが、大らかな役柄もあってか魅力的でした。 その他にも実力派の女優共演や美しいフィレンツェなどの映像も味わい深く、ほのぼのと暖かい後味がします。 7点(2004-07-14 19:19:59) |
3. 無法松の一生(1943)
これはいいですよ~。無法松と言うけれど乱暴なのは芝居小屋の大暴れくらい(升席でにんにくを煮るってすごい!)。それより 板妻の松五郎はまっすぐな正直もので、なによりなんともいえない愛嬌があってとても魅力的だった。へちょちょさんが言及しておられるのと同じく、時間の経過を美しい人力車の車輪の回転で見せたり放っておかれた車の客が後方でサイレント風に手足を振り回して怒っていたりするところ、祇園太鼓のバックシーンに波や雲などをはさんで豪快さを強調したり、回想場面のシュールなシーンなど随所に素晴らしい演出が見られるのに感嘆した。運動会での松五郎の走りなど演技はコミカルであったり、太鼓打ちや最初の喧嘩シーンなど様式的にも見えるのが面白い。確かに松五郎が未亡人に魅かれているという描写はなく、純粋に母子を支える無私のきっぷのいい男、というあたりの印象になっているのは話の膨らみに欠けるようで残念だが、それでも十分素晴らしかった。ラストの松五郎の残した貯金のエピソードには涙がこぼれる。 9点(2004-03-20 20:07:43)(良:2票) |
4. 宗方姉妹
古風な姉(田中絹代)とドライな妹(高峰秀子)という対照的な姉妹の生き方を描いたホームドラマ。ラストの姉の出した結論は私には理解不能。妹の高峰のほうはっきりした性格で共感できるし、演技も生き生きしててこの作品で一番いい。姉の言う「古いものが新しいのよ」という対比での存在なら、高峰の妹は引き立て役と言うことになる。監督が描きたいのはどうも姉の生き方だと思えるが、私はこの姉に共感はない。どうも男性に受けそうな貞淑な女性が賛美されているような気がする。 6点(2003-10-18 13:42:20)(良:1票) |
5. 息子(1991)
和久井英見をこの映画で認識して好きになった。彼女も良かったけど永瀬、三国さんも良かった。みんな素朴で一生懸命生きてる、っていう描き方が好き。山田監督の作品では人間の「善」を感じられるから・・息子の幸せを見届け、東京から帰って岩手でまた父一人 家でのシーン、寂しい暮らしだろうと思うと切なくなった。 8点(2003-05-24 13:55:19)(良:1票) |
6. 息子の部屋
事故で息子を亡くした両親や家族の様子がリアルに描かれる。身近な人の死を体験した人ならよりリアルに感じられるでしょう。「あの時ああしてたら」など悲しみは後悔や自責でいっそうつのる。精神分析医の父のもとにはいろんな患者がそれぞれ悩みを吐き出しにやってくるが、同じ立場になってしまうと自らの苦しみでとても人の話を聞くような余裕はなくなる。亡くした者の思い出に囚われているうちは全てがそこに留まって前に進めない、、ということなのでしょう。そのあたりは描写が細やかで分かるのですが、ガールフレンドの登場と家族の変化といったところは今ひとつ理解しきれない気がする。なんとなく雰囲気は分かる気はするんですけど、もどかしいようにモヤモヤした気分でもあります。 6点(2003-05-24 13:42:28) |
7. ムーラン・ルージュ(2001)
色彩にあふれ、まさに絢爛豪華という感じ。ニコールの衣装はデートリッヒ風あり、クラシカルでエレガント風ありで彼女の美しさを一層引き立てる。悲恋ものだがニコールがコメディエンヌ風に演じる場面もある。これがなかなかい、ニコールはうまいです。ユアンとの歌もGood。劇中劇シーンはインド映画風、様々な現代ポップスも含めてんこ盛りサービス満載の、見て楽しい、聞いても嬉しい新感覚ミュージカルでした。 8点(2003-05-24 13:02:49) |