1. MW-ムウ-
《ネタバレ》 まず手塚漫画の印象で左右されないように、原作は未読で鑑賞しました。(鑑賞後に原作を読破しました)まず褒めておきたいのは主人公・結城演ずる玉木宏の存在感は素晴らしかったです。彼のお陰で本編が魅力的になっているのは確かでした。映像とか細かい部分でも作り手の気合いは感じる事が出来ました。でも、全体的に展開がスピーディーに作られているはずなのに、何か冗長に感じました。まず冒頭のタイの誘拐のやりとりは明らかに引っ張りすぎでカーチェイスも長い逃走もシーンも必要がないと思います。そんなのに時間を割かずもっと他に見せるべき所はあったのでは?(アタッシュケースの事も気になりました)。スローモーションの多用、凝った映像展開は冗長さに拍車を掛けてるだけかと。あと重箱の隅ですが石田ゆり子の記者は以前に事件を担当した記者の命懸けで守ったという手帳や資料を読んで事件の概要を知ったのですから、そこに記してあった東京にMWのサンプルがある事も理解してなきゃおかしいでしょ。わざわざ島まで行って既に持っている手帳を結城が読んで気付くって・・違和感があります。石田ゆり子の記者は島シーン以降の東京で登場させれば自然だと思います。そして山田孝之演ずる賀来神父は果たして必要だったのか?いてもいなくても同じような存在になっていました。どうしてあそこまで葛藤しながらも主人公に加担してしまう根底が描き切れてないです(原作だと賀来が主人公とのホモセクシャル関係が主軸となり他の葛藤も、しっかり描かれている)結局、何だったんだコイツは?と思う訳です。結城の最大の武器ともいえる美貌を駆使した肉体で男や女を利用する一面(特にホモセクシャル)を全面的にカットしたのは大きな失敗です。単なる復讐モノになっているだけでは?玉木宏の主人公が素晴らしいだけに惜しいと思います。 [映画館(邦画)] 4点(2009-07-05 17:04:32) |