1. メメント
観たことないようなすごい映画を想像していたが、ちょっと不服。 確かに他にこういう映画は観たことがなかった。でも、「ユージュアル・サスペクツ」ほどすっきりしない。だまされたことで逆にウキウキしちゃう、あの感覚にはほんの少し及ばず。「ファイナルファンタジー7」(ゲーム)の真実が分かったときの、言いようのない切なさ、物悲しさもない。あの感情の揺さ振りには少し及ばず。「メメント」には、なるほどね~っという伏線がちょっと少ないからかもしれない。 でも、何より、観客がこの新しい手法に慣れることに大半のエネルギーを使ってしまうために、登場人物に感情移入したり、思いを馳せたりする、そんな余裕がなくなってしまうからじゃないだろうか。 主人公は妻を殺した犯人を探している。でも、妻を殺された悲しみ、悔しさ、寂しさ、歯がゆさ、そういったものが十分には伝わってこない。振り返れば、そういうモチーフは映画のところどころに出てきてはいるんだけれど、リアルタイムには心を揺さ振らない。 それが少し残念。でも、相当におもしろい映画ではある。 7点(2003-11-22 15:16:32) |