1. めぐり逢い(1957)
「名画薫る」という表現がぴったりの、クラシック映画。ややご都合主義、 中盤やや冗長という感は否めないものの、劇中に散りばめられた伏線や小道具たちが、 ラストで一気に集結するシーンには心地よささえ覚えてしまう。ケイリー・グラントもいいけど、 デボラ・カーの上品な美しさと、優しいおばあちゃん役の女優さんは特に印象的だった。 アクのない品のあるラブストーリーに、美しいメロディーのテーマ曲。名作です。 [DVD(字幕)] 9点(2012-07-22 03:19:43) |
2. めまい(1958)
ある男の不可思議な体験を描いた、ミステリーサスペンス。 ヒッチコックの作る映画にはロマンスの設定を含んだ作品が多いのだが、ほんの付け足し程度というものが多い中で、本作はストーリーにうまく絡んでいて、途中で飽きるということもなかった。 本筋のほうも前半はミステリアス調、後半はサスペンス・タッチと、安定感のある演出とともに、万人向けのエンターテイメント作品に仕上がっているかと。 人気タイトルだけあって、さすがに面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-24 10:46:20) |
3. 夫婦善哉
これは面白かったね。森繁のダメ男ぶりが妙に板についていて、 文句を言いながらも、かいがいしく世話を焼く淡島千景が良かった。 ややコミカルタッチで会話にテンポがあり、二人のかけあいが夫婦漫才を見ているようで絶妙。 夫婦間の機微や情感もそこはかとなく描かれているので、後味の良さも感じさせてくれる。 お薦めのクラシック邦画。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-16 21:36:25) |
4. 女猫(1958)
ヒロインの女優さんが、やたらきれいだなぁと思っていたら、 「ヘッドライト」でジャン・ギャバンと共演していた女優さんだった。 そう言えば、あの映画を鑑賞したときも同じことを思ってたっけ。 一人の女スパイの心情を描いたメロドラマで、内容は「ロミオとジュリエット」を イメージして頂けたら、わかりやすいかと。組織の女戦士といえども、女性が主役の作品らしく、 男と仕事の狭間で揺れ動く心情がちゃんと描かれていて、なかなか面白かった。 やっぱり女優さんの魅力が一番見所の作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-16 10:09:23) |
5. めし
倦怠期を迎えた、ひと組の夫婦の心の機微を描いたドラマ。 主に原節子扮する妻側の心理描写でお話が進む展開で、 もちろん設定などに時代の違いこそ感じるが、男と女の中身だけはあまり変わらぬようで、 どこの家庭でも見られるような夫婦のちょっとしたすれ違い、心の内が丁寧に描写されている。 といっても、日本のテレビなどでよく見られる、いかにもホームドラマといったクドさはなく、 さっぱりしていて、鑑賞後の後味は爽やか。小津や向田邦子作品に通ずるような雰囲気で、 大阪や東京の古い街並もいいけど、やはりセンスのいい演出が光る映画だった。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-12 05:36:14) |