1. もののけ姫
◆「もののけ達」と「タタラ場の住人」という二項対立の間に、大和から迫害され続けてきた蝦夷の一族、アシタカが介入してきて、その争いを「曇りなき眼で見定める」というお話です。◆アシタカという中立の視点を通して、それぞれの言い分を実に丁寧に描いていてとても面白いです。見ようによっては、「アシタカはどっちつかず」の印象を受ける人もいるでしょうが、じゃあ自分だったらどのような結論を下すだろうか?と考えてみるのも悪くないとおもいます。物語は必ず明確な結論を出さなければいけない、というルールはないわけで、あの終わり方も一つのパターンでしょう。もし、安易にエボシを殺して、タタラ場がなくなってしまえば説教くさくなりかねないし、そこで問題は完結してしまう。見る側に「私だったらこんな解決手段をとるなあ」と考えさせることが、この映画の最大の目的なのだと思います。◆アシタカは凛としていて、落ち着きがあって僕の理想像ですが、気がつくとサンの腰に手を回したり、カヤの小刀をあげちゃったりと、ここはさすがにいただけない。なので1点引いて9点を献上させていただきたい。 [DVD(吹替)] 9点(2005-12-14 00:03:34)(良:3票) |