1. ももいろそらを
《ネタバレ》 グタグタな女子高生の日常を、リアルな会話とまったくリアルじゃない展開で描いた映画 ある種の雰囲気はあるが、それは自分にはさほど心地良くは無かった この物語はその辺が心地いい人達に向けて作られたものではなかろうか 女子高生の中で語られる会話がキンキンとうるさい 30万と言う大金をヒロインが拾ったことから始まる話だが、彼女らの中でのお金に対する認識が常にインフレで軽々しくて、そこがかなり不快 彼女らの行動も雑でイライラさせる ノイズを楽しむ映画ではないので、この手の話なら「もらとりあむタマ子」のほうがまだマシだと思った あるいは、今時の娘達の瑞々しいイメージを感じればそれで良いと言う人には向いていると思う タイトルにもなった「ももいろそらを」の意味が、入院していた少年が、意味無く事故で死んだというオチも、冗談ではすまない人の悪さを感じる 入院中なので病気で死んだという理由にも出来るはずなのに、あえて事故という理由にした意味がわからない 火葬場から出るピンクの煙もわざと消化不良で、なにか作り手に底意地の悪さを感じる この映画は妙に瑞々しい部分があって、カメラワークも美しいだけに、その底意地の悪さがノイズになって楽しめなかった [ブルーレイ(邦画)] 5点(2016-05-10 12:32:30) |
2. MONSTERZ モンスターズ(2014)
《ネタバレ》 相手を見るだけで思い通りに動かせる男が、唯一力が通じない男との宿命の戦い この宿命の部分に力が入りすぎていて違和感がある 藤原竜也が山田孝之を厭う理由が説明無しなのが一番の問題だ ひっそりと隠していた力を世間に誇示してまで自滅覚悟で山田孝之を葬ろうとする理由が無い 放っておいても問題は無いはずなので、あくまで葬ろうとする理由はこの映画を違和感無く見る上で最低限、どうしても欲しい所だ この話には磁石の様に惹かれ合って、必ず相手を葬り去るまで離れられない運命の理由が必須である 藤原竜也扮する名無しの男が何故名無しなのかとか とくに伏せておく意味が無いところまで説明が無いのは不可解だ ならば設定として除くべきだろう 特に意味のない設定(たとえばメインの二人が地図マニアだった話とか)なんの意味も無い話が多すぎる 設定がとにかくメチャメチャ 警察の対応も謎すぎるというよりもほとんど馬鹿としかいいようが無い 二人の友達やヒロインも含めて登場人物がマンガすぎ アニメのシナリオをそのまま実写にしたらこんな笑っちゃう設定になるかもって感じか この監督はとにかくディテールに気を使わなさすぎる しかし見ただけで相手を自由に動かせる超能力者と不死身の男との戦いは設定としては抜群で、この二人のバトルだけで2時間の映画を牽引した 藤原竜也の戦い方と警察の対応がもう少し納得出来れば結構面白かったはずなのに とにかくバカ設定がヒドすぎる映画だが妙な魅力もある 続編を匂わせているので次作は違う監督ならば見るぞ [ブルーレイ(邦画)] 6点(2015-02-05 02:12:23) |
3. 土竜の唄 潜入捜査官 REIJI
《ネタバレ》 ときどきスマッシュヒットを飛ばす三池崇史 愛と誠もそうだったがオバカ映画の良品だった くだらないバカバカしさの連続だが嫌いぢゃない だからといって笑えるかというとそうでもないが 汚いオヤジ3人が延々と土竜の唄を歌うバカバカしさ 「長いし、もういいよ」と思いながらもニヤニヤしてしまうみたいな あーくだらないと言いつつグダグダにはならない展開に感心する クドカンのシナリオがいいんだろうな 前半で出て来たアニメぽい背景とか、仁義無き戦いのパロディやら、タランティーノのようなアニメ遊びが後半ではなくなってしまったのはちょっと残念だった 堤真一のヤクザはめちゃかっこいい 岡村の禿げ猫やら上路の禿げヒョウもうまくはまっていて面白いが、残念ながら仲間になったり敵対したりの理由が薄い 主人公が組の中で台頭して行く理由はもっと薄い この辺がこの映画が全体的に薄味になってしまった理由か そういう意味では主人公が一番の薄味だった この人は「脳男」でも思ったが主人公のキャストの割に存在が不鮮明だ どの辺がいいのだろうか? しかし映画の出来は良く、続編ありきのエンディングなので後編に期待しよう [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-10-10 18:47:19) |
4. もらとりあむタマ子
《ネタバレ》 父親からすればそうそう娘ってこんな奴だよって感じ 親に呼ばれてもすぐ動かないし自分の事を棚に上げて都合のいい事をいいやがって、いつも携帯ばっかいじってる 部屋も汚くって休みは汚い格好でグダグダ 親には不遜な態度を取る癖に外面はいい リアルな父親と娘の関係を描く 前田敦子もうまい しかし実際には父親の立場としてはリアルすぎて笑えない ヒロインもさほど成長しないし父親としても娘が実家を卒業するのも寂しい この話の骨子がよくわからなかった 全編グダグダな前田敦子を見て楽しむ映画だと思うが、父親としては「本当は父親が大事だ」的な所が無いので救いが無い 母親の態度もリアル過ぎて笑えない 食べるシーンがやたら出て来るがあまりうまそうじゃないとか父親がストーブに給油する仕草が必要以上に寒そうで可哀想とか、父親に対して妙に毒があるところが嫌いだ By高校生のバカ娘を持つオヤジw [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-07-29 00:26:59)(笑:1票) |
5. モスラ対ゴジラ
《ネタバレ》 シリーズ鉄板の一作 後年にマニアからモスゴジと呼ばれるゴジラの造形は、ぽってりとしたまぶたに、ぷるぷるのほっぺたがちょいワルオヤジ風の面構え 冒頭から台風直撃の港の特撮もきわめて緻密で今作の特撮は派手さはないが、ちまちまとした小さい重機、戦車からトラック、漁師達が一斉に漕ぎ出す手漕ぎ舟まで非常にリアル 昭和シリーズ後半から造形が雑になる事を考えると、この辺がひとつの職人的特撮のピークかもしれないと思った インファント島からザ・ピーナッツが現れて例の「ナンジャ ホンジャぁヤラ♪」を歌い出すと独特の雰囲気が醸し出されて、「今、モスラを見てるっ♪」て言う雰囲気に満たされる この設定がとにかく最強だ 最後の力を振り絞って戦って守ったモスラの卵から一匹じゃ無く、双子のチビモスラが現れる所は感動的だ 港を蹂躙したゴジラを追って子供達を救う為に海を渡る双子のチビモスラに、ザ・ピーナッツのわけわかんないモスラの歌が冠ると何故かめちゃめちゃ感動する ザ・ピーナッツにこの歌を歌わせた事が、この映画の歴史的快挙だと思う [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-04-09 11:43:08)(良:1票) |
6. 燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘
《ネタバレ》 なんだかわからない映画 カンフー映画としては今ひとつ 香港アカデミー賞4部門を受賞って何だろう?いいところがが全然わからない いろいろな映画のオマージュなのか 自分がカンフー映画に詳しく無いせいかもしれないな 主人公らしき青年はまったく強くならないし、蘇ったロー師匠の強さはまったく描かれない しかも唐突に死ぬ 主人公がうだつが上がらないサラリーマンで出向先でタイガーに出会う序盤までが一番面白かった しかし主人公がサラリーマンじゃなきゃいけない理由はまったく無い 以降わけがわからないへんてこな展開でしかも狙ってるようなそうじゃないような、ただただつまらないとしか言えない展開 余り活躍しないが、ヒロインがメチャ可愛いいのが見所か もともとコアなカンフー映画ファンにあてた作品じゃなかろうか 私的には見事にピンとこなかったのは自分のカンフー映画に対する思い込みの無さかもしれないな [DVD(字幕)] 4点(2014-04-04 19:05:42) |
7. モンスターズ・ユニバーシティ
《ネタバレ》 とにかく絵は抜群だ 最近のピクサー物の中で一番いいと思った ストーリーは前作をちゃんと憶えて無いので今ひとつピンとこなかった 良くも悪くも無い感じ 「そうそう学生時代ってこうだったよな」みたいな大学のノスタルジックな感じは良く出ている 大学の伝統行事で進路を決めるのは展開として安易な感じ 学長のキャラにも深みがない ウーズマ・カッパのメンバーひとりひとりのエピソードが少ないので彼らひとりひとりの友情が描き切れていない なのでラストの別れに今ひとつ感動がなかった やはり友達キャラひとりひとりに思い入れができなきゃだな エンディングで学長がマイクの才能を褒めるが退学は動かない この辺が若い二人の挫折を巧く描いた この手の映画で若い人の挫折を巧く描くのは珍しい この結末は本当に良かった、普通なら「じゃぁ特別に今回かぎりは」見たいな展開になるんじゃなかろうか この挫折があるからこそモンスターズ・インクでの成功がある事をしっかりと見せている希有な映画 しかし今ひとつ突き抜けたおもしろさには欠けていると思った [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-02-17 19:31:19)(良:1票) |