1. 山猫は眠らない2 狙撃手の掟
やっぱり前作に比べて緊張感が薄れるのは、ジャングルが出てこないからでしょうか。アメリカの敵はアラブのテロリストか、コロンビアの麻薬王、あるいは旧ユーゴスラビアの軍人という図式ができあがりつつあるんでしょうかね(苦笑)。ご多分に漏れず本作はその中の三つ目が敵になります。”アメリカの論理”による暗殺の図式は相変わらずなんですが、今回はベケットがその論理にべったりではなく、多少の葛藤と、人間的な感情の涙を見せるというのが進歩なのでしょうか。前半、意外なほど簡単に暗殺が終了し、これは何があるんだと思っていたら、相変わらずCIAらしい下らない作戦を考えるなあという印象です。逃走劇の緊迫感が今ひとつ盛り上がらず、後半の廃墟での狙撃合戦もジャングルほど緊迫感が感じられなかったのはなぜでしょうね? てっきり間に合うと思っていた敵の援軍もただのお見送りに成り下がるし、作戦を立てたCIAのその後も何も出ず、かなり欲求不満の残るストーリー展開となりました。 6点(2004-03-15 12:00:12) |
2. 山猫は眠らない
実戦経験豊富なスナイパーと、技術はあるが実戦経験のない男とのぶつかり合いを通してストーリーを展開するわけですが、惜しい点が多すぎて残念な作品です。まず細かいプロットをいっぱい敷いてその連続で描写するので、理解力が要求されます。さらに、ジャングルの中のシーンが大半を占めるので、目的地までの行動がわかりにくくなります。ただ、けっこうお気に入りのシーンもあるので、全体として嫌いじゃないんですけどね。ひとつだけ挙げるとしたら、トム・ベレンジャーが降伏すると見せかけて銃を掲げて弾を一発だけ抜くところなんか、それまでの伏線と相まって秀逸なシーンだと思います。また、敵対する傭兵スナイパーとの対決など、緊張感高まる演出もあり、その点は楽しめるのですが、しかしながら、暗殺の理由が相変わらず”アメリカの論理”中心なところが受け入れがたいので、残念ながら7点にはできません。 6点(2004-03-15 11:51:49)(良:1票) |
3. ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎
《ネタバレ》 昔、デートの時に観ました(笑)。エクレアのお化けとか楽しいんだけど、あんなワトソンで将来大丈夫なのかって心配してしまいます(苦笑)。イギリスにピラミッドという発想は面白いし、空を飛ぶのもいいんだけど、それ以外の敵役がとんでもない方向に行ってしまうのが興ざめですね。でも、「モリアティ教授って、死んだ」と思わせておいて、エンディングクレジットの後に出てくるシーンは、ちょっとだけニヤリですね。 7点(2003-11-30 00:09:38) |
4. 八つ墓村(1977)
《ネタバレ》 原作は面白いです。映画化は、金田一耕助のイメージがぶち壊されるので、残念ながらさほど評価できません(渥美清自身が嫌いなわけではない)。ただ、鍾乳洞をあちこちのロケでつないでひとつのモノに見せたりといった、表に出ない苦労は評価したいと思います。また、要蔵や婆さん二人の特殊メークも面白かったし、落ち武者の話も結構好きです。夏八木勲の首が飛ぶシーンとか凄いよね。 7点(2003-11-30 00:04:12) |
5. 野獣死すべし(1980/日本)
松田優作って、目で狂気を表現できるすごい役者ですよね。夜行列車の中での”リップ・バン・ウィンクル”の話のシーンは、名シーンではないでしょうか。凶暴な”動”の加賀丈史と、秘めた狂気の”静”の松田優作が、対照的でした。不死身な室田日出男の刑事もよかったね。小林麻美が綺麗で、儚い女性を好演していましたね。 7点(2003-11-22 22:20:46) |