1. 野獣死すべし(1980/日本)
初めて観たとき、松田優作の“逝っちゃってる”演技にしびれた記憶があります。でも、最近になると、どうも最初の頃の印象が違ってきました。理由はよく解りませんが、例えば、この人(つまり松田優作演じる主人公)レコード店の視聴コーナーでブラームスの交響曲1番か何かを聞いたりするんですが、何となくわざとらしく感じたりね・・・。この人、ベトナム従軍記者か何かで人格が破綻しちゃったかのような設定ですけど、つまんない箇所で「ああ、こいつナル入ってるよ」などと気になるわけです。似たような設定の映画では、例えば、『タクシードライバー』などがありますが、デニーロが演じたトラビスには、もっと生々しい現実感のようなものが漂っていたと思います。この作品の松田優作は嫌いではないし、実際かつてはかなりかっこいいと思っていたんですが、やっぱ「探偵物語」の工藤ちゃんですかね。 7点(2002-08-20 12:57:12) |