2. ゆれる
《ネタバレ》 こんなに良い映画は久しぶりに観た!ただ事実を映すのではなく、人間のこころという真実を描き出していた。微妙なこころの揺れ動きを、落ち着いたカット割りと長回し気味のカメラによって見事に表現。登場人物のかすかな心の揺れを、顔をアップにしたり、カットの切り替えしの連続で役者の顔を捉えたりすることなく、淡々としているように見えて実にじんわりと、しみこむように観ている者に訴えかけてました。観ながら完全に映画の世界に引き込まれて、登場人物と同じように私の心も揺れ動いていました。心って本当は、白黒つけたり完全に割り切ったりすることができずに、微妙な感情が複雑に絡み合って混在しているもので、この映画ではそこが如実に描かれていた。脚本が綿密に作り上げられていて、久しぶりに良い映画を観ました。西川美和監督、大注目です。役者では香川照之がうまかったです。 [映画館(邦画)] 9点(2006-08-02 19:31:17)(良:1票) |