1. 夜明け告げるルーのうた
《ネタバレ》 ひっさしぶりに映画館で観たからか、心にしみわたる感動をもらった。 確かに真面目に眉間にしわを寄せながら観れば、いろいろツッコミどころ満載で、首をかしげてしまいがちかもしれない。 「海水が緑色になって、四角くなって飛んでくるわけなくね?ありえねえし」とか。 まあ実際ありえないんだけど、そんな些末なことを塗りつぶすように、これでもかと言わんばかりにオモシロをぶつけてくる。 クライマックスで傘を登場させるためなら、町の伝統工芸品にすることくらいお手の物。なんでやねん。 しかし、保健所の殺される予定の犬とか、人魚に殺された(とされる)昔の人々とか、海底に沈む船とか、骨だけになっても動き回る魚とか、随所に「死」を想起させるのもピりりとしている。ルーの母の壮絶な処刑の光景は想像すらしたくない。 なによりも、ルーがうちの娘に似ている。 でもやっぱタイトル覚えずらい。 [映画館(邦画)] 8点(2017-07-13 23:37:30) |
2. 八日目の蝉
《ネタバレ》 やけにキワコがイイ人のように描かれている。まるで正しいことをしている気の毒な境遇の女のてい。一方被害者である夫妻が悪いみたいな感じになってる。そもそもてめえが浮気するからこんな不幸な人生が出来てしまったんだと去勢してやりたい夫と、神経質に発狂しまくる妻。生後4か月の赤ちゃんを一人放置して出かけるにもかかわらず家の窓のかぎかけ忘れてる無神経っぷり。窓を開けて侵入してみると、生活力が無いことを表明するかのように部屋が散らかってる。裁判の傍聴席からも妻は「死ねばいい!死ね!」と暴言を吐き、夫は小声で「落ち着きなさい」。等等、被害者である夫妻の映画内での扱い方が偏っているのに首をかしげた。 ただ、キワコと誘拐してきた女の子との4年間の逃亡生活は、それはそれで素晴らしいものだった。いつ逮捕されるかわからない状況だから、今日がこの娘との最後の日なのかもしれないということを本当に実感しながら、キワコは生きている。そこでキワコは何をしているかというと、誘拐した娘に毎日最大限の愛情を注ぎ育てている。逆説的ではあるが、これこそが親のあるべき心構えなんだなと思った。それを永作博美が演じてるわけだから、泣けるよ。 もう一つ挙げたいことは、愛してしまう男のタイプも、子に遺伝するという輪廻性。クソみたいな男が産ませた子供は、大人になると、同様にクソみたいな男に惚れてしまうのか。これは、絶望。 この輪廻を断ち切るためには、ラストシーンで井上真央と小池栄子が言っていたことを実践することが必要なんだろう。その説得力は十分あった。正しい愛で育てる。そのためには正しい愛で育つ。難。 [DVD(邦画)] 8点(2013-08-27 01:59:05)(良:2票) |
3. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 数学者は論理に漬かっていて、理屈っぽいっていうのは誤り。本当の数学者は、情緒的で、穏やかで、論理を信じず直感を信じる。罪もない人を殺害し顔面を叩き潰すような男は数学者ではない。 だから石神は、数学者としての成功はありえなかった。 確かに天才だったかもしれない。だけどもあれくらいの天才はたくさんいる。 長塚演じる糞おやじは確かに死んでしまえばいい男ではあるが、殺してしまうのはいけない。それに同情させてしまう話の流れってのも気持ち悪い。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-31 22:15:18) |
4. 妖怪大戦争(1968)
この質感、ストーリー、クオリティ、総じてこの映画。もうこれから先絶対に登場しないであろう。そういう意味で文化財てきな映画と言っていい。ろくろ首や二面女のエロがあれば、これは文化財ではなく、「重要文化財」になれた。 [DVD(邦画)] 5点(2010-08-30 00:33:27)(笑:1票) |
5. 妖怪大戦争(2005)
これくらい不真面目なのがちょうどよい。そしてエロいです。後半はそこにしか目が行かない。妖怪「えろめがね」 [DVD(邦画)] 7点(2006-07-20 00:37:21)(良:1票) |
6. 夜と霧
皮と骨になった彼らが処分する場所に困り穴に放り込まれたり、ブルドーザーで乱暴に片付けられる様子を見たら、殺されたユダヤ人たちの人情や人格、生活が鮮明に偲ばれました。ユダヤ人虐殺の映画は幾つか観てきました。でも、そのどれもがメインは9000000人の虐殺されたユダヤ人ではなく、シンドラーだったりピアニストだったりロベルトベニーニだったわけです。そんなドラマなんかよりも、夜と霧の32分間は9000000人のユダヤ人の人としての存在が痛烈に伝わってきます。それは今までの映画には出来なかったこと。この映画の価値はここにあると思います。お粗末な編集も変に美化したり残酷さを増したりせず32分という短い尺もくどくなくなかなか秀逸。映画もやはり時代と共に古くなっていくのですねぇ。 9点(2004-11-02 16:49:11)(良:1票) |
7. 吉原炎上
だんだんエロしか期待しなくなていきます。 4点(2004-02-11 00:08:35) |
8. 黄泉がえり
これはXファイルでしょ。ヒューマニティーを出したかったら科学的分析するな。破綻しちゃうよ。つじつまあわせでひっしです。5分くらいのエピソードそれぞれはぼろぼろなけますがだからいいえいがなのか?RUIは歌いすぎで、だんだんとプロモーションビデオになってゆき、最後のくさなぎの台詞「RUIの歌の歌詞にこのようなものがある云々・・・」で駄目押しのPR。ラストは「CDかってねー!」というメッセージしか受け取れなかった。さめる。これが邦画。はぁ 0点(2004-02-03 16:48:56)(笑:1票) |