1. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 「容疑者Xの献身」 映画化されたと聞き先に原作を読んだ。 感動! 流石に直木賞。 さて映画はどうなるのかと配役を見ると、 何!? 容疑者は堤真一に松雪泰子? これは違うぞ。 堤真一は格好良すぎ、 松雪泰子はエレガント過ぎる。 でもそれは俺の間違いだった 役者ってすごいなぁ 特に堤真一。 ダサくてショボくてオタクっぽい数学教師を好演。 歩き方で倦怠感を 無表情の中に喜び悲しみ苦悩を微妙に表現する。 最初から最後まで彼の演技に引き込まれた。 主役堤真一と言ってもいい映画。 とは言え福山も決して悪くはない。 ドラマのガリレオとは違い 友情や愛という非論理的なものに 意外にも振り回されている。 「実におもしろい」 何かにふと気づく彼の表情はチャーミング。 堤とのやりとりでも魅せてくれる。 脚本もよくできている。 出だしのクルーザー爆破と 登山のシーンは原作にないもので 、 違和感はあるが 、 全体的に原作に忠実。 むしろ要らない部分を削ぎ落とし テンポよく描かれてた。 ラストの堤と松雪の絡み、 最大の山場。 原作でも泣かされたシーン。 かなりの感動である。 最初、原作を読んだとき 石神の咆吼は献身的な愛が 結果、報われなかったからなのだと思っていたが、 ひょっとしたら逆にこれで報われたのかもしれないな とも思わせた。 たぶん松雪泰子が石神の献身愛を理解し それに応えるような演技を見せたからだろ。 文字では見えてこない世界だ。 エンドに流れるシーン。 これも原作にはない。 俺的には微妙。 せっかく二人感情が通い合ったシーンから 現実の世界に引き戻された。 その後の取り調べ、 今後の容疑者たちの裁判の進み方まで、 想像させてしまう。 だが二人で罪を償うのだから それはそれで良いのかもしれない。 そこで流れるKOU+の主題歌が切なく素敵。 [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2008-10-06 13:19:42) |