1. 八日目の蝉
日本社会のうさんくさいものを全部寄せ集めたような良きサスペンス小説の良き映画化例。よくぞここまで世界観を大事に映画化できたと思う。テーマは「母性」というが個人的には「偽善」な気がする。しかし結局日本文学、日本映画ってのは小豆島に行き着くのかねえ・・・ [DVD(邦画)] 7点(2012-04-19 00:46:21) |
2. 用心棒
世界を自戒に陥れた観念的傑作羅生門、ヒューマニズムの最高峰といわれる生きるから七人の侍、日本刑事サスペンスの金字塔天国と地獄までオールジャンルに傑作を世に出した黒澤明。対してこの作品は決して名作とか呼ばれる部類ではないただの娯楽時代活劇だが、斬新な視点とスリルのがある中にもコメディタッチでユーモアを交えて描かれたエンターテイメント作品。ハリウッドのオールジャンルのヒットメイカービリー・ワイルダーしかり、名監督にして名脚本家はこのようなセンスが問われる作品でこそ真価を発揮する。その視点で言うと黒澤の真骨頂はこの作品とも言えるだろう。 [DVD(邦画)] 9点(2012-04-17 17:15:32) |
3. 余命1ヶ月の花嫁
実話が元なのになぜこんな王道のプロットになるのだろうね。ドキュメンタリーの時点でそうなのだが実話というものは、話は決して出来上がっていないのに、殊更に感動の方向へ持っていこうとするのが見えて痛い。もちろんそうしないと商売にならないのだろうが、それでこの映画だ。あまり長くても商売にならないのか、明らかに足りない尺。確かに私も長い映画は好きではないのだが、伝記映画には3時間も4時間も割くハリウッドの姿勢は評価できると思わされた。 [DVD(邦画)] 4点(2010-05-20 13:43:25) |
4. 善き人のためのソナタ
グッバイ・レーニンもそうだったが何で東ドイツを扱った映画ってのはこんなに面白いのか。「東の優等生」らしくある程度西側に近い生活は担保されていて居るにもかかわらずやはり理不尽な統制がされたプライバシーもへったくれもない市民生活のシニカルさとシュールさ。政治的にもソ連のような粛清の連鎖ということもないため重くはなく(失脚も日本のような島流し的な罰が多い)どこか無能さが滑稽で、そして最終的に壁崩壊という救いがあるからだろうか、単純に面白いと思える。あの悪名高き国民監視組織シュタージの実態をエモーショナルな脚本で描き出した優れた社会派作品。 最近北朝鮮から脱北した人が韓国社会に適用するための教育(地下鉄の乗り方など)のニュースを見たが、まさに現在これと同じことが起こっている朝鮮半島の正常化を祈る。それが果たされたときまた同じような作品が書かれるのだろうか…革命のためにも…正男!!しっかりしなさい!! [DVD(字幕)] 9点(2009-06-04 06:23:01)(良:1票) |
5. 欲望という名の電車(1951)
マーロン・ブランド、映画を食う演技とは正にこのことで、彼の出演作はほとんど彼の色に染まってしまうため評価やコメントに戸惑うことが多い。本作はヴィヴィアン・リー、カール・マルデン、キム・ハンターらも揃って名演を見せ、演劇学校の授業のような雰囲気で物語というより演技の観察に集中してしまった。 [インターネット(字幕)] 7点(2006-08-25 21:07:01) |