1. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 テレビドラマの映画化と言うよりは小説「容疑者Xの献身」の映画化なので、予想より真面目に作られてる印象。原作も読みたくなるようなレベルには仕上げています。 しかしまだまだ脚本、演出は力不足。まず、ドラマからの流れとは言え内海薫が全く必要がなく、湯川と石神の登山シーンも、映画なんだからスケール大きくしなきゃ、ぐらいの意図しか感じられずこちらも不要。ストーリーもミステリーとしての魅力が少々欠けています。 そしてこの映画最大の見せ場である石神の号泣シーン。あれは石神一人だけで泣かせるべきです。靖子まで一緒になって泣き叫んでしまうと絵的にちょっと滑稽に見えてしまうというか、石神が感情を爆発させた衝撃、感動が薄れてしまったように思うのです。それから、これは本編に大きく関わる事ではありませんが、工藤という男がうさん臭く見えて仕方がなかったのも気になりました。 ・・・が、及第点ではあります。何よりも俳優陣。原作通り石神は醜男で、もっと冴えない俳優の方が良かったとは思いますが、やはり堤真一は上手い。ラストの衝撃度は薄れたかもしれませんが、全体を通して石神というキャラクターに魅力を持たせています。花岡親子もいい味出してます。 ストーリーも原作に忠実なので、演出に問題はあっても流れは非常にいいです。 テレビ局などの制約がある中では中々頑張った作品ではないでしょうか。 [映画館(邦画)] 6点(2008-10-19 21:37:25) |