1. ラスト・ショー
《ネタバレ》 どこぞの田舎町を舞台にした人間模様が描かれていて、ストーリーらしいストーリーもないんですが、独特の映像と、赤裸々でありながら微妙な人間関係が、我々を映画に引きこんでくれます。若い人たちがいて、かつて若かった人たちがいて、何だか大してロクなこともしてなくって、田舎町ではずっと前からこういうのが続いていて今後も続いていくんだろうな、と思いつつも、どうやらそうではなくって。劇中、何人かの人物が姿を消していき、そして、決して「町の中心」という程の存在感を主張している訳ではないんだけど、映画館がひっそりと最後を迎えて、この作品も終わりを迎える。静かであるが故に引き返せない流れを、しっかりフィルムに焼き付けておこうとするかのような、そんな切なさを感じさせる映画でもあります。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-01 12:27:06) |
2. ラ・マンチャの男
歌詞がほとんどタワゴトばかりという恐るべきミュージカルですが(笑)。正直申しますとコレと言ってお気に入りのナンバーが見つからず、やや曲調に変化が乏しいような気もして、なんとなく「歌」がボリューム不足の感じ。ミュージカルシーンよりソフィア・ローレンのセクハラシーンの方が多かったのではないか、と思えるほど(ではないケド)。し、か、し。劇中劇のラスト、地味になったS・ローレンの姿に、なんとなく『ひまわり』を思い出しつつも、そのセリフには、ハッとさせられる。「ドン・キホーテ」から「キハナ」に戻った(正気に戻った)P・オトゥールに話しかけてるんだけど、まるで僕らに話し掛けてるようじゃないですか。「昔はもっとバカでもっとハジけてたのに、すっかり守りに入って、ゴリッパなオトナになっちゃってさ!」と言われているかのよう。うむ。ドン・キホーテみたいな生き方への憧れが、何となくよみがえってくるようだ。そう、「勝ち負けは関係ない、戦い続けること」。少し勇気が沸いて来た。 7点(2004-08-27 23:57:58)(良:1票) |
3. ラスト・シューティスト
死に向かっていくジョン・ウェイン、もはや物語としての必然性を超えて、ただただ、生き様というか、死に様を見せつけてくれます。ところで、ロン・ハワードが出てますねえ。 7点(2003-05-24 01:02:06)(良:1票) |
4. ラストタンゴ・イン・パリ
まあ、正直言って、映画にまでして見せて欲しいようなもんでもないかな、と。一種のデスマッチ系の映画ですよこれは。ラストも安直で脱力(勘違い自主製作映画みたいだ)。 4点(2003-10-13 10:47:44) |
5. ラストハウス・オン・デッドエンド・ストリート
イカれたヘボ映画作者たちが、実際に人間を殺害してスナッフ・フィルムを撮影する、というオハナシ。本当にそれだけ。物語の展開もなければ解決も無し。まあようするに、マグロの解体ショーを映画化するようなもんですね。前半はたいしてエロくもないエロシーンを交えつつのどうでもいい前置きが続き、後半はというと、血糊と絶叫と臓物だけで何とか盛り上げようとする低予算ショックシーン、ただそれだけ。映画の物語を支えるサスペンス感覚が全く無い中、ほれ~残酷でしょ、ぐはははは、とか言われても、なあ。もっとも、このヘボ映画の中で「ヘボ映画作り」が語られているというコト自体には、メビウスの輪のような超次元的は循環パターンが感じられ、わずかにユニークさを醸し出しておりますが。この映画に感じる恐怖感って、映画の中身にあるのではなくて、「この程度でOK」という製作者の信じられないような“割り切り”に対する恐怖感、かも知れません。あるいは、人間、上を見たらキリがないけれど、下を見たら実はもっとキリが無いという事実。下には下がある。ダメ方向のベクトルの先にはひたすら底の見えない深淵が広がっているという事実。そういうことを感じさせてくれるだけでも、平凡な日常にちょっとだけ楔を打ってくれる作品、ではあるかもしれません、が・・・観ますか?敢えて。 [DVD(字幕)] 2点(2010-06-14 18:01:31) |