1. ラブソングができるまで
《ネタバレ》 僕はずっと面白い映画とはどういう物か?と考えている。 個人的な趣味傾向から、今まで派手なアクション物、凄いCG、意外性のあるサスペンス物を見てきて、 ストーリーの設定や展開こそが面白い映画の最重要要素だと思ってきたが、最近 それに加えて「魅力的な人間か?」とう事も重要だ、と気づいた。 そこで普段は見ない恋愛物を借りてみたわけだ。 この映画で衝撃的だったのが、ソフィーが歌詞とメロディーについて語るセリフ。 「メロディーは第一印象、肉体的魅力やセックス。 相手の本当の姿を知る事が歌詞。つまり人生や心の中ね」 これは正に映画でもいえる事で、派手なCGを使っているだけで内容のない映画は、 メロディーだけ良くて、歌詞の内容がない物と同じ。本当に良い歌は歌詞に人生や心がある。 映画や物語にも、人生や心がなければならないんだろう。 ここで重要なのが、どうやって人生や心を映画に込めるのか?という問題。 いくら素晴らしい言葉があったとしても、ただしゃべるだけでは何の感動もない。 映画の場合、登場人物に人間的魅力があり感情移入できている状態で、 はじめてセリフに重みがついてくる。 この映画は、アレックスとソフィーの人間味で溢れていた。 ソフィーがピアノに物を置いたり、植木に水をやりすぎても叱らず 大人な対応で受け流す。そんな二人の関係性が優しい雰囲気の映画にしている。 こういった些細な事の積み重ねで、冒頭30分で二人に感情移入出来ているから 不思議な物だ。その一方で、アレックスは過去の栄光にすがり音楽業界に対してスレた感情を抱いいるし、 ソフイーは昔の男のトラウマから、自分に自信をなくしている。 人間の陰と陽の部分を持つ二人に、リアリティーがある。 こういった、リアルな人間である事で感情移入が出来て、深いセリフも 直接心に響くんだろうなぁっと思った。 いや~、映画って本当に面白いですね・・・いや、水野晴郎じゃないよ? [DVD(吹替)] 9点(2009-01-12 13:19:35)(良:1票) |