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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1497
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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1.  落下の解剖学 《ネタバレ》 
他にもご意見がありますとおり、私も予告編を見てサスペンス、あるいはミステリーの佳作と思って期待していました。もっともカンヌのパルムドールというところでそりゃ違うなという予感も並走していましたが。  夫の謎の転落死に係る法廷劇を中心に語られる本作。本作だけ見てフランスの法廷はなんと無秩序?!と決めつけてはいけないと解っていても、一歩間違えばコメディになりかねない揚げ足取りと口喧嘩の応酬。それはそれで楽しめましたが、次第に何だかドロドロの離婚裁判みたいな感じで夫が転落死していることが蚊帳の外みたくなってしまう瞬間まであったりして。録音データと再現フィルム?の場面の緊迫感には凄まじいものがありましたけれど。  結局、これまた既にご意見がありますが、「羅生門」の如く登場人物によって異なる見解が語られ、フランス語と英語が入り混じる中でのコミュニケーション不全も挿し込まれ、敢えて歪な演出と展開(大人と子どもの逆転と言うか、もっとも俯瞰、達観していたのは飼い犬と言うか)をもって語られる家族の日常と非日常を描いたヒューマンドラマといった印象でした。  奥さんの浮気相手は同性。冒頭登場する取材者とのやり取りも同性愛的な雰囲気が込められている。その設定って必要だったんだろうか?交通事故で息子が背負った視覚障害という設定って必要だったんだろうか?そのあたりを挿し込むことによる長尺化って必要だったんだろうか?いろいろと疑問もあり、控えめに6点献上としておきます。  追記1 作品中ダニエルが奏でる「アストゥリアス」は、個人的にはギターアレンジとして大好きな楽曲。ダニエルの心情を表現するのに効果的に使われていて好印象でした。エンディングのピアノ曲も然り。冒頭、夫が鳴らしている大音量の楽曲もまた然り。音楽性については秀逸と思いました。  追記2 スヌープがアスピリンを与えられて仮死状態の如くなっているシーン。どうやって撮影したのか?かなり演技力の高いワンちゃんだとは思いつつ、あの目の演技までは無理なのでは?と思うと痛々しくて堪らなかったです。目はCG?
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-18 09:40:10)
2.  ラヴレース 《ネタバレ》 
物語の舞台となっている70年代初頭の空気感が丁寧に描かれていますね。2013年の作品とは思えない出来栄えです。件の作品「ディープ・スロート」をリアルタイムで観た訳ではありませんが、後年になってボカシダラケの同作をつまみ食い的に見た記憶が蘇りました。  同作はアイディア一発のコメディ作品。本国での大ヒットで本邦でもかなり名を馳せたものですが、では名作か?と問われれば、変化球的ポルノ映画の先駆者というところに留まるのではないかと。正直、申し訳ないような気がしますが、主演のリンダ・ラヴ・レースについての記憶は容姿も含め全くありません。  なので、観る前は、ライトなコメディ調ポルノに出演して好き勝手に演じていた(そもそも演じていない?)女優の人生?そりゃ誰にだって波乱万丈の人生はあり得るだろうけれど、あのハチャメチャなコメディ調ポルノに出てたぐらいだから…などと思っていました。  しかし、それだけに観終わった後は重かった。ズシンと来る重みがありました。しかも54歳という私よりもずっと若くして事故死していたとは。正直、全く知りませんでした。  世間知らずのままに男にいい様に利用され、なまじ有名になったことで逃げ出すことも出来ずに消耗しきってしまった彼女。夫を始めとする様々な魔手から逃れた後、持ち前の反骨心を発揮して反ポルノの旗手的な生き方に転じた彼女。夫と子どもとの生活はそれまでの彼女の人生に空いてしまった空洞をどのくらい埋めることが出来たのでしょうか?  考えさせられることの多い佳作でした。もう少し彼女の人柄を知るためのエピソードが描かれても良かったのでは?との思いが残り、8点寄りの7点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-23 14:28:36)
3.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
端的に言えば「ちょっと風変わりでお洒落なファンタジー・サスペンス・ホラー」とでも言いましょうか、結論から言えば気に入りました。ダブルヒロイン2人の魅力は勿論のこと、脇を固める出演者たちの存在感も半端ない。そしてカラフルで見事な映像とそれを盛り上げる音楽。大いに満足です。  評価点や疑問点は既に皆さんに殆ど語り尽くされている感がありますので、極力重複する部分を除いた自分なりの感想を以下に少々書かせていただきます。  エロイーズの「力」とは霊が見えるということなのでしょうか?郷里に居た頃のエピソードは特に語られておらず、彼女には鏡に映る亡き母の姿が見えるだけです。特に亡き母と語り合うこともないようです。  一方、ロンドンに来てからは夜毎いろいろと見えて来ます。見え過ぎちゃってタイムリープものかと見紛うぐらいです。そして、徐々に登場する助平オヤジたちは亡霊ですが、そもそも彼女を惹き付けたサンディは結局生霊だったのか?生霊となれば話が違う。生霊が夢に現れる?じゃ、サンディこそ強力な「力」の持ち主?だからオヤジ霊たちもサンディを恐れて祟ることなど到底出来なかったのかも。あんなにおどろおどろしくてエロイーズに物理的に接触するぐらい強かったオヤジ霊が、一転して無様な臆病者面になってしまうあたりは笑ってしまいそうでした。  また、考え方を変えればエロイーズの「力」の強さ故、階下に眠るサンディの悪夢を察して過去の物語を再現していたのかも。サンディが犯した罪を悔い無意識下で常に悔やみ続けていたのであれば、そこにエロイーズが入って行って過去の悲しくも忌まわしい事実を感じてしまったのかも。  結局サンディは今度こそ亡霊となってエロイーズの前に現れる訳で、とり憑いて悪霊化して欲しくはないところです。  それと、ジョンの叔母さんも「力」があるのですね。だからこそ彼は、自身は「力」がないまでもエロイーズの「力」を感じ接近して来たのかも。そして彼女の本質を理解出来るからこそ、殺されかけても近くに居続けてくれるのかも。ちなみに、彼が叔母さんを連れて来てエロイーズのピンチを救う、なんて月並みなオカルト物語にならなくて良かった。  それから、テレンスさん演じる謎の老人がジャックだとミスリードされることはなかったですね。彼が亡霊として登場していれば別だけれど、登場の仕方や雰囲気が基本的に善玉感ありありでしたし。まさか、サンディを救おうと声掛けした男だとは思いませんでしたが、後になって考えてみればそれ以外なしですよね。  戯言で失礼しました。  改めて感想を。古いビルに自らの人生を封じ込めざるを得なくなってしまったサンディが、期せずして現れた彼女の過去を視ることが出来てしまうエロイーズを、一度は消し去って現在の平穏を維持しようとしたものの、土壇場になって過去を悔い改め自らの全てを消し去る道を選んだということでしょうか。いずれにしても、ひさびさに満足できるホラーに出逢えました。8点献上です。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 14:29:37)(良:1票)
4.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
懐古的なオープニングタイトルで始まり、ワンカットでカラフルに描かれる歌とダンスの競演。カメラワークが素晴らしい。ツカミはOK!という感じですね。  が、そこからは定番・鉄板・お約束感満載のラブストーリー。意外性はほぼなしといった感じでした。それでも惹きつけられ一気に観てしまったのは何故だろう?ひとつには主演ふたりの魅力ですが、それを上回る優れた演出によるところだと思います。  オープニングでも度肝を抜かれたカメラワーク、繊細かつ巧妙な色使い、そして素晴らしい音楽。敢えてカテゴライズするならば本作は本格的ミュージカルとは言えないように思えます。けれども、間違いなく音楽が支えている作品。これもミュージカルの一形態なのですね。  ラストのif走馬灯は感動的でした。ふたりの歩んだ、或いは歩んだかも知れない各パートが見事に編集されていて、このカットが定番・鉄板のラブストーリーを珠玉のラブストーリーへと昇華させているように思います。  ミュージカルと言うには何か物足りない。ラブストーリーと言うには目新しさは感じない。でも惹き付けられて止まない。不思議な魅力の作品でした。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-26 19:27:32)(良:1票)
5.  ライフ(2017) 《ネタバレ》 
エンタメ系SFホラーとして観る限り、完成度は高く十分に楽しめる作品かと思います。ただ、多くの皆さんのレビューにもありますように、オリジナリティと言う部分では弱いかなと。  未知の生命体とのコンタクト。原始的な生物と思いきや知的活動をし始める。無害かと思いきや人間が襲われる。閉鎖空間での戦いの限界。籠城作戦しかないものの侵入されてしまう。わずかな生き残りが決死の脱出…。一つの作品のリメイクという程ではないにせよ、どうにも感じざるを得ない既視感。  ラストのサプライズも想定内でした。予定どおりに帰還したのではハッピーエンドにもならない。このラストしかないでしょう。とは言え、地球に舞い降りた火星生命体が人類を駆逐するといった続編は期待出来ないように思えます。より一層既視感の激しい作品になりかねないでしょうから。  個人的には大いに楽しめました。が、傑作かと言えばそこまでは評価出来ないかなと。悩んだ挙句、6点献上します。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-22 12:01:53)
6.  ラベンダー 妖精の歌 《ネタバレ》 
田園風景や古家など全編通じて美しい映像が多々登場します。冒頭のストップモーションを組み合わせた事件現場は、凄惨な事件なのにそれを感じさせない美しさ。心理的な部分にスポットを当てたサスペンス劇が始まるのかなとの期待が高まります。  が、蓋を開けてみれば幽霊譚と評しても大きく間違ってはいないような展開。ヒロインの生家に舞台を移してからは、霊的存在・現象がストーリーを引っ張る感じ。冒頭の映像表現に期待させられた流れは、既視感のある、と言うか結構オーソドックスな「霊が助けてくれました系」作品に転じます。  ただ、それは決して否定的な感想ではありません。特に目新しくはないストーリーではあるものの、必要以上におどろおどろしくはなく、必要以上に謎めいた伏線が散りばめられてはおらず、必要以上に深刻さや悲惨さが強調されることもありません。ほどよく纏まったシンプルな作品、サスペンスあるいはミステリーホラーの王道的な物語と言えそうです。  強いて言うならば、と言うかそこが一番の問題点なのですが、ラストシーンはどう受け止めていいものやら。真犯人を捉えたまでは良いのですが、監禁して放置?殺して復讐?それとも、あの後警察に通報して逮捕してもらったとか?作り手はドラマチックなラストで終えたかったのかも知れませんが、受け取りようによっては結構なバッドエンドかと…。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-11-29 12:17:15)
7.  ラン・ラビット・ラン 《ネタバレ》 
これはサラの幻影か、妄想か?それともアリスの亡霊のなせる業か?そのどちらとも受け取れると同時に、どう見るのかによって大いに評価が変わりそうな作品ですね。個人的には、全体通じてサラ目線で描かれていることもあり、語られているのはあくまでもサラの世界だと思いました。  幼き日に妹を散々苛め、挙句の果てには殺してしまった。それは紛れもなく狂気のなせるものであり、彼女自身に反省や自戒の念はないのだと思います。ただ、そうは言っても、サラにとって妹の死はどうにも振り払うことの出来ない悪夢となって脳裏に染み付いており、歯止めとなっていた父親の死に加え、愛娘が妹と同年齢になったことを契機に再びその狂気が頭をもたげて来たのでしょう。最早ミアはアリス。ミアが自らをアリスと呼ぶのは、ミアにアリスを求めるサラの幻影と思われます。  ラスト、元夫さえも殺してしまったサラは窓辺からアリスがミアを死に誘う場面を目撃しますが、勿論それも幻影でしょう。既にミアを殺してしまっているのか、それとも逃げ惑うミアへの殺害衝動が幻影となっているのか。明確に語られないので判断は難しいところですが、そこに至る以前の様々なシーンから、サラに僅かに宿る母性が殺すことは押し留めたのではないかとも思えますが、それは希望的観測に過ぎないかも知れません。  冒頭のサラの夢はトラウマそのもの。妹を殺してしまったことへの後悔の念なのか、それとも自らも死のうとしたものの助かったのだという弁明的な念なのか。観終わった後、いろいろと反芻する楽しさの味わえる作品に対し、そして、一見ジョディ・フォスター似、サラ役のサラ・スヌークさんの鬼気迫る演技に対し、8点献上します。  ちなみに、サラに対して心を閉ざすミアが被る手作りのウサギのお面。庭に迷い込んだウサギ同様、かつ、妹の名前がアリスなのですから、登場するウサギには「不思議の国のアリス」のイメージが重なります。それに限らず、「ドニーダーコ」や「インランド・エンパイア」など、ウサギが象徴的に登場する作品がありますが、欧米ではウサギそのものに何か特別の意味があるのでしょうか?日本では飛躍とか子沢山とか+イメージが多いような気がしますが…。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-10-22 15:02:05)
8.  ラ・ジュテ 《ネタバレ》 
名作と噂された本作にアマプラで漸く出逢えました。  物語としては、短編作品だけあってシンプルな構成のSFサスペンスですね。哲学的とも思える内容は、古典的なSF作品に通じるものも感じました。タイムパラドックス(正確には本作にはそれは登場しないような気もしますが)に関する想定が自分自身の理解するところと非常に近く、そのこともあって決して難解に感じることなく鑑賞することが出来たのだと思います。  ただ、本作の場合、特筆すべきはやはり「フォトロマン」と称される技法でしょう。モノクロ静止画を巧みに合成し、荘厳なBGMと冷静なナレーションに載せて演出する。恰も普通に動画を鑑賞しているかのような錯覚に陥ります。1962年(1958年製作との記載もあるようですが)というCGもVFXも殆ど一般的ではなかった時代に、これだけの映像を創り上げた技術は素晴らしく思います。中盤に一か所のみ(私には二か所に思えたのですが)挿し込まれる動画が非常に効果的。心憎い演出ですね。バンダム的風貌の「男」と素朴な美しさの漂う「女」のビジュアルも、モノクロ画面に溶け込んで魅力的だったと思います。  今の時代に最新技術を集結してリメイクしても、恐らくはここまでのシンプルな佳作を創り上げるのは難しいのではないかと。8点献上します。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-07-07 14:09:57)
9.  LAMB/ラム 《ネタバレ》 
ダークファンタジー、あるいはホラーといったスタイルを採っていますが、事故(?)で愛娘を失った夫婦が、異様な姿でこの世に生を受けた子羊に亡き娘の姿を見出し、溺愛することで失ってしまった日々と幸福を取り戻したかと思いきや、結局は束の間の幸せは破綻せざるを得ず、更なる悲しみの淵に立たされることになるという人生の悲哀を描いたヒューマンストーリーと受け止めました。  とは言いつつも、冒頭の羊たちの恐れおののく姿、生まれて来た子羊に息を吞む二人、独り屋外に出たアダの瞳に映る異形の存在等々、ホラー作品あるある的要素は全編を通じて散りばめられており、決して心温まる作品とは言えません。観終わった後、どうにもならない重苦しさが尾を引きます。  途中までアダはイングヴァルの子なのか?と疑っていましたが、彼の様子もマリアの様子もその点はまるでスルーしているところから違うのだなと。それに冒頭の羊たちがイングヴァルに対してあんなに恐れる訳もないし。ではアダの出自は如何に?もしや実在しない概念としての存在だとか?過去の悲劇が夫婦にもたらした心の闇とか?そしたら何とあんな異形の羊人間だったとは。そこはまさかの展開でした。  アイスランドの山中にあのような存在が居るという伝説があるのかどうかは知りませんし、設定そのものにキリスト教的要素があるのかどうかも知りません。ですから、羊人間が単に突然変異的に誕生した怪物なのか、それともより深い意味を持つ存在なのかは判断出来ませんが、訥々と語られる深く悲しい物語に、そういった背景を知らずともやるせなさを感じざるを得ませんでした。  更に高得点を献上したかったのですが、弟の登場が作品全体に対して果たして意味があったのかどうか理解に苦しむ部分があり、マイナス1点の7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-04-20 14:23:52)(良:1票)
10.  ラ・ヨローナ ~泣く女~ 《ネタバレ》 
全体的にホラーのお手本的に丁寧に仕上げられた一本だとは思いますが、どうにも意外性がありません。「怖がらせる」仕掛けは十分に用意されているものの、良くも悪くも「お手本的」であってびっくりするような展開は「無い」と言い切って良い様に思えます。  そう感じ始めてしまうと、アンナや子どもたちの思考や行動も非現実的過ぎて感情移入出来ませんし(そこでそんなことしないだろ?みたいな)、だいたいからして彼女は妙に自信家で一歩引いて俯瞰するようなことが出来ないケースワーカーらしからぬタイプに見えてしまうし、頼みの呪術医もその行動や表情から無理やり自らを鼓舞しているようで到底信頼して命を預けるなど思いも及ばないタイプに思えてしまいます。  素直に、洋の東西を問わずよくある怪談話と割り切って観れば決して駄作とは言えませんが、オリジナリティとサプライズを求めて観てしまうと4点献上が妥当かと思えてしまいました。  ところでラファエルさん、貫通銃創を負ったようにお見受けするのですが、「ジャジャ~ン」とか一発ギャグを飛ばしつつ腕を吊っているだけでタクシーでご帰還とは??そして、殺人未遂に走ってしまった気の毒過ぎる被害者のパトリシアの運命は?
[インターネット(字幕)] 4点(2023-03-31 10:22:25)
11.  ラスト・デイズ(2013) 《ネタバレ》 
№1の方のご意見とほぼ同様の感想です。  感染症なのか集団ヒステリーなのか分かりませんが(それって重大な問題なんだけど)、何故全世界で同時多発的に発症し始めたのか?まるで結界の如くその場所から外に出ることが出来ないとして、そのラインは何処なのか?あくまでも位置であって、外気に触れることや陽の光を浴びることは関係ないのか?(それって逆広場恐怖症って感じ?)  だいたいからして、そんなのが全世界で同時流行したら軍も出るだろうし、防護服に身を包んだ医療関係者が走り回ってるだろうし、いきなりポンッとばかりに十分に纏め上げられていないプロットを投げつけられても、正直なところ受け止めきれません。  エンディングもまたハッキリせず、ハッピーエンドなのかそうじゃないのか不明瞭。出産までは何とかなるかも知れないけれど、授乳やら産湯やら成育環境劣悪かつ食糧不足の中、そんなにもスクスク育たないでしょ?旅立つ友たちだって同年代。みんな同じような成育環境なのに旅なんて出来ないだろうに。  あまり真剣に考えることなく鑑賞すれば、決してつまらなくはない本作品。けれども、主演の彼が最初から最後まで感情移入出来ない短気独りヒステリー男なのはマイナスポイントです。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-03-14 00:04:25)(良:2票)
12.  RUN/ラン 《ネタバレ》 
代理ミュンヒハイゼン症候群的な設定、その後の展開、衝撃のラスト…どことなく既視感はあるものの、観終わってみればオリジナリティ溢れるサイコサスペンス。緊張感が途切れることなく作品世界に没入出来ました。  とは言ったものの、冒頭の低体重児出生シーンから高校生になったクロエの日常までの流れは、ちょっとばかり仕込みがキツいかも知れません。赤ちゃん誕生のシーンは思わせぶりたっぷり。医療チームの必死の努力で、低体重児は一命をとり止めたかと思わざるを得ない演出。ダイアンがふと医師団の方に目をやるところが微妙な雰囲気。  そして、やがて種明かしされるクロエの出自の秘密。あれ?アメリカだと戸籍じゃなくて社会保障番号があるだろうに、ダイアン母さんはどうやってクロエの身分を確保したのかしら?などと考えると結構無理があります。その辺を真向否定してしまうとこの物語の屋台骨が崩れ去ってしまうので追求しない方が良いのかも知れませんが、クロエは学校に通ってるし大学受験もしてるし、そもそも本当の名前は?とか、結構気にはなります。  などと野暮なことを書いてしまいましたが、クロエの自室からの決死の脱出シーンであるとか、監禁された地下室からの決死の脱出方法であるとか(決死続きですね)、善良なトムさんに死亡フラグが立つ瞬間だとか、クライマックスのダイアン転落シーンだとか、緊迫の展開は数多く、冒頭記しましたとおり優れたサイコサスペンスであることは間違いないと思います。(ダイアンの転落原因はてっきり動けるようになりつつあったクロエの蹴りかな?と思ったらあっさり銃撃なのにはガッカリしましたが)  ラストシーン。心のどこかでダイアンを信じていたかっただろうクロエが、結局は憎しみの心に負けて薬を飲ませようとするシーンは、決してサプライズ的なものではなく、狂気は誰の心にも潜んでいるというメッセージなのでしょうか?
[インターネット(字幕)] 7点(2023-03-09 23:46:52)
13.  ライアー・ハウス 《ネタバレ》 
舞台劇のような作品。少ない登場人物の一人ひとりが語る言葉には嘘があって、単純に額面通りに受け取ってしまうと結構混乱してしまいます。と言っても初見で嘘を見破るのは無理な作りになっている訳ですが。  この手の展開の作品は決して初めてではありませんが、いつ観ても面白いジャンル。騙される楽しさ?  ただ、一番のキーマンたる保安官の存在が結構無理やりの力技的に突っ込まれていて、それはそれで面白い展開ではあるのだけれど、予定調和的なお約束感に溢れた結末になってしまい、少々消化不良で終わってしまいました。ちょっと残念。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-13 00:47:54)
14.  ラッキー(2020) 《ネタバレ》 
作品中にもそのことに通じるシーンが出て来ますが、題名の「ラッキー」とは、ヒロインが自己啓発本の作者として成功したことに対して「運が良かっただけ」と揶揄している意味なのですね。  読者からも心からの賛意を感じることが出来ず、夫からも一人の人間として敬意をもって受け入れられてはいないと感じる日々。彼女にとって、彼女を取り巻く全ての人々は、ある意味敵対する存在に他ならないといった感じです。  そして、次第に彼女は心を蝕まれ、謎のマスク男に襲われ続けることになる、といったところでしょうか。  登場するシーンの殆どが彼女の妄想のように思え、その合間合間に現実が見え隠れしているといった構成のように感じます。観る者をそのようにリードする細かな仕掛けも施されていますし。  その仕掛けのメインが、登場するごとに彼女が致命傷を負わせるマスク男。彼は世のあらゆる男性を個性を取り払って概念的に表現した存在。何かしようとすると常に彼女の前に立ちはだかる存在といったところでしょうか。振り払っても振り払っても、殴っても刺し殺しても繰り返しやって来る脅威。只管彼女は疲弊します。  ラスト。漸く男の息の根を止めた彼女が、はぎ取ったマスクの下に見た数々の男の顔。彼女にとって決して好ましくない男たちの顔。男の存在と行動の意味を知った彼女は、これから生きていくことが決して「ラッキー」なくしてあり得ないとでも悟ったのでしょうか?  社会の中での女性の生きづらさを描いた作品と受け止めたいところですが、難解な表現を選んだがためにテーマが解り難くなってしまったように思え、6点献上止まりです。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-13 00:31:48)
15.  ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲 《ネタバレ》 
知る人ぞ知るマーク・ポロニア監督による超絶Z級サメ映画。DVDのジャケットに燦然と輝くコピー「陸海喰!」には微笑まざるを得ません。配給元も楽しんでますね。  何より主役のサメの手作り感が堪りません。  全身像は中学か高校の文化祭で教室に水族館を作ろう的なノリ。頭部のアップは明確なハンドパペット。しかも、つぶらな瞳とまーるい歯がキュート。そして、殺人ザメを本格稼働させるためには人間の知能が必要と、サメの血清を自らに打ち遂には半魚人化してしまった博士の被り物。  そしてそして、サメそのものではありませんが極めつけはレーザー銃。一体どこで買って来たのか?ハンズ?ドンキ?これは手造りではなさそう。殺人ザメを撃ち殺してしまうほどの強力な武器。ん?それがあれば殺人ザメ要らないんじゃね?  狂暴な陸ザメとの闘い、その後のサメ人間との闘い、二段階で迫り来る恐怖のストーリー。どこか懐かしい香りのする作品でもあります。  トンデモ映画のようでいて大真面目に製作したに違いないとも思わせてくれる作品に3点献上します。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-10-24 10:50:36)
16.  ライフ・アフター・ベス 《ネタバレ》 
最初から最後までイライラさせられた作品。  最初のうちは主人公の行動・言動にイライラ、その兄の行動・言動にもイライラ。両親の行動・言動にもイライラ。そして、恋人が復活した後にはそのイライラは更にパワーアップ。登場人物の殆ど全てがイライラの対象。ただし、それだけイライラさせられてもストーリーは意外とシンプルで解り易い。  ただ、肝心なことだけれど彼女って一般的に理解されているゾンビじゃないような?普通に暮らせちゃってますから。それでも、死んでるんだから時とともに劣化していくわけで、ゾンビ映画としては初出ではないものの挑戦的なアプローチとも言えるかも。観終わった後であーでもないこーでもないと語り合える要素はあります。  決して心に残ると言うようなタイプの作品ではありませんが、面白くないと言い切れるものでもなく、やや標準を超えた5点を献上します。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-08 00:04:45)
17.  ランニング・デッド 《ネタバレ》 
ゾンビ、と言うかこの場合は感染者と言った方が適当かも知れませんが、アドレナリン全開的にトップスピードで激走し超絶狂暴に非感染者に襲い掛かるという設定は既に数多くの作品で描かれているものの、ゾンビは動きが遅いから逃げられるというかつての常識に反した姿はいつ見ても恐ろしいものです。  ちなみに感染者とも違うのかな?キモイ虫みたいな生物に寄生されてるようですが、そのあたりの説明はほぼ皆無です。  それにしても、妻や娘に対する態度や言動が超ウザいこのお父さん、どうにも感情移入出来かねるキャラですが、それはそれとして兎に角お父さん強過ぎ。今まで観て来たゾンビ映画の主人公の中でも、素手で戦う強さと強運は最高レベルです。  途中から具合悪そうな素振りも見せますが、特に感染が確定しているような描写はありません。  そして、娘もまた超強運。大勢の感染者に囲まれ追われても無事で怪我一することなく、絶体絶命の場面でも上着を感染少年に奪わせた隙に逃げおおせた様子。更にはその足で山に登って狼煙を焚く逞しさ。  要するに、危機また危機の絶体絶命なのに主人公は勝ち続けるという安心して観ていられるゾンビパニック作品です。  細かいところを見ていくと?マークが大量発生してしまいますが、B級以下の作品がひしめくゾンビ映画の中にあって、作りは粗いもののなかなかの良作かと思い7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-07-25 12:21:34)
18.  (r)adius ラディウス 《ネタバレ》 
不条理系SFスリラーかと思いきや、ベースにはサイコサスペンスが隠されていたとは?!何という力技でしょうか。  サイコの方は無くていいのでSFの方をしっかり作り込んで欲しかったですね。宇宙からの謎の強力な電磁波?で双極に対峙していた二人の男女が正と負の制御不能な性質を帯びてしまった。男に近付く者は脳を破壊されて即死。しかし女が傍に居れば中和されて破壊力は発揮されない。無関係な者たちの理不尽な死を回避すべく、二人は常時行動を共にするよう努力するが、女の生命の危機から離れ離れにならざるを得ない状況に陥り、結果、男は生きることを放棄する。  (ここからは個人的な妄想です) 男の正のパワーが消え去ったことで女の負のパワーは行き場を失う。  仮説1 男の周囲の者が死んでいたのは実は女の持つパワーが男に向かって強力に放射されていたためだった。男が吸収しきれず溢れ出たパワーが周囲に死を齎していたのだ。しかし、男が死んだことで女の持つパワーは行き場を失い暴走し、より広範囲に死の世界を創造してしまうのだった。  仮説2 正と負は切り離すことの出来ない一対の存在。男の死は即ち女の死でもあった。銃声を聞いた女は手術室に向かうストレッチャーの上で静かに死を迎えるのだった。  仮説3 正と負は絶対的な一対の存在。男は死を選ぶが女の命が絶えない限り男に死が訪れることがなかった。銃創は瞬く間に治癒し、同時に男の周囲に居た者たちには瞬く間に死が訪れるのだった。  稚拙な仮説で失礼しました。要は、SFスリラーとして完結して欲しかったということで、サイコサスペンスのサイドストーリーは不要だったのではないでしょうか?まあ、二人の出会いの蓋然性を高める上では必要かも知れませんが…。  中盤までは結構集中して鑑賞していたのですが、サイドストーリーが見えた段階で意気消沈してしまった残念な作品でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-06-08 00:24:58)(良:1票)
19.  ラブ・クレイジー セックスだけの関係 《ネタバレ》 
邦題を見ると只管エロティックな作品かと思えてしまいますが、寧ろ副題がほぼ原題直訳。決してコメディタッチのポルノではなく、セックスをきっかけに4人の大人たちが成長していく姿を描いたヒューマンドラマと受け止めました。  それが証拠と言う訳でもありませんが、全裸シーンは皆無、いや女子に至っては半裸シーンも無し。セックスシーンは勿論あるのですが、こちらも観客の性的興奮を狙ったものとは全く異なり、それぞれの抱えている問題や心の微妙な移ろいを表現する場となっています。  おそらくは低予算映画なのだとは思いますが、殆ど屋内のシーンのみで描かれているのは予算の都合ということではなくて、舞台劇のような展開で物語が進行して行くので屋外ロケは不要というところでしょうか。  尺の都合もあるのかヒューマンドラマとしてはあまり深味はないものの、4人を演じる役者さんたちがシンプルにそれぞれの個性を表現していて、爽やかな青春映画的な雰囲気もあります。  ラストシーン、二組のカップルはそれぞれにハッピーエンドで目出度し目出度しなのかな?と思いきや、それぞれこれからどんな道を歩んでいくのかとの含みを持たせた結び方も好感が持てました。もっとも、この作品に続編はないかとは思いますが…。  ある意味好ましく期待外れ?な作品に少々甘めの7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-20 10:35:28)
20.  ライト/オフ 《ネタバレ》 
冒頭、なかなかに恐ろし気なスタートと(この部分が元ネタなのね)、死にそうもない役っぽく登場した父親があっさり死亡した意外性で、すっかり釘付けになりかけたけれど、だんだんとお約束度が増し、ご都合主義が横行し出して興覚め。特に母親とダイアナの馴れ初めのところでエンディングは見えてしまい。折角のオチが「やっぱりね。思ったとおり。」となってしまったのは残念。ショートムービー程度の尺で、このテーマは十分伝えられたんじゃないだろうか。この手の内容に理詰めの説明は不要と思うけれど、やっぱ矛盾をはらんではいけないと思う。ダイアナvs光の関係とか、そもそもダイアナは、母親の心が病んでいるときのみの存在なのか?既に精神に入り込んでいるから、病状がどうだとか意識を失っているからどうだとかは関係ないのか?物理的に作用できるのだけれど物理的な攻撃は受付けないのか?光が当たると見えなくなるばかりか存在さえも消失してしまうのか?他にもいろいろあるけれど、もう少し緻密に描いてほしかった。全体の色調、光のバランス、キャスティングなどなど、いいなと思うところが沢山あるだけに、迷いに迷って5点献上。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-09-02 14:52:12)
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