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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2250
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  LAMB/ラム 《ネタバレ》 
『まんが日本昔話し』ならぬ『まんがアイスランド昔話し』的寓話の趣き。室田日出男氏か市原悦子さんのナレーションで、ほのぼのテイストのアニメーションでも違和感無さそう。さしずめタイトルは『ひつじ坊や』ですかね。そういう意味では終始一貫してホラー様式を取る必要はなかったかもしれません。ハートウォーミングファンタジーを装いながら最後にズドンと落とすやり方もあったかと。オチは衝撃とか恐怖より、納得感が大半を占めました。 さて、本作で特筆すべき点は、台詞の少なさ、説明の無さです。たとえば「子どもを亡くした夫婦」という肝とも言える設定について作中言及していません。私は作品紹介の時点で予備知識を得ておりましたが、当然全ての観客がそうではありません。注意深く観察し想像力を働かせれば辿り着ける設定なのでしょうが、結構無茶な欲求だと思います。この「不親切さ」こそが本作最大の魅力。物語の余白は高級フレンチの白いお皿並みかと。思い切った脚本で観客を選ぶ映画だと思いますが、想像力を駆使して自分なりのサイドストーリーを組み立てて楽しむ趣向だとすれば、これはこれで面白いと思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-01-08 16:58:56)
2.  RUN/ラン 《ネタバレ》 
(ネタバレしてます。ご注意願います)  途中ずっと着地点(主人公の望む結末)は何処だろうと考えていました。また彼女に迫っている危機の程度についても。「毒親」と一言でいっても、重過保護レベルから命に関わる虐待まで様々です。おそらく主人公も見極めが困難だったことでしょう。ただ警察に駆け込めばいいという話でもありません。母を憎んでいたわけでもありませんし、大学進学に親の援助は必須ですから。結果的に彼女が腹を括くるまでに要した時間で事態は悪化し、死ななくてもいい人が死にました。でもその責任を彼女に求めるのは酷な話。彼女はよくやったと思います。特に自身の命を賭した脱出法には痺れました。この場面が本作のハイライトです。自分を見捨てないと読み切った主人公の作戦勝ち。もっともそれ以外の選択肢もありませんでしたが。そういう意味で、彼女は母親の愛を信頼していたともいえます。いや愛というより歪んだ執着でしょうか。母親と思っていた女が実の親でなかったのは不幸中の幸いかもしれません。いずれにしても失われた人生は戻りませんけども。ラストはやり過ぎ感がなくもないですが、最近はきっちり報復するのがトレンドなのでしょう。胸糞アメリカ版『八日目の蝉』、恐いお話でした。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-17 20:14:26)(良:1票)
3.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
伏線の張り方、ミスリードの仕込み方、意外な真相、どれをとっても脚本は一流です。凝った演出技法や、キャスティングセンスの良さも流石エドガー・ライトという感じ。出来の良い映画なのは間違いありません。ただし今回は手放しで称賛という訳にはいきません。エロイーズの悪夢を延々とみせられ閉口しました。前述したとおり見せ方は凝っていますが同じシチュエーションが反復されるのでどうしても単調になりがち。さらに妄想ともオカルト案件とも判別が着かない状況下、打開策や回避方法が示されぬ為ただ苦痛な時間を過ごす羽目になります。エロイーズもキツイでしょうが観客もしんどい。これがまさしく「無間地獄」かもしれませんが、苦行を課されて喜ぶ観客はいません。サスペンスやホラーで興奮や高揚感を覚えるのは、恐怖の先に希望をみているから。エロイーズの悪夢には絶望しかなかったので、言い方は変ですが「退屈」したのだと思います。 繰り返しますが映画の出来は悪くありません。良い映画です。しかし良い映画である前に、まず面白い映画であることが大事では。エドガー・ライト監督はそういう映画を撮る監督だと思っていたのですが、今回は違ったようです。是非また『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』みたいに、愛おしくなるような娯楽作品を撮ってください。
[インターネット(吹替)] 6点(2022-09-02 01:54:18)(良:3票)
4.  ラン・ハイド・ファイト 《ネタバレ》 
フォーマットは傑作サスペンスアクション『ダイ・ハード』と同じ。学校を占拠したテロリストに女子高生が立ち向かいます。兎に角要素が盛り沢山でした。サバイバルアクションの中に精神疾患と家族愛。胸糞&鬱な犯罪動機に容赦ないバイオレンス。許される反撃の範囲は何処までか?これら全てを「エンタメ」という大きな枠に無理矢理押し込めた感じ。不快と爽快が入り交じる形容し難い感情に困惑しました。混乱している時は、わかり易い要素から整理するのが得策かと。個人的に親子愛に滅法弱い体質なので、娘の窮地を救った父の活躍に痺れました。かなりご都合主義ではあるのですが、娘のピンチに行動しない父親なんてこの世に存在しないでしょう。木の上に立って黙って見ているだけなんて出来ません。それにあのお父さんは『ミスト』のお父さんですよね。転生後に前世での無念を晴らしたように見えなくもなく。お父さん、グッジョブでした。 武装集団のリーダーは同情の余地が無いただのクズでしたが、仲間の方は少し違いました。主人公に捕まった男は、所謂陰キャ。日頃の恨みを晴らすために加担した模様です。ゾーイに説教されて後悔するあたり、性根は腐っていません。未熟な故に道を踏み外してしまったことが窺えます。刑に服して反省すれば更生が期待できるでしょうが、そんなキャラに限って無惨に殺されるのがお約束。殺人犯なので、因果応報的には妥当ではあるのですが遣りきれません。学校内での銃乱射事件は現実に起きている事件であり、結末のやり過ぎ感も含めて、エンタメだからいいじゃんで纏めるには少し重い題材でした。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-06-25 23:37:03)
5.  ライトハウス 《ネタバレ》 
孤島の灯台守として赴任した熟年男性2人。肉体的にも精神的にもハードな仕事であるのは間違いありませんが、期間は4週間のみ。悪天候のためすぐに交代が叶わなかったとしても、精神を病み発狂するほどの状況とは思えません。ウィンズローが狂ったのは、深刻なトラウマを抱えていたからでした。外界と遮断された中で強いられる肉体労働。夜中止むことなく鳴り響くサイレン。上役の理不尽な仕打ち。ストレスフルな状況下においてアルコール摂取量が増えるに連れて、自身が犯した罪と向き合う時間も長くなったことでしょう。辛く苦しいとき人が選ぶのは「現実逃避」と相場が決まっています。セイレーンやオクトパス(クラーケンかな?)が出現し、灯台の灯りに神秘的な力を感じたとしても何ら不思議ではありません。結局は自身が犯した罪の重さに押し潰されて自滅した結末と解します。もちろん劇中2人が口走ったように「そもそもウィンズローは灯台にさえ来ていない」あるいは「トーマス・ウェイクは人形を使って呪いをかけていた」との解釈を採用するのも可能であり、そんな懐の深さが本作の魅力と言えましょう。 今や独自のホラージャンルを築いたA24。本作もブランドの信頼を裏切らぬハイクオリティ&ハイセンスな作品でしたが、一筋縄ではいかぬアク強めな作風で大衆向け映画とは言えなさそうです。人魚の生殖器とかなかなかにグロテスク。初めて見ました。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-05-31 22:20:52)
6.  ラブ&ポップ 《ネタバレ》 
パネルクイズなら、映画ジャンル10点クラスのイージー問題。本編映像のうち、どこでもいいので10秒も流せば、すぐに庵野秀明監督とわかる特徴のある画で溢れています。であるがゆえに、私は開始5分で挫折仕掛けました。少々煩わしい。そういう意味では、劇場作品としては成立しても、家庭視聴には向いていないかもしれません。 時代は1990年代後半。主人公は女子高生。当時の世相や風俗を記録した資料的な価値もあり、公開から20年以上たった今、当時を懐かしむというより新鮮な心持で鑑賞する事ができました。この先、10年20年後とさらに価値を増すのでは。 特筆すべきはエンディングです。生き急ぐ女子高生の、愚かさと切なさ、そして力強さが集約された見事なエンドロールでした。カラオケ歌唱も素晴らしい。ずっと見ていられます。これは『私の優しくない先輩』と双璧を為す邦画史に名を残す名シーンと考えます。 それにしても仲間由紀恵が美しいこと。まさにブレイク前夜の原石のようです。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-08-19 07:56:04)
7.  ラン・ファットボーイ・ラン 走れメタボ 《ネタバレ》 
『挙式当日に身重の花嫁を置き去りにして逃げました。でも復縁したいです。どうしたらよいでしょう』こんなトピックを某発言小○に立てようものなら、光の速さでレス受付停止になるでしょう。批判の嵐で。たとえ翌日花嫁に土下座して謝ったとしても、張り付け獄門は間逃れない。それが世間一般の認識です。こんな無茶苦茶なお話が感動コメディに変わるのですから、お見事と言いたいです。まず主役のキャラ設定が上手。傷つけ、迷惑をかけた人たちとの交流が途切れていないのは、彼の人間性が良質である証です。事実、子供にとっては良いお父さんでした。ただ馬鹿で心が弱かっただけ。笑う度に主人公が憎めなくなります。彼を取り巻く脇キャラも味が濃くて良いアクセント。ベタながらも要所を押さえた脚本も上質でした。主人公の復縁計画。復縁の希望を抱いて走るのと、望みを絶たれて走るのとでは、意味合いが全く違います。主人公に必要だったのは後者のシチュエーションでした。ご褒美は消えた。スタミナも切れた。必死になる理由は何処にもない。でも走ると決めたから走る。その潔さと覚悟は夫婦にも必要なことなのだと思います。方向性が正しかったかどうかは別にしても、デニスは頑張りました。準備もしたし、努力もしました。強い気持ちが壁を打ち破り、周りの人の心を動かしました。嬉しい結果はあくまでオマケ。だから彼を祝福できるのだと思います。敵役はちょっと可哀相でしたが、彼にはもっとお似合いな人がいるでしょう。デカチンだし、心配ない。英国ノリのギャグは自分の感性にベストマッチ。お下劣具合もいい感じです。勃起不全症Tシャツを着て“立ち上がる”デニスに泣き笑い。結局捻挫なんかしてなかった全力疾走にツッコミ笑い。サイモン・ペッグ主演のコメディに外れ無し。もう彼にゾッコンです!
[DVD(字幕)] 8点(2021-03-05 22:44:24)
8.  ランペイジ 巨獣大乱闘 《ネタバレ》 
馬鹿映画万歳!  これで伝えたいコトは全て言えていると自分では思うのですが(あるいは、『スカイスクレイパー』の感想と全く同じで問題なし)。今日は時間もあるため、少し補足を。主演のドウェイン・ジョンソンが素晴らしい。俳優としての妙な自己主張がない分、どんなジャンルの馬鹿映画にもハマる見事なユーティリティぶりを発揮しています。元プロレスラーならではの器用さとでも申しましょうか。さすがWWEで一時代を築いただけのことはあります。アメリカンヒーローのアイコンとして過不足なし。シュワルツェネッガーよりもインテリジェンスを感じるのも何気にポイント高いです。売れっ子なのも納得であります。
[地上波(吹替)] 6点(2020-03-20 22:29:35)(良:1票)
9.  LUCK-KEY/ラッキー
本作は内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』の韓国版リメイク作品との認識でしたが、実際に観てみるとリメイクというよりフォーマットを借用したのみで、中身は別物と言っていい仕上がりでした。例えるなら、評判のたい焼き屋から型だけ借りて、ワッフルを焼いたみたいな。ですから、不味くは無いのです。ワッフル美味しいでしょ。でも、たい焼きとは別物ですよね。なまじ『鍵泥棒のメソッド』という大正解を知っている分、物足りないというか。甘くて中身がスカスカなので、ホントにワッフルみたいな印象の映画でした(しまった。韓国料理で例えればよかった!チヂミだ、チヂミに変更!お好み焼きの方が美味いでしょうよ!)。残念ながら『サボテンブラザーズ』と『ギャラクシークエスト』のような素敵な関係は築けず。ただ、主演の俳優さん(香川照之役)は抜群でした。あの顔は反則ですわ。彼だけは、オリジナルに匹敵するくらい良い味を出していました。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-03-05 21:34:04)
10.  ラブ×ドック 《ネタバレ》 
『不倫』『不義理』『歳の差』。恋愛におけるタブーをニコニコキュンキュンな“ラブコメ”カテゴリーに落とし込むのは至難の業だったと思います。さらに“強い・怖い”イメージのあるアラフォー大人女優を主演に据えたことで、一段とコメディに対する難易度のハードルが上がりました。拳銃を突きつけられながら「笑え」と命令されているような無理矢理感。そんな難題を解決するために、様々な手法が試みられています。『ラブドック』なる“世にも奇妙な”テイストのギミックを持ち込んでみたり、好感度高め?の女芸人をキャスティングしてみたり。代表的なのは『お酒とスポーツ』の件。ラブロマンスとコメディの融合を諦め、完全分業制を敷きました。歌唱メンバーとダンスメンバーを分けるが如き、昨今主流の効率化。ただし、こんな創意工夫も功を奏しているかと言われると微妙で・・・。なお、不倫が奥さんにバレたのに慰謝料請求されないなんて、飲酒運転で検挙されたのに見逃してもらえるくらいのファンタジー。これから不倫を計画されている方は気を付けなはれや!(チャンカワイの口調で)。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-01-05 20:55:40)
11.  ラプラスの魔女 《ネタバレ》 
コレはアレですね。サイエンスを装ったオカルトと解します。ただし“予知”ではなく“予測”とのスタンスは一貫していますので、様々な超現象にいちいちツッコミたくなるというか、フラストレーションが溜まるというか。その最たるものはクライマックス、廃墟へのダウンバーストの件。そんなに都合良く因縁の施設へピンポイントで気象災害が降りかかりますか?すずちゃんのブーメラン紙飛行機にしてもそう。紙飛行機を飛ばすタイミング、角度、力加減が分かったとしても、実行する技能が無ければ絵に描いた餅。正確無比なコントロールが必要な神業です。この制球力があればメジャーでピッチャーが務まりますがな。というワケで、どう考えても『スペック』か『Xメン』カテゴリーの作品だと思われます。もちろん、だから駄目というコトは全然ありません。ファンタジーと割り切って観ればOKです。それよりも深刻なのは、主人公の影の薄さ。国民的アイドル『嵐』の人気メンバーを主演に据えてこの扱いはどうでしょうか。教授を狂言回し的に使うのはアリですが、それなら櫻井くんでなくても良いワケで。正直、志田未来ちゃんの方が余程存在感がありました。何時の間に大人の女性になったのかとビックリ。というか人妻になられておられたのですね。誤解を恐れずに言えば、エロいんです。毛量の多い黒髪に、印象的な眉毛のクッキリお顔。そしてフェチにはたまらん白衣の研究服。私的には、本作は櫻井くんでも、すずさんでもなく、志田未来さんの魅力爆発の映画との認識であります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-04-15 20:59:03)
12.  ライフ(2017) 《ネタバレ》 
個人的にSF映画は理系(科学)-文系(哲学)軸と、派手系(アクション)-地味系(ドラマ)軸で分類できると思っています。理系-派手系の代表作は『スタートレック』『インターステラ―』、理系-地味系は『ガタカ』『メッセージ』。文系-派手系は『スターウォーズ』、『エイリアン2』文系-地味系は『E.T』『コンタクト』。(有名・名作で作品名が挙がっていないのは、観ていない(観そびれている)か、恐れ多いから。『2001年~』とか『ソラリス』とか。カテゴリー別けの異論は認めます。考えているうちに自分でも解らなくなりました苦笑)。で、本作は理系-地味系に分類しておきましょう。傑作の多いジャンル。観始めたうちは同カテゴリーの『エイリアン』を彷彿とさせる雰囲気に、好意的に観ていたのですが次第に尻すぼみに。何が悪かったのかと考えてみたのですが、筋立てに必然性が感じられなかったのが要因かと。例えば結末。『ミスト』くらい袋小路に追い込んでくれれば、バッドエンドも納得出来たと思うのです。サプライズのためのサプライズでは、残念ながら心は動きません。
[DVD(字幕)] 5点(2018-12-15 21:59:36)
13.  ラッキー(2017) 《ネタバレ》 
淡々と綴られるのは、一人の老人男性の日常。決まりゴトの繰り返し。映画らしい刺激的なイベントは何も起こりません。ただ、シーンやカットごとに監督の意図が伝わるので退屈はしませんし、会話劇としては、なかなかのものでしょう。一筋縄ではいかぬ言葉のキャッチボールは、多分邦画では無理。というか、日本語でやられたら鬱陶しい笑。ただの軽口ながら、文学的でもあり、哲学的でもあり。そして主役の爺さんの味わい深さは、一流でした。枯れた色気とはこのこと。見応えは充分です。“面白い”という表現が適切かどうか分かりませんが、“染みる”映画であるのは間違いありません。ハリウッド娯楽大作が、1から10まで懇切丁寧に“楽しみ“を与えてくれる映画だとしたら、本作が与えてくれるのは、多分1か2。残りは、観客それぞれの知識・経験・信念・価値観等で補って完成させる仕組みです。自身と照らし合わせて反芻すること頻り。ですから、若造(と言っても、もう40半ばです)が分かったような口を利いたらいけない気がするのです。私も主人公と同じくらいの年齢になって、初めて“理解できるもの“があるのではないかと。勿論年齢だけ重ねれば、自動的にその権利を獲得できるワケではありません。日々失われていく若さと引き換えに、きちんと宝(あるいは武器)を蓄えなければ、解るはずもなく。いやー『少年老い易く学なり難し』とはよく言ったもの。本当に怖いことであります。タイトルがまた秀逸なことで。これを額面どおり素直に受け取るか、皮肉と取るか、みなさんはどう思われますか?10年ごとに、自身の生きてきた成果を量るべく中間テストのように観てみたい映画。点数が低いのは、前述した理由からです。以下余談。摩訶不思議な雰囲気のあった『exit』の解釈次第で、実は物語がひっくり返る可能性あり(あのシーン以降、◯◯の世界とか)。リンチが役者として出演しているだけなのに、妙に引っかかるのが、なんともはや苦笑。
[映画館(字幕)] 6点(2018-08-20 17:36:39)
14.  (r)adius ラディウス
吉祥寺駅徒歩3分、2LDK、バストイレ別、新築、エアコン付き。家賃5千円!流石にワケありだろうと、いや、一体何人死んでいるのか確かめてやろうと不動産屋を訪ねたら、まあ、それはいいじゃないですか。それよりコチラの物件がオススメなんですよと、国分寺駅徒歩14分、1DK、ユニットバス、築15年、ロフト付き、家賃8万4千円共益費5千円の物件を契約させられたでござる。みたいな映画。
[DVD(吹替)] 4点(2018-07-20 20:40:28)(笑:1票) (良:1票)
15.  ラブ★コン
各登場人物のキャラ付けにしても、台詞にしてもかなりトラディショナルな印象です。今どき身長差がそんなにコンプレックスになるのかな?とも思います。一昔も二昔も前の少女マンガ的ラブコメの世界。要するに古くさいのです。そのベタベタなお話を、各種視覚効果やギャグでデコレート。この演出プランで重要なのが、“徹底すること”。中途半端は厳禁です。お寒いことになりかねません。その点、本作は良かったと思います。冒頭からマンガ的世界観を全面に打ち出していました。迷いが無いから素直にノれます。導入で躓かなければ、お話はオーソドックスなので問題なく楽しめるでしょう。おそらく本作のメインターゲットは、小池徹平目当ての10代女性層。そのニーズをよく理解していると感じました。小池は明朗活発で友情に厚く、努力家のスポーツマン。ちょい天然も母性本能をくすぐります。観客が自らを投影させるヒロイン役に藤澤恵麻。高身長というコンプレックス。明るいけどシャイな性格。そして何より美人過ぎないこと。公約数的に共感できるヒロイン像です。特に藤澤については、ヘン顔をいとわぬはじけた演技で、“清楚で大人しい”イメージを完全に覆しました。これはお見事。谷原章介にしてもそうですが、役者陣がみなイキイキとしていて好感が持てました。ちなみに、ご指摘のレビュワー様もおられるように、藤澤の姉役にはしずちゃんより北陽の虻川の方が適任だった気がします。そうそう、海坊主、イイッスねぇ~。
[DVD(邦画)] 7点(2018-06-23 09:23:18)(良:1票)
16.  RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編 《ネタバレ》 
ドラマ『神の舌を持つ男』は、堤幸彦監督の代表作『TRICK』のオフザケ要素を濃縮した作品。それ以上でも以下でもありません。“お好きな方のみお楽しみください”ということ。一見さんお断りのスタイルですから、TVで大ヒットした『逃げるは恥じだが役には立つ』ならいざ知らず、視聴率的に振るわなかったドラマが劇場作品として成立するはずがありません。『TRICK』シリーズの貯金を食い潰してしまいました。以下『神の舌を持つ男』のフォーマットに対する感想。まず特異だなと感じるのは佐藤二朗の使い方です。俳優界随一の天才ボケニストをツッコミに使うとはコレ如何に。実際ツッコミの技量も持ち合わせていますが、160㎞を投げられるのにショートで起用されているような勿体なさは拭えません。そして木村文乃。芸達者でカンが良く、私も好きな女優さんですが、年齢的にはアラサーです。この先のシリーズ化を目論むのであれば、もう少し若手を起用しても良かった気がします(それは向井理にも言えますけども)。
[DVD(邦画)] 5点(2017-08-15 20:54:41)
17.  ライフ・アクアティック 《ネタバレ》 
彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:59:26)
18.  ライアーゲーム-再生- 《ネタバレ》 
テーマ、オチ共に劇場版『ファイナルステージ』と同じです。ですから感想もやはり同じで、「1億円はそんなに軽々しく扱える金額じゃねえぞ」と思ってしまいました。馬鹿正直の神崎直が言うならまだしも、本作のヒロイン篠宮優は至って普通の人。訴えかける力も弱い。敗者の居ないハッピーエンドの結末が、空虚な絵空事に思えてしまいます。また、前作に比べてキャラクター造形が弱い点も気になりました。衣装は派手なのに、人格が際立ちません。秋山のライバル格・桐生、教祖様張本。準主役級はもっとクレバーに、そしてアクを強く。要潤、小池栄子、野波麻帆らいい味を出せる役者達には見せ場を与えて欲しい。そしてレギュラー福永。トラブルファクターを上手く活かしてこそ脚本家の腕の見せ所かと。キャスティングは素晴らしく豪華なので、この使い方では不満が残ります。椅子取りゲームと見せかけての国盗りゲームというアイデアは秀逸で、戦略も見応えがありました。ゲームから脱落した者たちが鍵を握るという仕組みはイイですね。それだけに、この出来では勿体ないと感じます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-31 23:59:01)
19.  ラビット・ホラー 3D 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレの記述があります。未見の方はご注意ください)  主人公(キリコ)は、継母とお腹の子を殺めてしまった衝撃で、自らの声を失いました。人魚姫が声と引き換えに足を手に入れたように、彼女は自身の声を差し出し架空の弟を生み出す事で、心の平静を手に入れていたと言えます。それ程までに凄まじい罪の意識です。元の姿に戻るため、人魚姫に魔女が出した条件とは、愛する王子を刺し殺すこと。主人公も同じです。実在しない弟大悟に刃を突き刺し、彼女は現実を受け入れました。自らの重過ぎる罪を“再認識”した彼女に残された道はひとつ。あの結末は必然でした。罪悪感から逃げ続けてきたキリコの10年。人魚姫と同じように泡となって消え去りたいと彼女は願ったのでしょう。血の海で、彼女はやっと安らぎを手に入れる…。妄想(大悟)が父に憑りつき~とキリコは述べています、オカルト方面に解釈しなくてもいい気がしました。心を病んでいたのは彼女だけではないのですから。童話『人魚姫』をモチーフに描かれるサッドストーリー。ただし『人魚姫』との対比があからさまで、やや品を欠く印象を受けました。父制作の絵本のタイトルは、エンドロールで明かされる程度のさり気無さで十分だったと思います。丁寧なアナウンスも結構ですが、“観客の気づき”を利用する方が、より深く観る者の心に刺さるのではないでしょうか。また、個人的には主人公に“死”以外の救いの道を提示して欲しかったとも思います。劇中上映されている『戦慄迷宮』の前日談とも位置づけられる、言わば『戦慄迷宮』の姉妹映画。ホラーとは無縁のカワイイ小動物ウサギが鍵となっていますが(そういえば田畑智子主演の『哀憑歌』なんて映画もありましたね)、『戦慄』作成時から本作の構想はあったのでしょうか。ちょっと気になるところです。監督はあの美しい螺旋階段をよほど気に入ったと見えるので、もしかしてシリーズ化もあるかな?最後に、無策にJポップを使用したエンディングに異議を唱えておきます。雰囲気を壊すほど酷い音楽とは思いませんが、適切なBGMであればもっと余韻を味わえた気がします。勿体ないです。商業的な兼ね合いもあるのでしょうが、この部分で損をしている邦画は多いのでは。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-15 21:15:46)
20.  ライフ・イズ・デッド 《ネタバレ》 
スーパーの店内でごみを持ったまま立ち話をしてしまった消子が、店長から呼び出されて注意を受けるシーンがあります。この場面は何の為にあるのでしょう。後に消子に解雇を言い渡す店長の性格を表現しておく伏線?あるいはゴミをUDVに感染している兄に見立てたメタファー?いいえ違います。単なる日常の一コマです。それが素晴らしい。料理で例えるならパセリ。料理を引き立てる名脇役。このシーンも同じです。例えばドラマの中に知人や地元の風景が出てきたらテンションが上がるでしょう。普段目にする(見た気がする)光景は、観客を作品世界に引き込む力を持っていると考えます。画面の中の世界と、自分の世界が繋がる感覚。荒唐無稽な設定でありながら、現実の社会問題を扱っている作品にとって、リアリティは生命線です。あっても無くても構わないような、些細な1シーンがそんな役目を担っているのは凄い事じゃないでしょうか。終始緩めのコメディの空気を纏いながら進む物語に、起伏はありません。淡々と、粛々と、予想通りの結末へ向かいます。正直、娯楽作品としての面白さはありません。でも悪くないのです。本気の家族愛が其処にはありました。いい映画だったと思います。キャストも好評価。吉高由里子と見紛うルックスの消子役・ヒガリノはこれから要注目。化ける可能性大です。お母さん役の円城寺あやも良かったです。しほの涼もハマり役。病的なまでの極細ボディが役に立ちました。そしてお父さん役の小林すすむ。大ヒット作『踊る大捜査線』にも出演していますが、正直印象に残っていません。自分世代にとってはヒップアップの“目立たない人”。でも本作は違いました。上手いとは言いませんが、渾身の演技だったと思います。氏の代表作だと胸を張れる映画かと。最高のパセリ俳優に敬意を表し、謹んで+1点献上いたします。
[DVD(邦画)] 8点(2012-11-06 20:26:06)
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