1. ラースと、その彼女
《ネタバレ》 人と人との距離感って人それぞれで、その距離の取り方を、周囲の人々が徐々に見つけていく所が良い。勿論、ラースがそれを徐々に気付いていくのも。好意を寄せる相手ってのは自然と寄り添いたくなるもの。でも、その相手のことも考えないで近づいていってしまうと、ラースにとって心地よい距離感を侵してしまう。不慣れなうちは、兄嫁もマーゴもその領域に土足で踏み込んでいく。ラースも混乱し、恐怖が勝ってしまう。ただじっと待ってあげるってのが、どんなに困難であたたかいことなのか。世知辛いこのご時世では、現実的な話じゃないんだけどね。普通は意地の悪い連中をそこかしこに配置したくなる。この映画はあえてそれを省くことで、ぐっと包容力がましている。余計なものは描かないという、すごく省略の上手い映画だと思う。そのお陰でテンポも良いし。あと教会のオバサンもいいね。ビアンカの女としての扱いに怒るととか。他の人はどちらかというとラースの為に演技しているようにも見えたけど、あの人はビアンカを生身の人間として扱っているように感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-13 03:49:36)(良:1票) |