1. ラストエンペラー
「自らの意志で主体的に生きた人物とは思えませんね。常に周囲に流されて受け身的な生き方です。皇帝なら皇帝らしく、旧時代の代表として敢然として敵にぶつかっていくという気概が全くありません」 読みようによってはそうかもしれませんが、後世の人間が一個の人間の生き方をこのように切って捨てるのは、あまりにも傲岸不遜だとおもう。あくまで映画というフィクションの中の人間だけど、彼は「敵」に「ぶつかって」きたくても、できなかったんですよ。そのあたりをきちんと読みとらないと、たとえこの作品が西洋人のオリエンタリズム的まなざしに満ちたものであったとしても、それ前提の上で意味のあるものとして捉えることはできないとおもいます。 9点(2003-02-20 09:18:42) |