2. リリイ・シュシュのすべて
僕はこの映画好きです。この映画には全体を覆う虚無感というか、混沌というか、海、というか、なんというか、満たされたエーテルを感じました。僕はこのエーテルという言葉の意味を理解して使っているわけではありません。だが本当にほかのどの言葉よりもしっくりくる言葉だと思いました。それほど、この映画を言葉にするのは難しい。また、僕はこの映画を見終わったとき、何日もこの映画を見ていたような感じがしました。初めての経験。何がよいか悪いかといった批評は僕にはできません。しかし、そんな言葉にはできないような思いが残る作品こそ傑作ではないかとそう思います。最後に二つ。星野が倒れたところで、僕は圧死するのだと思いました。だけど、「刺した」ことがわかったとき、そこだけなにか、NHK教育Chを見ているような印象をうけました。チャットシーンでのリリイのタイトルの連発のところは、最高に好きです。 10点(2003-06-01 19:45:58) |