2. リリイ・シュシュのすべて
《ネタバレ》 確かにこれは、全然リアルじゃないかもしれない。こんな14歳いないかもしれない。それでも、胸をえぐられる何かを感じてしまったよ。リアルではないなりに、風景や体育館裏で、自らの中学生時代を思い出すことも出来た。この違和感。自分の思いと他人の思いが少しづつずれていく違和感。とめられない無力感。岩井俊二は虐げられて生きた経験があるに違いない。じゃないと描けないだろ、これは。ちなみに私は、先日出版されたばかりの小説のほうを先に読んだ。それから映画を観たけど、最初は小説の方が何倍もいい出来だと思ってた。でも津田詩織が空を飛んだ時点で、映画と小説は別モノだと気づいた。■これから小説読もうと思う人はこの先読まないで。■小説で死ぬのは津田詩織じゃない。久野陽子。それに雄一はもっと悪意あるふうに思えた。で気がついたんだけど、映画の方の主人公は実は津田詩織じゃん。て。私のなかでだけなんだけどさ多分。津田詩織が、違和感と無力感をもって胸をえぐったんだなと、思った。なんとなくこの映画が気になる人は是非小説を。 [DVD(字幕)] 10点(2004-04-29 17:29:56) |