1. 竜二
《ネタバレ》 竜二がラストに下す決断。あの商店街のシーンは何度観ても涙がこみ上げてくる。また、脚本を書き上げ、自ら主演をすることにこだわった金子の執念が画面からあふれてきて、上手い下手では判断できない熱気のあふれた作品に仕上がっている。本作が好きなみなさんへ。高橋克典だからと敬遠せず、騙されたと思って、『竜二Forever』も観てください。金子の魂が高橋に乗り移り、また一つ日本映画界に奇跡が生まれています。 8点(2004-01-27 20:26:12) |
2. 竜二 Forever
本作に出会うまで高橋克典は只の兼業俳優だという目でしか見ていなかった。しかし、本作での彼には金子正次が乗り移っているようだ。決して外見は似ていないのだが、ギラギラした目の奥に映画主演に命を賭けた金子の魂が宿っているのだ。作品は、金子が伝説の映画『竜二』を完成させるまでの紆余曲折を描いたもので、リメイク作品ではない。そして、細野辰興監督は、伝記ものとしてではなく、フィクションとして金子の人生を再構築しており、映画製作というものが人生を切り売りしていく、いや自分の生き様をぶつけるものであることを二重性をもって訴えかけてくる。松田優作をモデルとした羽黒役の高杉亘のそっくりぶりも含め、命を賭けた映画製作においては、金子が乗り移った高橋の名演のような奇跡が起きる。これだから映画はやめられない。金子が起こした奇跡である『竜二』も素晴らしいが、俺は『竜二Forever』の方が好きだ。 10点(2004-01-27 20:14:02) |
3. リング0 バースデイ
《ネタバレ》 人間・貞子を描いた点は買い。純愛と魔女狩りの組み合わせもよい。無理にホラー色を保とうとしたため、少々バランスは悪いが、映画版のシリーズ4作の中ではもっとも出来がよい。他作品との矛盾をはらみつつも、ラストの貞子の叫びは切なく胸をしめつける。 6点(2003-11-21 08:49:14) |
4. リング2
事前に続編脚本募集をしてたが、結局高橋洋がそのまま登板。しかし・・・話に統一感がなさすぎ。なんか様々なアイディアを切り貼りしただけのように思える。中田・高橋コンビが完全に勘違いしてしまっているのは、怖さの本質は何か、ということ。人間こそ恐ろしい。もっと自覚して作ってください。 1点(2003-11-21 08:43:28) |
5. リング(1998)
《ネタバレ》 『リング』が持つ怖さとはテレビから貞子が飛び出すなどという低レベルのことだったのか・・・。それはこけおどしの一つにすぎず、新聞記者という公正な立場にあるはずの男が、はじめは正攻法で呪いの解き方を探求する。しかしなすすべがないとわかると結局はほかの人々と同様に「人の命に優劣」をつけ、「他者に不幸を押しつけ」てしまう人間のもろさ・エゴにこそ、明日は我が身という恐怖を感じずにはいられない。映画は表面的にすぎる。 5点(2003-11-21 08:25:27)(良:2票) |