1. リメンバー・ミー(2017)
《ネタバレ》 映像がすごい。本当にすごい。水のシーンは息を呑みます。 さて、TⅤで流れる有名なシーン。あのシーンがすごく泣けるという話。「ほんとかな~。誇張してるんじゃないの~。」と懐疑的。・・・だったのですが、泣けますね。ちなみに妻は号泣。 最近のディズニー作品のなかでは、方向性が一貫していて好感がもてます。主人公のミゲルも魅力的。途中若者特有の独善的な部分も垣間見えますが、許容範囲でしょう。主人公を応援できる気持ちになれるかどうかは大切な要素です。 毒気が少なめなので、カラフルな死後の世界に慣れてきたあたりで若干ダレる部分があるのは否めませんが、皮肉にもそのダレた空気を払拭してくれるのが極悪人デラクルス。盗作どころかまさか殺人まで犯していたとは。ここまでの作品のイメージを壊しかねないほどの急展開です。 ただ本当の父親でなかったことは不幸中の幸い。ヘクターのほうが本当の父親で良かった。ヘクターが家族のもとへ帰ろうしていたことがわかって本当に良かった。できればミゲルが真相を伝えた時点でイメルダにはヘクターのことを許してあげてほしかったけど・・・。 一見ハッピーエンドですが、ヘクターとココは一番会いたかったときにはお互い会えなかったわけで・・・。そう考えるとやっぱ切ないし悲しい。まあ、最後は親子三人、長い年月を経てようやく手を取り合うことができて良かったです。 「第2の死」の設定は無かったほうが良かったかな・・・。悲しくなるし、死後の世界の意味が希薄になっちゃう。 死後の世界まで貧富の差があるのもなんかヤダ。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2023-05-07 20:35:28)(良:1票) |
2. リンカーン弁護士
《ネタバレ》 最初はいけ好かない感全開の悪徳弁護士ミック。こいつとは仲良くなれないぜーっと思っていたら、実は正義感が強くて家族思い。このギャップは魅力的。いやー、かっこいいですわー。 さあ、今回の依頼人はマジでとんでもないサイコパス。しかも金持ちの息子。狂気と財力を兼ね備えた最悪の依頼人。そうとは知らず金づると思い込み弁護を引き受けてしまうミック。 で、この映画が面白いのは、だいぶ早い段階でこのサイコパスが自ら犯人だとばらしてしまうこと。 ミックはルイスが犯人だとわかったうえで、彼を無実にするよう弁護しなければならない。そこでミックは暴行で起訴されたルイスを無罪にしつつ、別件の殺人でルイスを逮捕させるという離れ技をやってのける。更にはルイスがいったん釈放されることまでわかったうえで、追撃の手を緩めない。奥の手というか禁じ手というか、マル秘お助けキャラバイクマン召喚。サイコパスを袋叩き。こんなにスカッとすることあるでしょうか。 まさに蛇の道は蛇。悪を以って悪を制す。防戦一方からの逆襲劇。手に汗握るスリリングな展開。いろんな伏線が次々と張られては次々とつながっていくのが快感。いや、これはもう脚本が面白いのでしょう。脇に配置した人物たちもみな一様に活躍していい仕事しています。 相棒の犠牲、自分のせいで服役させてしまった無実の人への謝罪、この辺だけがちょっとしこりとして残りましたが、痛快娯楽ダークヒーローものとして大変完成度の高い名作かと思われます。 [DVD(字幕)] 8点(2022-04-03 23:30:52)(良:1票) |
3. Re:Play-Girls リプレイガールズ
《ネタバレ》 非現実的な設定も最後まで見れば腑に落ちる。なるほど。そーゆーことですか。 キャストはアイドルが多く、ヴィジュアル的には悪くない作品です。 『血まみれの女子高生』という、こーゆー作品ではおなじみの映像もちゃんとあります。 とは言え、脚本、ストーリー、決して面白いとは言い難いレベルです。 前半の自殺志願者たちの独白。これはそれなりに面白かったのですが、如何せんそれぞれの志願理由が弱く、共感できない。 当然集まった女子高生の誰にも感情移入できるはずもなく、あらかじめ決められたプログラムを黙々と消化していくような無味乾燥なイメージ。まさにB級Vシネマのクオリティ。 私はアイドルに疎いので、ほとんど知らない人ばかりなのですが、主人公のミチより、アリサ役の人がちょっと好き。 総評としては、オチが弱く、ストーリーが弱く、ヴィジュアルはまあまあ。暇つぶしの粋を出ない作品。オススメはできません。 [DVD(邦画)] 4点(2020-08-03 06:05:32) |
4. Re:LIFE リライフ
《ネタバレ》 『先生系ドラマ』や『学校系ドラマ』が結構好きなので、自分とは相性が良い作品。ヒュー・グラントも好き。 それでも、最初はヒュー・グラント演じるキースが全然受け入れられなくて、『これはハズレかなー』と思ったものです。 会ったばかりの女子学生と関係をもっちゃう。生徒のレポートは見ない。更には、生徒のレポートを評価して、受講生を決めるようにと指示を受けたのに、生徒のルックスを確認して好みの女の子ばかりを受講生に選ぶクズっぷり。ドン引きです。スタートははっきり言って0点です。 ただ、もともとは善人だったようでして、少しずつ目の前の仕事に真剣に取り組み始めるキース。それがなんだか心地良くて、次第にキースを受け入れられるようになりました。 確かに、自分自身何をやってもうまくいかない時期がありました。心身共に衰弱すれば、人は誰しも多少のだめ人間になってしまう時期があるものです。キースがまさにその状態だったのかもしれません。 そこからあるきっかけで、第2の人生、もっと言うなら今までとは違う生き方を見つける。これはある意味リアルなサクセスストーリー。起りえない夢物語ではない。誰にでも起りえるサクセス。 キースが先生として第2の人生を見つけられたのは、彼が脚本という仕事に全力で取り組んできたから。その才能があればこその成功。今うまくいかなくても、今頑張っていることは財産になり、無駄にはならない。 『間違いの楽園』の制作秘話とラストのアレックスからの電話が更に幸せをプラスする。 序盤と終盤の印象が逆転する、清涼感のあるドラマでした。 [DVD(字幕)] 7点(2020-07-19 14:45:45)(良:1票) |
5. リアル・スティール
《ネタバレ》 技術はない。才能もない。努力もしない。傲慢で謙虚さのかけらもない。金に無責任で借金まみれ。息子の親権を金で売る始末。冒頭1時間そんなエピソードの繰り返し。はっきり言って辟易します。ロボットが負けるエピソード2回も要ります?1回でよくないですか?最初の牛とのバトルなんてまるまるカットしたほうが良いんじゃないですか? マックスも最初は良かったのですが、ツインズに勝ったあたりからの増長ぶりが気になります。ゼウスに挑戦状を叩きつける際のマイクパフォーマンスが好きになれないですね。すぐ調子に乗るところが父親といっしょ。だいたい不法侵入した廃品置き場からアトムを勝手に持ち出したことばらしちゃっていいの? この作品に出てくる大人はクズかダメ人間ばかり。見ていてイライラします。ウソ。かつあげ。ギャンブル。負の要素が多く、毒気がある。それでいてテイストは子供向け。じゃあこれを子供と一緒に見るかと問われると、自分だったらためらう。子供にはなんとなく見せたくない。 チャーリーをぼこぼこにして金を巻き上げたチンピラ。こいつへの制裁シーンが何ともしょぼい。勝手に10万$賭けて勝手に自滅。これで溜飲は下がらないですよ。こんな中途半端な懲悪シーンなら無いほうがマシです。 これだけファンタジーな夢物語を描くのであれば、ラストもスカッとKO勝ちでもさせりゃあいいのに、そこは判定負け。いやいや、そんなリアリティ要ります? ダンスでの登場シーン。中盤以降の特訓シーン。動物園。ツインズとのバトル。盛り上がりポイントや好きなシーンも多かっただけに、前半のつまらなさとキャラクターの魅力の無さが本当に残念。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-02-23 15:39:12) |
6. リミットレス
《ネタバレ》 ヴァーノンを殺した組織がその後一切出てこない。ヴァーノンが何をしていたのかも語られない。エディは記憶がない間にモデルを殺してしまったのか。その真相も闇の中。と、こんな感じで説明不足や投げっぱなしのエピソードが散見する作品。ですが、そんなマイナス要素が気にならないくらい、この作品にはパワーがあります。 薬を飲んで脳がフル回転。トーク力アップ。観察力アップ。掃除力アップ。40分で大学の論文を代筆し、小説を4時間で書き上げる。その小説は編集者から大絶賛。このシークエンスだけでテンションは一気に上がります。 やったことはないですが、ドラッグをやる人たちってこれに近い感覚を味わっているのかもしれません。全能感や万能感に酔いしれてしまうみたいな。薬が切れたときのエディの症状。あれってまさにドラッグの禁断症状じゃないんだろうか。その末路の一例として、メリッサの口から語られる身の上話。この身の上話が結構エグイ。もしかしてこの作品はエンターテイメントに見せかけた『ドラッグ、だめ。絶対』の啓発運動なのだろうか。だとしたらラストは悲惨な結末しかあり得ないじゃん。 と思いながら暗い気持ちで見ていたら、まさかのハッピーエンド。これもある意味どんでん返しですね。 薬の成分を解明し、危険な副作用を取り除いた?それはわかるとしても、結果薬を飲まなくてもよくなったって・・・。しかもシナプスが変化してスターマリオはそのまんまですか。今までみた映画の中でもかなり強引。 で・す・が、ハッピーエンド好きの自分としましては、整合性の欠片もない、ご都合主義の究極系のこの終わり方にさえ、ちょっとニヤニヤしてしまうのでした。ロバート・デ・ニーロをやりこめちゃうのがちょっと清々しかったんですよね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-02-04 03:18:05)(良:1票) |
7. リンダ リンダ リンダ
《ネタバレ》 なんか、邦画の悪いところがいっぱい出ちゃっている作品。 思わせぶり。テンポが悪い。間延び。単調。動機がない。起承転結がない。目的が見えない。 それでも最後まで見たら何かあるのかと思って見続けてみて、結局何も出てこない。 全体的にダラダラしていて、いったい何を見せたかったのかがよくわかりません。そこにはドラマ性もなければ感動もありません。あるのは雰囲気だけ。なんか懐かしい学校の雰囲気。ちょっとだけタイムスリップできる感覚。ノスタルジー。でも映画としてはちっとも面白くありません。 体育館で、主役の4人以外のバンドが演奏をしています。男の子3人グループの学生バンド。そのときはお客さんはほとんどいません。 でも終盤、4人のときは大勢集まってきます。二つのバンドの『差』が自分にはよくわからなくて、ラストの盛り上がりには『高揚』とか、『爽快』とかよりも、『違和感』しか感じませんでした。 [DVD(邦画)] 4点(2018-02-03 09:18:59)(良:1票) |
8. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 自殺未遂の叔父。麻薬中毒の祖父。家族嫌いの兄。傍若無人な父。母は結構まともな人物でしたが、旦那に対して少々ヒステリック。そんななか、家族の心をつなぎとめるオリーブの存在。そんなオリーブがミスコンの決勝大会に出ることに。家族総出で応援だー。最初は父も兄も叔父も乗り気ではないんですが、ラストはオリーブのためにみんなの心が一つになるという、極めて自然な家族の再生ストーリー。 プロットは良さげだし、勢いもそれなりにある。でもいまいち物語に入り込めない。理由はいろいろあるんでしょうが、まずそれぞれの人物の背景の描き方が足りない気がします。『リチャードの仕事』『ドウェーンの夢』『おじいちゃんの気持ち』そのどれもが表面的な説明で終わっている気がするのです。誰の言葉もなんか作りものっぽく聞こえちゃいます。 じゃあコメディとして頭空っぽにして楽しめば良いのか?それにしては笑いどころが少ない。マイクロバスを毎回押しがけするのは面白いし、ばらばらな家族を強制的に一致団結させるツールとしては斬新なんですけど、何回もそのシーンが出るのでさすがにくどいです。 じゃあこれはサクセスストーリーなのか?いや、誰もサクセスしていないし・・・。 ラスト、すがすがしそうな家族を見て、一時しのぎの雰囲気で現実から目を背けようとしているんじゃと感じる私は心が荒んでいる?だって、これからの家族のことが心配でならないんですけど。 どうも『現実的』にものを考えすぎる私とは、相性が良くないと言わざるを得ません。ただ冷静に見ても、この作品のウリっていったいなんだろうと思ってしまいます。少なくとも、万人受けする作品ではないし、娯楽作品でもない気がします。 ただ、なぜか全然飽きない不思議な映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-10-13 12:06:36) |
9. リクルート
《ネタバレ》 『CIAのスカウト物語と見せかけて実は・・・』 凝ったストーリーと、キャストの迫真の演技で、大変見応えのあるサスペンスです。バークを信じきっていた私は、まんまと騙され、レイラの『私はCIA。ザックはNOC。』の告白に、クレイトン同様パニックに陥ったのです。 そしてラスト。『パソコンはそこだ。現在CIA本部に生中継中だ。』のトリックは見事。外に出たバークが開き直って自ら白状した後、クレイトンからバークへ移動する照準。実は私もここで生中継がはったりということに気付き、バーク同様呆然としたのです。あまりにも単純すぎるトリックだからこそ、してやられた感が凄い。このときのバークのリアクションは100点ですね。さすがアル・パチーノ。 拷問サプライズにはめてファームを離脱。その後『実は君は選ばれた人間なんだ』っていうのは、人を懐柔するには効果てきめんですね。落として、上げる。プライドをへし折られたときに、このバークの誘いはクレイトンにとって甘美な誘惑だったのでしょうね。怖い怖い。 クレイトンがレイラのデスクに侵入するシーンなど、スパイものではお約束の演出もあり。ザックとの追いかけっこやレイラとのカーチェイスは緊張感抜群。後半になるにつれて緊張感が増すサスペンスは貴重です。 終始騙し騙されなうえ、話が小難しいので気軽に楽しむにはやや難ありかもです。 バークの動機が、結局は自分が過小評価されていることへの不満と給与っていう、まるでサラリーマンのような主張が凝ったストーリーに対して少々陳腐で拍子抜け。まあ、『自分がしてきたこと』をもっと、正当に評価されたいっていう気持ちは凄くわかるんですがね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-15 03:05:04)(良:1票) |
10. リベリオン
《ネタバレ》 アクションは素晴らしいのですが、ストーリーと世界観は苦手なタイプ。 こーゆーSFって、よほど上手く作ってくれないと、世界が小さく見えてしまって、いまいちノリきれません。 上手いSFは、劇中で表現しきれない部分を、観る人が自然と想像力で補って、頭の中で世界を広げていく面白さがあります。 この作品では、残念ながら想像力が働きません。だから世界も広がらないのです。 そしてアイデア。『感情の抑制』という非常に曖昧な物差しをもってきましたね。 ストーリーの核となる、『妻』『同僚』『ヒロイン?』の処刑。その理由が『感情規制違反』という凄く曖昧なルールによるもので、ピンときません。本当は悲劇なのでしょうが、悲劇と感じさせるための演出ができているとは言いがたいです。 そして、薬をやめ、感情が戻る主人公。その主人公が取る行動。これが凄い。 『子犬』を助けるために仲間を皆殺しにする主人公。 『反乱軍?』を助けるために仲間を皆殺しにする主人公。 感情が戻ったのに、仲間を皆殺しにすることにまるで躊躇がありません。 『そもそも論』になっちゃいますが、『感情が戻ったから、現体制は敵』っていう極論は、この作品が投げかけているテーマに対して、あまりに浅はかな『答え』だと思います。 それに、プレストンがやっていることは、ファーザーがやっていることとなんら変わりません。『権力』が『暴力』にすり替わっただけのやはり『独裁』なのです。 『人類総ロボトミー手術』という破滅的なアイデアは良かったのですが、まさにアイデア先行の出たとこ勝負ストーリー。 ただこの作品、アクションだけは飛びぬけて素晴らしい。 あまりにアクションが爽快すぎるので、それだけでも面白かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-04-03 02:21:42)(良:1票) |
11. RETURNER リターナー
《ネタバレ》 第一印象は、『ビジュアル一流』『脚本二流』『演技は三流』というイメージ。 見ているほうが恥ずかしくなるようなセリフと演技の数々。 プロットはもろ『マンガ』で、『E.T』や『マトリックス』や『ターミネーター』にインスパイアされている感じですね。 やたらバイオレンスだったり、やたらコメディタッチだったり、映画としてのバランスもそんなに良いとは思えません。 失礼ながら、『B級臭丸出しの作品が、頑張って背伸びしちゃってる』と感じるのです。 オープニングの金城武の棒読みのシークエンスから、はっきりとこの映画の『レベル』ってのを感じ取ってしまって、つまりはそれ以降なめて見ていたんですね。 『擬態宇宙船』やら『加速装置』やら、いろいろと面白そうなギミックを見つけては、喜びます。映画の内容とは関係ないとこで遊んじゃう感じです。ずーとそんなぬるいテンション。そしていよいよクライマックス。 『あー終わったー。そりゃ普通に帰るよねー。消えていく映像すげーじゃん。なんか感動的ー。』 とか思ってて。そんで、 『ん?まだ続くのかい?下手に長引かせないほうがよろしいんじゃございません?』 と思っていたら、『ん?ん?あー!!そーゆーことかー!!』 と、油断していた私は、まんまとこの映画の仕掛けに引っかかりまして、そりゃあもう最高のラストを感じられたわけですね。 これが完成度の高い作品だったら、きっと気付いちゃったであろう仕掛けに、気付かないおかげで感じられたラストの驚きと清涼感。 タイムスリップものは『タイムパラドックス』の問題が入ってくるとややこしくなるから苦手なんですが、この作品ではその辺はスルー。そこも潔くてわかりやすくて良かったですね。 死にかけの宇宙人も、宇宙船団が故郷に帰るための『門(ゲート)』としての役割だったわけで、彼がいないとみんな帰れなかったわけですね。そんで地球人のせいで故郷に帰れなくなったから、報復で地球人を皆殺しにする未来を変えたわけだ。 大きなプロットも、小さなプライベートストーリーも、すべてが丸くおさまって、観終わった後はなかなか気分爽快でございました。 [DVD(邦画)] 8点(2016-12-02 14:45:45)(良:2票) |
12. リロ&スティッチ2<OVA>
《ネタバレ》 かなりドラマチックな『2』。『1』よりも時間は短くなりましたが、リロとスティッチが二人で一緒にいる時間は『2』のほうが長いです。 とにかくリロとスティッチのコンビは最高です。2人が一緒に行動する様子は微笑ましくて仕方がありません。そういった意味では、二人のかけ合い漫才が盛りだくさんの『2』は『1』より断然好みです。 今回のストーリーは、ディズニーにしては結構シリアスです。悪い子に戻ることを恐れるスティッチが健気で可愛すぎます。 そしてスティッチの様子が本気でおかしいことに、ついに気付くリロ。それからのラスト10分は、かなりヤバイくらいに良いストーリーに仕上がっています。正直、こんなにありふれたストレートなお話で、心にぐっときて涙腺がゆるむとは思いもしませんでした。 決して年のせいだけではないでしょう。 きっとそれくらい人物の見せかたが上手で、短時間でもしっかり思い入れが強くなったからだと思います。 それにしてもこの作品、エルヴィス愛が半端じゃない。 やたらエルヴィスを推してくるのがおかしくて仕方がない。 『リロ&スティッチ』。全然期待しないまま鑑賞しましたが、このシリーズは当たりかもしれないです。 [DVD(吹替)] 9点(2016-04-29 01:03:16) |
13. リロ&スティッチ(2002)
《ネタバレ》 研究で生み出された破壊衝動しか持たない生物が、子供と触れ合うことで少しずつ心に変化が生じる、ありそうな無さそうなありそうなお話。その乱暴者のスティッチが、少しずつ『破壊すること』以外のものに興味を示していく様子は、あまりに微笑ましい。 リロはリロで決して『良い子』ではありません。まさにただの子供です。かんしゃくを起こしたり、わがままだったりする、その辺にいるふつ~の子供なのです。 完璧ではないからこそ、予定調和ではないリロとスティッチの行く末から目が離せなくなります。 ラスト直前までどうなるかわからないストーリーはなかなか面白いですね。ラスト5分で無理矢理ハッピーエンドにまとめちゃいましたが、ユーモアを感じる決着で良いと思います。『お前もエイリアンだったのか。』って、エイリアンであることをすんなり受け入れてサラっと流しちゃう展開なんかディズニーらしさが出ています。好きですね。こーいう雰囲気。 ハッピーエンドを迎えてからエンドロールが流れるまでの間、ダイジェストのようなシークエンス、ここが一番感動します。面白いです。スティッチの可愛さが際立っています。 最後に、水彩画のような背景に、線のはっきりしたキャラクターが動くアニメーションは、個人的にかなり好みです。 子供向けであることは否めませんが、大人の鑑賞にも堪えうる良作だと思います。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-04-21 01:56:52) |
14. 緑茶
《ネタバレ》 非常にミステリー性の強いストーリー。 相反する性格と、全く同じ顔を持つ二人の女性。それだけでこの作品に引き込まれます。 二人に共通する理念。『女を殴る男は許せない。』謎の解明のキーワードとなるのが『母親』と『手袋』。ランランの口から『母親は手袋工場の工場長だった』という話が出たとき、ついに真相に近付くのかと思った矢先、唐突に終わりを迎えるラスト。 ますます謎は深まるばかり。う~ん、わからん。 何でも答え合わせをすれば良いというものではありません。謎は謎のままにしておいてはじめて生まれる余韻というものは確かにあります。この作品の終わり方はこれが映画としてはベストなのでしょう。 ですが、それでもあえて私は言いたい。 答えが知りたい。真相が知りたい。 そこをはっきりさせない映画は総じて嫌いです。 [DVD(字幕)] 4点(2016-02-14 16:28:37) |
15. リディック
《ネタバレ》 前作『ピッチブラック』にしろ、『リディック』にしろ、奇想天外な宇宙や惑星の構築はなかなか魅力的。 今作では『昼は700℃、夜はマイナス300℃』という惑星クリマトリアが登場。『昼』に追いつかれると一瞬で焼き尽くされるという舞台設定はかなりスリリングで迫力があります。 更にはこの状況に『看守』VS『リディック+囚人’S』VS『ネクロモンガー』を放り込んでバトルを繰り広げた展開がアツイ。 そして映像。700℃の惑星に人が焼き尽くされるシーン、ロード・マーシャルやエアリオンの移動映像、体毛の色が攻撃的になると赤色になる獣など、映像の面白さだけでかなり楽しめる作品です。 ですがどんなに凄い映像であってもいつかは目が慣れてしまいます。 やはり大事なのは外見(映像)ではなく中身(ストーリー)だと思います。 ひとつひとつのシーンに使われる映像、アイデアは目を見張るほど素晴らしい出来であるにも関わらず、そのどれもが使い捨て状態でつながりが希薄です。『こんなこと思いついたのでやってみました。』という発表会を見ているようで、ストーリーは二の次にされている印象を受けます。ストーリー重視で映画を楽しむタイプの人はまずのめりこめないでしょう。 もちろん、ストーリーを活かすのはやはり映像だとも思います。 この映像技術、世界観であれば、脚本次第で類を見ない傑作になっていたと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-01-11 00:14:26)(良:1票) |
16. リーマン・ジョー!
《ネタバレ》 しがないサラリーマンが奮起して、仕事で成功していくような物語を勝手にイメージしていたのですが、ちょっと違いますね。 奥さんが他に男をつくって離婚。仕事は評価されず、出世させてもらえない。そんな折、駐車場のトラブルをめぐって娘の前で後輩の同僚から張り倒されてしまうという何とも悲惨なスタート。それからリベンジマッチへ向けて特訓が始まるわけですが、駐車場のトラブルはきっかけにすぎませんね。 同僚を張り倒すことを目標に掲げたのは、現実逃避のひとつの形です。本当の願いは『自分という人間を認めて欲しい』というところでしょうか。 奇しくも、その願いはすぐに叶います。嫌われ者の同僚にリベンジマッチを要求したことで、一躍社内の人気者に。皆から声をかけてもらえるようになり、友人・知人が増えていきます。 ところがこれに警鐘を鳴らすのが、ヒロインのメアリーに、娘のナタリーに、意外なところで道場の師匠。 元映画俳優である道場の師匠は言います。『映画で売れたとき、人が自分の周りに集まってきたが、落ち目になると皆離れていった。』 あるあるネタですが、この映画でこの台詞が使われるタイミングが絶妙で、胸にジーンとくるものがあります。この台詞こそが、本作のテーマ。 結局はメグや娘のナタリーといった、ありのままの自分を受け入れて、大切に思ってくれて、頼りにしてくれる人間は初めからちゃんといたんだよ、ということですね。 本作の欠点は、『状況説明』の不足。とくに序盤~前半。鑑賞者が状況や人物相関図を理解しないまま、次々とストーリーが展開していくので、前半くらいまではかなり置き去りにされてしまうのが大きくマイナス。 そこに目をつむればなかなかの良作と思われますが、個人的な好みとはややずれがある作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-10 01:50:03) |
17. リトル・ストライカー
《ネタバレ》 技術はあるのに勇気が持てないサッカー少年が、第三者からキーアイテムをもらって活躍し始めるっていう、よくあるサクセス・ストーリー。そのよくあるサクセス・ストーリーが好きです。 むしろ、ちょっと予想と反したのは、サッカー以外の人間ドラマが結構多いこと。校長とスポンサーの確執に始まり、監督ウィラルの過去、転校生との恋、いじめっこ達とのからみ、極めつけはお母さんの元カレ、今カレのエピソード。あんまりいろいろつめこんじゃったので、少々散漫に感じる部分もあったりなかったり。 それでもサッカードラマは面白し、主人公をいじめるゴードンとその父親が気持ち良いくらいのクソ野郎で、映画に起伏を持たせてくれるので、見ごたえ十分、爽快感ばっちりの快作には仕上がっていると思います。 ただやっぱりねー、スポーツドラマにスポーツ以外の要素をがんがん入れちゃうのって個人的にあまり好きじゃないです。前半のいじめはしつこいし、母親と新しい恋人とのエピソードは全編に渡って要らなかったのではないかと思います。 それに、いろいろ盛り込んじゃったから、細かい謎がいっぱい残ったままになっている気がしますよ。 本筋のストーリーはきれいに丸く収まりますし、みんなハッピーみたいなエンディングを迎えるので、細かいことを気にしない人には全然オススメできる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2015-09-14 02:55:53) |
18. リプレイスメント
《ネタバレ》 アメフト版『メジャーリーグ』。期待を裏切らないで展開していくので安心して見ていられる反面、驚きや感動、真新しさというものを感じ取るのは難しいです。これはもう、シリーズものや連ドラを見る感覚で、お約束を楽しみ爽快感を味わう映画でしょう。 『アメフト』というスポーツは一人一人の役割がポジションによって全く違うので、個性が際立ちやすい。今作も、クォーターバックだけでなく、レシーバー、キッカー、ランニングバックなどそれぞれに見せ場を用意してくれているので、幅広く楽しめるのが嬉しい。 つまりは、監督のジーン・ハックマンや、キアヌ・リーブスは言わずもがな、それ以外の脇を固める選手達も個性あふれる活躍で、大変魅力的に描かれているわけです。 また、これもお約束ですが、チアリーダー達も含めたチームメイト同士の友情を味わえるので、見ていて心地よい気分に浸れるのは間違いありません。 一つだけ注文をつけるなら、どうせ映画なんですから、ラストはとことんハッピーにしてほしかった、というのはあります。 全員正規の選手に昇格しちゃって、ストを起こしていた傲慢なスター軍団は全員クビ、なんて非現実的な話のほうがより爽快な気分に浸れそうです。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-18 05:38:11) |
19. リトル・プリンセス
《ネタバレ》 ファミリームービーは退屈さを感じてしまうものが多いので最近は敬遠し始めていたのですが、これはとても楽しめました。確かに刺激は少なめだし、いかにも童話をそのまま映画にしましたって雰囲気なんですけど、父親の訃報を受けてからの急展開が面白かったと思います。特に原作を知らない方であれば(僕も知らなかったのですが。)逆に楽しめるのではないかと。 セーラ役の女の子の演技がとても可愛らしく力強く、純粋に彼女の幸せを劇中願い続けていました。逆境から最後はハッピーエンドになるっていうのは見え見えなんですけど、良い意味で期待を裏切らないので安心して見られます。王道には王道の良さがあるものです。それでもセーラが父親の名前を叫びながら警察に連れて行かれるところは、これファミリームービーか?と思っちゃうくらいの迫真の演技で、どうなることかとハラハラしましたね。父親が唐突に思い出したのはいまいちな感じがしましたが、ラストのミンチン校長のオチは個人的に大好きです。 万人に愛される良作ではないでしょうか。刺激は少なめですけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-12 17:37:23)(良:1票) |
20. リーサル・ウェポン4
《ネタバレ》 シリーズラストということで、卒業式を見るようなテンションで見ていたら、劇中で展開される人間ドラマ(マータフとバターズ、リッグスとローナ、そしてレオ)全部に気持ちがいっちゃって、メインのストーリーに集中しきれなかったです。 それでも火炎放射器男にはじまり、ビルの中のカーチェイスから、史上最強のカンフー男の登場と、思いつく限りすべての娯楽アクションを詰め込んでくれた作品づくりに大満足。まるで、花火のラスト、一斉にこれでもかと打ち上げるあの瞬間に近い感慨を覚えました。 ラストのハラハラ感(特に水中、間に合うとわかっていてもドキドキ。)はシリーズ中最高な気がします。また、ローナが読んでいたベストセラー恋愛小説の作者がマータフの奥さんっていう地味な伏線があるのもグッド!メインと関係ない、どーでも良さそうなエピソードに、思いっきり知恵や工夫を取り入れている映画は大好きです。 1~4まで通しで見ることができて、何とも言えない達成感が・・・ よーし、次は「ダイハード」見るぞー。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-05-17 04:40:55)(良:1票) |