1. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 バレエは詳しくなくとも、耳馴染みのある「白鳥の湖」が、こんなにも、ドラマチックな曲だったとは・・・。 ラスト3分の演出が、珠玉だと思います。 この映画の監督さんは、9.11後のある一人の少年の心の再生を描いた”ものすごくうるさくて・・・”の 監督さんなんですね。最近知りました。少年の心の機微を豊かに、温かい目線で描き出せるのが、この監督の 得意技なのかもしれません。 アニメーションCGなどの映像技術が成熟し、もはや、映画で再現不可能な映像はないのだろうとさえ思う昨今、 だからこそ、こういった作品に、映画としての、より高い価値を感じます。 舞台となったイギリスの田舎の炭鉱町や、そこで働く人々の日常、決して豊かではない厳しい現実の生活を リアルに描くことで、少年ビリーの夢が、いかに突拍子もない事であるかが冴えました。 「バレエなんか、女がやるもんで、男がやるもんじゃない!」って父親の価値観も、日本のお父さん達のそれと 似ていて、父親として戸惑う姿にクスリとさせられましたが、それだけに、スト破りのシーンは、 同じ子を持つ親として、何度見ても泣かされます。 この映画を最初に観た時は、自分の息子(次男)が、ちょうど、ビリーと同じ年頃のころ。 子育てに悩んだ時期でした。 この映画の時間軸と同じ時が流れ、久々にみたラストシーン、 人生という大舞台に、美しく、雄々しく、見事、羽ばたいて見せた息子ビリー。 その背中の、なんと大きくなった事か・・・。 まぁ、俳優さん、超有名プロバレエダンサーさんですからねぇw それはわかってはいても、今では、巣立って行った息子達の後ろ姿と重なり、 胸が一杯になります。 嬉しい涙で締めくくれる、本当に、良い作品だと思います。 [インターネット(字幕)] 9点(2017-02-07 11:59:28)(良:2票) |