1. リリイ・シュシュのすべて
ぼくも、ローティーンの時(ついこの間)作中の少年たちに近いところがあって、いろいろあったし、傷ついていると感じたこともあったので、少年少女たちの痛みは感じ取ることは、多少はできたと思う。しかし、この作品は、少年少女の痛々しさを剥き出しにする様子が羅列されているだけのように思い、ストーリー性は感じられなかった。個人的見解だが、痛ましさと言うのは、痛みをこらえ、痛みと戦っていたりする様があってこそ、周囲に痛ましさが沁みてゆくものだと思う。だから、今作のように、痛みをさらけ出すようにしては、沁み入るというよりは、見せ付けられただけのように感じてしまう。確かに、節々に痛みをこらえているとも取れる部分はあったが、結局自殺してしまったり、殺人を犯してしまったりと、あまりにも安易な展開に流れてしまい残念でならない。これで、「痛々しさが伝わって~~~」とか「心を動かされた」などと言っている人が、本当に少年少女の傷に気付いたのだろうか・・・?と考えてしまう。この作品は、内容が深いですよね。少年たちの傷が、どこから発生したか、わかってくれる人って、いるのかな?男性が、出産の痛みを理解できないのと同じじゃないかな?(なんちゃってぇ)。14歳を患った経験があるぼくは、そう感じました。 5点(2002-11-13 22:32:41) |