1. LOOPER/ルーパー
《ネタバレ》 タイムトラベル系SFにしてはかなりわかりやすい。ただし細かいことを考えないことが条件。 前半はサスペンス色がかなり強め。ルーパーを逃してしまった親友セスが処刑されていくのは、なかなかのホラー。直接的な描写はありませんが、オールドセスの体が次々と欠けていくことで、セスの身に恐ろしいことが起こっているのを視聴者に連想させます。この映画で一番恐ろしくも、一番良かったシーンかもしれません。それに、失敗するとただでは済まないことを印象付けるうえでも効果的です。 おおまかな設定は、未来では殺人を犯すと必ず捕まってしまうため、過去にターゲットを送り込んで、過去の人間に始末してもらうというもの。その始末屋がルーパー。 この映画では過去=現在の時間軸としてストーリーが展開される。欲を出して未来のシーンも放り込んでごちゃごちゃになっちゃうよりよほど良いです。 もうひとつの設定がTKと呼ばれる、全人類の10パーセントが目覚めたサイキック能力。SF感を出すためのアクセサリー的な設定かと思いきや、終盤この設定が大きな意味を持ち始めます。これには賛否両論あるみたいですが、個人的には物語を多重構造にできて面白かったんじゃないかと思っています。 唯一の難点は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスがどうしても同一人物には見えないことか・・・。とくに後半、ブルース・ウィリスが暴れだしちゃうと、もうダイ・ハードにしか見えない・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-17 17:51:38)(良:1票) |
2. るろうに剣心 伝説の最期編
《ネタバレ》 もし原作を知らなければ7点~8点くらいなんでしょうけど・・・。 原作をリアルタイムでずっと読んでいた者としては、ちょっと残念な出来です。 そもそも十本刀編最大の見どころは、十本刀と、剣心メンバーとの壮絶なバトルにあります。 例えば宇水と斎藤のバトルなんて、原作ではかなりのお気に入り。なのにこの映画では一瞬で終了。その一方で比古との修行にはダラダラと余計な時間をかける。なんともバランスが悪いです。 いや、その修行のシーンは大切ですよ。でももっと短い尺で、大切なんだってことをばしっと伝えてくださいよ。何をだらだらと・・・工夫のない。 安慈と左之のバトルをおちゃらけさせないでください。安慈は十本刀のなかでも、ダントツで悲しい過去をもつ人物。その安慈の気持ちを汲み取りながらも戦う左之助、名バトルなんだから~。金的だとかくすぐりだとか、原作レイプもはなはだしい。 薫VS鎌足、弥彦VS蝙也、比古VS不二、すべて割愛。 いやいや、どこを割愛してんのさ~。せっかく目覚めた薫も、ここで成長を見せるはずだった弥彦も出番なし。それは悲しい、悲しいよ・・・。 前編、後編に分けて計4時間越え。にもかかわらず、見せてほしいところの大部分を割愛。 もうこれは脚本に難ありです。監督が原作のファンなら、少なくともこんなことにはならなかったはず。 この映画だけ見た人は、るろうに剣心つまらない、とか思わずに、ぜひ原作を読んでほしいものです。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2023-04-15 15:15:33)(良:2票) |
3. るろうに剣心 京都大火編
《ネタバレ》 アクションに関しては1作目よりスピード感が増して好き。スケールも大きくなって、これぞ映画って感じです。 残念だったのは、これ1作で完結しなかったこと。まあこの時代、スターウォーズにしろロード・オブ・ザ・リングにしろ、マーベルにしろ、シリーズ化するのは当たり前みたいなので仕方ないか・・・ ・・・でもいかにも『続く』みたいな終わり方はどーなんでしょ。テレビドラマみたいで萎えるんですけど。そこはもっときりの良い終わり方をしてほしいものです。この作品はこの作品で、ボス的ななにかとの決着をつけるとか、一応めでたしめでたしの形をとるとか。そのうえで、エンドロール後に何か不穏な空気を漂わせて終わる、みたいな。映画という形式をとる以上、それが最低限のマナーというか礼儀のような気もするんですがねー。 内容はとても良かったですよ。原作ファンなら熱くなること間違いなし。原作の重要人物、人気キャラはほぼすべて出そろいますからね。 巻町操役の土屋太鳳が圧巻のアクションを見せてくれたり、見所たくさん。ラストの京都大乱闘は否が応にも盛り上がります。 ただみなさん絶賛されている志々雄役の藤原竜也。私は個人的にミスキャストだったなぁ。声やセリフに、重さと迫力が全然足りないんです。どうせ包帯ぐるぐるまきで顔なんかわからないんだから、もっとドスの効いた声の役者さんのほうが良かったんじゃないかなあ。 駒形由美ははまりすぎ。方治はだめ。この人熱狂的だけど、実は切れ者なんだから、ただのバカキャラクターにしないでほしい。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-04-09 00:23:17) |
4. るろうに剣心
《ネタバレ》 『おろっ』とか『ござる』は漫画であれば違和感を感じないのですが、リアルでは違和感ありまくりですね。 マンガの映画化ですから、期待はしていませんでした。ですが、思っていたよりは大分良かったです。 左之助、刃衛、高荷恵のエピソードをひとつにまとめちゃったわけですが、上手いことひとつのストーリーとして成立しています。たいしたものです。 原作では剣心がやたら技の名前を叫ぶのですが、今作ではそんなマンガチックな表現を避けたのも功を奏していると言えるでしょう。技の名前を叫ぶのは少年漫画では定番。一番盛り上がるところ。その一番盛り上がる部分をあえてしなかったのはこれ以上ない英断です。 キャスティングは概ね良かったのですが、武田観柳役の香川と高荷恵役の蒼井優はちょっとイメージと違いましたね。 香川が演じると、コメディ色が強く出すぎてしまいます。 蒼井優は好きな役者さんだし、演技も良いんですが、いかんせん役と合っていない。どうしても子供っぽくなりすぎてしまいます。そこが残念。 過去を振り返る回想シーンは、剣心、刃衛、高荷恵、どれもよくできていて、作品に深みを与えています。特に剣心の回想シーンは涙を誘います。 ちなみに私は原作をばりばりに読んでいる世代なので、大きな混乱もなくすんなり見られましたが、原作を知らない人が見たら登場人物の多さに混乱したりするのかな? [ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-04-06 01:57:28) |
5. ルイの9番目の人生
《ネタバレ》 いかれた母親とかわいそうな父子の物語でした。 正直肌に合いません。 ルイとそのお父さんはあまりに可哀そうです。だから後味がまず悪い。ルイは現実世界で生きることを選択し目を覚ましますが、父親は戻ってきません。 更にはパスカル医師とルイの母親の恋愛モードに反吐が出ます。 ラストで母親が精神病棟に入れられ多少の溜飲を下げたのも束の間、パスカル医師との子供ができちゃっている悪趣味な着地点。気持ち悪いったらありゃしない。 高評価のなか大変申し訳ないですが『どうしても好きになれない』プラス『前半超退屈』ということで素直な気持ちで採点することにします。 ついでに言うと、パスカル医師を操って母親を毒殺しようとするシーンがありましたが、ルイのキャラには合っていないような気がします。 [DVD(字幕)] 3点(2021-09-20 02:32:36) |
6. ルーザーズ
《ネタバレ》 それぞれが何かのスペシャリストで、あんまり負け犬っぽさは無かったですね。むしろプロフェッショナル軍団という感じ。 コメディアクションなのかと思っていたのですが、意外に真面目なサスペンスアクション。 オープニングのヘリ撃墜までのエピソードは、ルーザーズに感情移入させるのに十分なインパクトでした。 マックスという悪役のいかれ具合は好き。でもなぜCIAの幹部らしきマックスが、核兵器だの戦争だのを望んでいるのか、大事な部分の説明が一切ない。 また、ロークの裏切りは無かったほうが、よりスカッとできたんじゃないかという気もします。 原作があるので仕方ないのかもしれませんが、こーゆー裏切りって、表面では忠義を尽くしている人間が裏切るから面白いんじゃないでしょうか。いかにもなロークが裏切ったって、そこに物語的な面白さは生まれない気がします。 マックスが野放しのまま終劇っていうのも、ちょっともやもやしますね。 できれば、もう裏切りとかしちめんどくさいことはやめて、チーム全員でマックス一味を一網打尽にして大団円で終わってほしかったものです。それともマンガ原作みたいなので、続編を意識してこのような煮え切らない結末にしたのでしょうか。 いいかげん、続編を意識した映画製作はやめてほしいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-06-20 19:37:43) |
7. ルーキー・ハウス・ガール
《ネタバレ》 普通のラブコメ。普通のサクセス。普通の主人公。いや、普通よりかはかわいいと思いますが。 フェリシティ・ジョーンズ演じるキム。本作の主人公でヒロイン。しっかり者。父親思い。仕事はできる。セクハラ、同僚の嫌味はユーモアや皮肉であしらう。元スケボーの天才少女。 その一方で、『状況に流されやすい。』『父親に入れるはずだったお金を飲み食いに使っちゃう。』『人様の別荘で勝手にパーティーをする。』『心配する同僚の女の子にイライラをぶつける』など、嫌な面もあり。どうにもキャラが不安定です。この辺は好みが別れるところか。人によってはこのタイプには共感しづらいかもしれないです。こーゆー面を何回か見せられちゃうと、主人公といっしょに盛り上がろうって感じにはなりません。 スノボはやりませんが、映像はスピード感あって面白かったです。映像きれいです。 スケボーの天才少女が母の事故死をきっかけにリタイア。スノボの世界で復活するというサクセスストーリーは、シンプルかつワクワクできて良かったです。なので、ラブコメや別荘でのドタバタは添えもの程度にして、よりスポーツ色を強くしたほうが良かったんじゃないかな。スノボの練習や大会シーン、ライバルなんかをもっとクローズアップしてくれれば、より純粋にスポーツ系サクセスストーリーとして見応えがあったような気がします。 ちなみに見終わったあとは、なかなか良い気分になれますので、まずまずのエンターテイメントには仕上がっています。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-26 20:59:43) |