1. ルワンダの涙
《ネタバレ》 ご機嫌いかがですか?オルタナ野郎です。さぁ今夜のみんシネロードショーは皆さんお待ちかね『ルワンダの涙』の登場ですよ。これは1994年にアフリカのルワンダで実際に起きた虐殺事件を題材にした映画なんですねー。この映画の舞台はルワンダの首都にあるキリスト教系の技術学校なんですが、大統領の暗殺事件をきっかけに対立する部族間での虐殺が始まって、少数派部族の避難民がグワーッとここに押し寄せてくる訳です。この学校には国連派遣部隊のベルギー軍が駐留していますから、虐殺を首謀した部族の過激派もなかなか手出しができない訳なんですが、国連軍の方も命令がない限りは自衛目的でしか武力行使ができないものですから、学校の外で虐殺が行われていてもそれを傍観する事しかできない訳なんですねー。いやぁ実にもどかしい。ちなみにこの映画の原題は『Shooting Dogs』というんですが、これは「死体を漁りにくる犬を衛生のために射殺していいか?」という国連軍の提案に対しての、「それなら犬の方が先に君達に発砲してきたんだね?」というイヤミからきてるんですね。いやぁこれ実に奥の深いタイトルだと思うんですが、原題から米題の『Beyond the Gates』、そして邦題の『ルワンダの涙』といくにつれて、その皮肉がどんどん薄まっている点も更に味わい深いですねー。それから何と言ってもクライマックス。国連軍の撤退に合わせて過激派の群衆がナタや小銃を持って避難民に襲いかかるんですが、見てくださいこの嬉々とした表情。これは完全にキ○ガイの顔なんですね。彼らのナタで女性や赤ん坊がズバーッとやられるのを間近で見ても、国連軍はやはり手をこまねいて見殺しにする事しかできない訳なんです。そもそもこうなった原因は彼らの植民地政策のせいなんですが、いやぁ国際社会ってのは本っ当に薄情なものなんですねー。このような過酷な現実の前ではタテマエの理想なんてまったくもって無力なんだという事を思い知らされてしまいますよねー。さて、この映画で描かれた悲劇からそろそろ20年近くが経つ訳なんですが、今でもどっかの国が毒ガスを使って自国民を殺しまくろうが、それを口実にどっかの国が喜び勇んで軍事介入を決定しようが、事務総長様は祖国アピールのためのロビー活動にご執心なのでそれどころではないという訳なんですねー。いやぁ平和維持活動って本当に面白いものですね。それじゃあまたご一緒に楽しみましょう! [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-03 00:29:02) |