1. ルートヴィヒ(1972)
生への執着と絶望、死への憧憬と恐怖、相反する感情に揺れるルートヴィヒのおののきは、腐り落ちかけた果実のように甘美です。(映画では)。彼の退廃と凋落は、彼が生から得た魅惑の証しのように思えました。「帝国衰退期のローマ人を手本に、デカダンスの戦士であるとはどういうことか学びたまえ。絶望の中でもがき、鬱々として栄光を愛し、素朴さにおいて腹黒いとはどういうことかを。」シオランの「敗者の祈祷書」の一節です。この映画にピッタリだと思って引用してみました。嫌味に感じた方、ごめんなさい。 10点(2002-06-08 22:27:28) |