2. 六月の蛇
《ネタバレ》 鉄男以降、どれを見ても不満だったが、これは塚本最高傑作だと思う。ストーリー的にはシンプルで見易く、随所に彼らしさがちりばめられていて。見る前は「何故神足裕二なんだ?」と思ったが、見て納得。彼以外見当たらない配役。雨の音が体に刻み込まれていくとともに、鬱になっていく観客である私。こうなるのをを塚本監督が狙っていたのだとしたら、私も黒沢あすか。操られたんだと思う。10点をつけたいところだけど、音楽は「こうしたらもっと良かったのに」と思う点が数々。胸にねじ込んでくるような生の楽器で彩って欲しかったかな、で-1点。旋律的にもっとじっとりして欲しかった、で-1点。でも、塚本監督の「塚本組」を大切にする優しさ(今回は仇になったが)に+1点。本当に良い映画ですよ。 9点(2003-12-30 23:58:46) |