3. ロビン・フッド(2010)
《ネタバレ》 やはりスコットは凄ぇ! 彼の作品全部に言えることだが、とにかく構成能力が凄まじく高い。 話的には『兵卒のロビンフットが騎士になりすましリッチな生活を手に入れようとするが、気付けばなりすました領主の義理息子になり、気付けば民に好かれる領主になり、気付けば兵をまとめフランス軍に勝利し、その功績を妬まれた王様から隠れるため森へ・・終』と、並の監督が作れば3時間は越えてしまうような内容を、非常に絶妙なテンポと繋ぎの上手さでダレること無く高い密度で2時間30分以内に収めている。 キャラの位置関係もキッチリ決めており、と言うか掘り下げているのは主人公とヒロインのみ。後のキャラは本当にそのシーンを盛り上げたり話を進めるためにだけに存在し、格好良い死に様や特定の敵役もいない。だからこそ主人公の活躍とストーリーに集中できる。正に盛り上げるための『脇役』として最高の仕事を皆がしているのである。 そしてたっぷり時間を割いて描かれているロビンフット(ラッセルクロウ)がまぁ素敵。劇中2回しか言わなかったが、2回目の『優しく誘えよ』を聞いた瞬間私の中の乙女心がキュンキュン唸りを上げ思わずウットリ、男も惚れこむナイスガイでした。 ただ難点を挙げるとすれば、この監督の作品ってコレだと言うクライマックスが無い気がします。印象的には『75点~85点』のシーンが起伏なく続く感じで、全体的な作りは素晴らしいが、100点級のズドン!と突き抜けたクライマックスが無い(実際最後の合戦シーンもブレイブハートと比べるとちょっと・・・)。そのため緩急の激しい作品を好む方にはちょっと合わないかも。 しかし、個人的にはそれも『味』として楽しめますし、主人公の底無しの格好良さを前面に押し出したエンタメ映画『ロビンフット・エピソードゼロ・そして伝説へ・・・』。最後も綺麗に『俺達の戦いはこれからだ』で締めてくれました。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-11 00:33:50)(良:3票) |