1. ワンス・アンド・フォーエバー
感動大作というにはいささか物足りない。それなりにうるうるとはするのだが、音楽とスローの多用が妙に重苦しいだけでいまいち迫力に欠ける。メル様は老けたのか、目が優しすぎるのか、ジョン・ウェインなどの往年の戦争映画スターたちに比べると存在感がない。まあベトナムだとこの程度がちょうどいいのかもしれないが。マデリーン・ストウも老けていて驚いた。最後に勝利できた理由もわかりにくい。とはいえ原作がノンフィクションなら納得するしかない。飛行機の大量投入が本作の一番の見せ場ではなかろうか。人間ドラマとリアルな戦闘シーン、現場と会議室、敵と味方と構図はわかりやすいのだが、いささかステロタイプに過ぎる。スピルバーグやリドリー・スコットを観た後だとその戦闘シーンも甘い。もっとぐっちょんぐっちょんにしつつ、銃後のシーンは抑制気味にした方がベターだったか。北ベトナム軍は誠実に描いていたと思う。しかし結局その監督の真面目さが仇になったような気がする。「ブラックホークダウン」と「8月のメモワール」を足して2.5で割ったような作品。しかし知識の習得としては有意義な作品といえよう。邦題はいいのだが。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-17 02:29:27) |