1. 笑の大学
おしいな〜。僕自身、三谷幸喜の面白さは、”舞台演劇を映画に転化し、その役者のポテンシャリティを最大限に生かしたドタバタコメディ”というイメージがあるので、その点から言うと、一番肝心要の2人の演技の絡みがイマイチ、テンションの低いモノに見えて仕方なかった。役所はもちろん素晴らしかったが、問題は稲垣である。三谷演劇で一番必要な、”役者自身の魅力”という意味で、彼を作家役にする必然性が全然感じられない。存在が薄すぎるのだ。まあ、ここで”役者 稲垣吾郎”について延々語る事は避けるが、彼が出演するなんの番組(バラエティでもドラマでも)を見ても、人間としての魅力が私には感じられない。上っ面で全てこなしているように見えるのだ。その彼の演技(とはいえないが・・・)の為に、この映画の魅力が半減している事は言うまでもないと思う。こういうシチュエーションコメディ、密室劇は(他の映画に比べて)圧倒的にその演者の力量に全てが掛かっている。最高の人間ドラマになるか、最低のクソ映画になるか、どちらかしかない。三谷作品のファンなだけに、この稲垣をキャスティングした事は残念でならない。 [DVD(字幕)] 5点(2005-08-29 13:25:46) |