1. 私は「うつ依存症」の女
原題がプロザック・ネイション。「マッチスティックメン」でニコラス・ケイジが 処方されていたのもプロザックだった。主流の精神安定剤であることがわかる。 映画はさながら、この薬の販促映画になってしまっている。 原作小説の著者エリザベス・ワーツェルは「うつ病への理解を」求めて執筆した そうだが、残念ながら映画はその主題をクリアしたとはいえない。 うつ病の症状を並べただけの内容になっており、快方へ向けての努力をしない主人公に は怠惰や甘えが感じられてしまう。 主演のクリスティーナ・リッチの熱演は評価したいが、演出やカメラが追いついて いない印象だ。役者の演技だけに負うのではなく、絵で感じさせる工夫が必要に思う。 うつ病の経験者にとっては共感できる映画ではあるが、そうでない者との間にある 理解の壁が、この映画をきっかけに壊れることはない。 結論は「プロザック飲めばいいじゃん」になってしまうことだろう。 6点(2004-06-09 09:43:17) |