1. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
《ネタバレ》 特に、タランティーノはこれまで、暴力と殺人をアイテムとして映画を撮っているわけで、これはジレンマだったのかもしれない。(風立ちぬにおける、戦争反対と思いつつ完璧な戦闘機を設計するジレンマみたいな) 実際、武器をもってやってくるヒッピー達は、車の中でこんんなことを語り合う「人殺しを演じて稼ぐ連中を、殺すぞー」これまさにタランティーノが自分に向けて書いたセリフと言わざるを得ない。 それに対するタランティーノの回答、それは、実行犯らをレオ様邸に間違えて侵入させ、観客の全幅の信頼をがっちりつかむブラピのこぶしで、監督が大得意なバイオレンス描写を遺憾なく発揮し、実行犯たちをこれでもかというくらいにフルボッコ。レオ様はというと()。 観客の爆笑によって歓迎されるこれらのバイオレンスを添えて、私達(この私達とは、監督、出演者、すべてのアメリカ映画屋、そしてこの映画を映画館で観る我々全員)は50年前の悲劇に回答を示した。すなわち、復讐。 シャロンテートは、何も知らず無事。 しかしそれで終わらないのがこの映画の素晴らしいところ。事件がおちつき、何も知らないシャロンの声が、インターホンのマイクから聴こえてくる。「みんな無事なの?」これがもう、不幸にも命を奪われた実在のシャロンの声そのものに聴こえてならない。天国からこっちを心配してるかのような。 からの、玄関先でレオ様とシャロンとの、挨拶の抱擁。それを高いところから見下ろすように撮るタランティーノのまなざし! 復讐は暴力である。何も生まない。復讐は復讐を呼ぶ。しかしラストのこのショットは、復讐でも暴力でもなく、ただひたすら安らかな祈りと言える。映画が映画としてできることを、タランティーノはこのようにやってみせた。素晴らしい! [映画館(字幕)] 9点(2020-03-30 15:21:02)(良:2票) |
2. 笑の大学
《ネタバレ》 やっぱり舞台の緊張感がないと栄えない。 [DVD(邦画)] 6点(2010-01-09 12:50:25) |
3. わが教え子、ヒトラー
《ネタバレ》 ヒトラーに泣かされるとは思わなかった。 [DVD(吹替)] 9点(2009-11-03 18:50:23) |
4. ワルキューレ
《ネタバレ》 結局映画を見ている全員がご存じのとおり、クーデターは失敗し、クーデター該当者は全員銃殺刑。今にして考えればトムクルーズの行動は正義なんだろうけども、時代は彼を極悪人とするのだな。罪とは相対的なものであって、絶対的尺度はどこにあるんだ。つまり人を殺すってのも絶対的罪とはならないということである。戦争のもとでは人殺しは正義になる。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-06 00:40:55)(良:1票) |
5. 私の夜はあなたの昼より美しい
極めて特異な条件を背負った男女を並べると、それだけで面白い。ましてお互い惹かれあい傷つけあうのだから。海に入っていくラストはすばらしいね。たったあれだけなのに忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-14 21:48:19) |
6. 嗤う伊右衛門
言葉が時代劇だから意味がよくわからなかったり(それがしってだれをさす代名詞 ?)、つぶやく椎名キッペイが聞き取れなかったりで前半いまいち難しかったです が、後半まで我慢してみてれば何となく全体の流れが把握できるのでよろしい。 四谷怪談だからホラー映画かと思いきや、切ないラブストーリーです。 小雪さんはすごい!和服にあう! 唐沢は笑わない!笑う伊江門なのに笑わない! 椎名はエロい!口元がえろい! 役者の暴れっぷりとか、見下ろす位置のカメラとか、蛇と鼠の感触とか、主役とヒロ インの存在感とか、蜷川の味はあります。 でも江戸時代とはいえ、もっと蜷川らしさを出して欲しかったです。『蜷川らしさ ・・・前作の青の炎では、いきなり主演の二宮君をからっぽの水槽に入れて下から蛍 光灯であおったり(映画ではなかなか出来ないこと)、誰もいない長いエスカレー ターで撮影したり(舞台ではなかなか出来ないこと)、共通部分みたいな映像表現。』 蜷川さんあまり明るく朗らかな映画撮りませんが、安価で蜷川を味わえるということ でこれからも映画には付き合っていこうと思います。 さすがの蜷川も、舞台だけでは儲からなくなってしまったのでしょうか。 映画でお小遣い稼がなきゃ芝居できないのでしょうか。よくわかりませんが。 8点(2004-07-21 00:01:27) |
7. わすれな歌
チャンイーモウの「至福のとき」くらい面白くやってくれたら見ごたえがあったと思う。愛しあう二人の別れ系ストーリーには弱い。最後の最後、何にもなくなった二人を取り囲むタイの熱帯林になんだか優しさを感じた。 8点(2004-02-27 02:01:09) |