1. ワーロック(1959)
主役級曲者3人の大スターを組ませ、一見正統派のウエスタンを装いつつ、実は屈折した面白さがある変化球的ウエスタン大作。ストーリーもキャラクターも平面的ではなく複雑立体的でかなりの見応え。それまで悪役が多かったウィドマーク氏がここでは一番の儲け役。ヘンリー・フォンダは、大衆が抱いている自分のイメージから少しだけ脱したかったのかな・・・?同年製作、正に本家?正統派ウエスタン「リオ・ブラボー」(10点)と比べると、何度も見返したくなるような中毒性というか爽快さには無論欠ける。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-11-16 08:06:16) |
2. 私を野球につれてって
製作年度から言えば、この作品は「踊る海賊」(1948)と「踊る大紐育」(1950)の狭間にあたる時期。「海賊」とこれを観れば、より洗練させ、よりダイナミックにヴァージョンアップさせたのが「踊る大紐育」(8点)って事が非常にわかりやすく理解できる、と思う。自分はF・アステアより断然ジーン・ケリー派なので、太平楽且つノーテンキ極まりないこの映画も愉しめました。来たる1950年代にキャリア黄金期を迎えるジーン・ケリー物語の、ある意味前奏曲映画ともいえる。ちゃんとお召し物を羽織って台詞を言う「水着の女王」エスター・ウィリアムズ嬢も私は初見参、お綺麗です。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-04 08:15:54) |
3. ワン・デイ 23年のラブストーリー
《ネタバレ》 ご贔屓女優アン・ハサウェイ嬢単独主演、待望のラブストーリーですが・・・。ファンの自分でもこの点数が限界です。宣伝文句の「学生時代からの23年間にわたる男女の愛と友情の軌跡!」・・・と言われれば、否応なしに私の恋愛映画生涯ベストワン作品「追憶」(10点)や、秀作「恋人たちの予感」を思い起こさせられる。まあ、そのレベルまで達するのは無理としても、きっと甘物好きの自分にはピッタリの映画に違いない!と踏んで、勇んで劇場に向かったわけです。残念ながら、その期待は大きく裏切られる結果に。特にプロットに面白い「仕掛け」があるわけでもなく、脇に面白いキャラクターがいるわけでもなく、機知に富んだ会話が楽しめるわけでもない。主役のお二人とは世代的には同じくらいのはずなのに、共感できる点も殆どない。ないないづくし。正統派といえば聞こえがいいけれど、こういう作品を「凡庸なラブストーリー」っていうんでしょうねぇ・・・。原作者に脚本まで担当させた弊害が、悪い方向に行ってしまったような気がします。演出は、ラブシーンの名場面を幾つか作ろうと、かなり頑張っていたフシは見受けられましたが、肝心の脚本がコレでは努力も浮かばれません。お当てのアンですら、彼女の魅力という点で、「プラダ」「レイチェルの結婚」はもちろん、最近再見した「パッセンジャーズ」にも遠く及ばない。やっぱキレイだな~って素直に思えたのは、友人の結婚式のシーンでのチャイナドレス姿くらい。う~ん・・・こんなはずじゃなかったのに・・・。なんだか全てにおいて中途半端でもったいない映画ですね。平均点以上を献上できるのはレイチェル・ポートマンの音楽のみ。ファンとしては、そろそろアンに「これだっ!」っていう決定的な代表作となるような作品に主演してもらいたいです。 [映画館(字幕)] 5点(2012-06-27 00:30:04)(良:2票) |
4. 私が、生きる肌
《ネタバレ》 アルモドバル監督がこしらえる映画は、ある意味厄介だ。毎回自らの「インモラル許容度」がいかばかりなのかを、鑑賞中画面を通して監督からずっと推し量られているような気がして。この新作の変態度指数も相当なもの。ポスターは白く顔を覆われ瞳を見開く、それはそれは美しいヒロインと、横には思いっきり濃ゆいバンデラス先生の真剣な表情。この図柄だけ見ても、何やら胸騒ぎがして禍々しい内容が予想される。てっきり往年のホラー映画の秀作「顔のない眼」(←必見!)のリメイクっぽいストーリーなのかと思い、ノコノコと観に行った私が浅はかでした(笑)いや、インモラル度が高いのは、VIVA♪変態!既にカミングアウト済な自分としては一向に構わないんですわ。問題はバンデラス先生の、「自己内省度」のあまりの低さは、主役として一体どうなんだろう?って苛立ってしまった事なんです。奥さんが「トラ男」に浮気されたのだって、娘が強姦されそうになったのだって、その悲しい顛末も含め、そもそもは自分の監督管理不行届も原因のひとつだったわけですよ。しかしこのお偉いエリート大先生は、自らに非があろうとは露ほども思わないようで、もっぱら他者を攻撃するのみ。人里離れた大邸宅でしたい放題やりたい三昧。「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール」「オール・アバウト~」でも、それなりに主役には共感できる部分もあったんですが、この傲慢バンデラス先生には、変態度指数に関してはともかく、流石についていけませんでした・・・。賛否両論でしょうな、これは。過去作も含め、こーゆー変態全開ストーリーを次々と紡ぎだしていく監督の思考回路がどーなっているのか、そっちの方が自分は興味がありますね。 [映画館(字幕)] 6点(2012-06-24 22:02:28)(笑:1票) |
5. WATARIDORI
公開時ドキュメンタリー好きな友人と映画館まで観に行きましたがねぇ・・・。途中からもう眠くって眠くって、睡魔と戦うのに必死でした。「映画イコールフィクションである」という観念が、自分のアタマん中では固まっているからなのかもしれません。黒い油にまみれたショットと、鳥が群れを成して空を跳んでいる姿しか記憶に残っていないですね。その友人とは、二度と一緒に映画館に行ってません。だって誘われる映画が、「アース」とか「ムーン」とか、そういう系統のドキュメンタリー映画ばかりなんだもん・・・。いくら鳥がすごい!鳥が美しい!って言われても、それだけ90分以上見せられても・・・。むしろ、ヒッチコック「鳥」のように、突然理由もなく人間を襲い始めたら、どんなに映画としては面白くなるだろうかと、そればっかり考えてましたね。多分ドキュメンタリー映画自体、自分には向いてないんでしょう。 [映画館(字幕)] 3点(2010-05-06 09:11:34) |
6. 私は殺される(1948)
《ネタバレ》 ビリー・ワイルダー監督「深夜の告白」での悪女っぷりにゾクゾクさせられたバーバラ・スタンウィックが、今度は被害者側を演じたサスペンス映画。回想シーンでの高慢勝気な社長令嬢、略奪愛で結ばれた年下の夫に捨てられかもしれないという恐れ、そして殺されるまでの恐怖と、殆どベッドの上でのみの難しい演技に終始する、彼女の一人舞台的自由自在演技を楽しむべき映画。演出もキメ細かく丁寧。その代わり強烈なサスペンスには乏しい。面白いと思ったのは、このヒロインの性格付け、かなり攻撃的で嫌~な女に描いている点。もちろんスタンウィックには可憐なだけのヒロインなど似合うはずもありませんが。バッドエンドにもかかわらず、タイトルにもなっている幕切れの台詞がグッド。夫役ランカスターはこの時代、まだ個性が定まっていない感じ。固定電話の混線状態って、今まで一度だけ経験したことあるけれど、この当時はよく起こる事だったのかな?携帯がここまで普及した現在ではもはや考えられない設定ですね。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-20 10:01:19)(良:1票) |
7. 私の中のあなた
《ネタバレ》 ええ、もちろん泣きましたとも!!この映画!!催涙度のみで言えば、今年ナンバーワンの作品かもしれません。常々自分の涙と下半身には節操なしだと思っているので、散々グシュグシュになりながらも、映画としての評価はこの点数にとどめさせて頂きます。要するに「泣ける」映画イコール、少なくとも僕にとって佳作止まりの「素晴しい傑作」にはならなかったわけで・・・。なんつーか・・・、ちゃんと真っ当な人生を歩まれている方には、絶対的に支持され、評価も高くなる作品ではないかと思います。わき道に逸れて、最早正規の軌道に戻し難い「非家庭的」人間にとっては、自分が欠落人間の烙印を押されてるみたいで、ポロポロ涙ぐみながらも、疎外感というか、終始非常に居心地が悪い気持ちを味わう結果に。主役キャメロンより、「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイルちゃんよりも、場をさらったのは長女ケイト役の少女の、まるで「菩薩」のようなぶ厚い唇。人生を達観した境地の人間の表情っていうのは、まさにこの映画のクライマックスの彼女みたいな表情なのではないんだろうか?すっかり肥えたアレック・ボールドウィンや、久しぶりに観たら、往年の大女優べティ・デイヴィスに面影が似てきたジョーン・キューザックら、大物脇役のキャラが結構深くまで掘り下げられているのに、肝心の父親と失語症の長男の描き方が少々喰い足りない。元弁護士という役柄はともかく、ご贔屓キャメロンの初の三児の母親役はなかなかサマになっていました。もういい加減、ルーティンなラブコメの主役は卒業して、こういう役柄にシフトしていった方が良いんじゃないかと思いますね。 [映画館(字幕)] 6点(2009-10-13 16:42:42)(良:1票) |
8. 惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!
再見するのに躊躇する映画のひとつ。リメイクの「スペースインベーダー」は未見。ガキの頃テレビの「冬休み子供劇場」で観て、トラウマになった映画。火星人がある小さな村に襲来し人間の肉体に侵食、次々と友達や大人が別人にされてしまうおハナシ。両親までが乗っ取られた少年の恐怖・・・みたいな内容でした。乗っ取られた後の人間の表情がとにかく不気味でしたね。宇宙研究所(?)みたいな場所に移動し火星人を退治する後半は腰砕けだった記憶があるけど、とにかく前半が怖かった。この手の映画にお詳しいなにわ君の採点が低いという事は、実はたいした事ない映画だったのかもしれない(笑)思い出は思い出のままにしておくべきか?この映画、あのスピルバーグが幼い頃影響を受けた映画っていうのは本当なのかな? [地上波(吹替)] 8点(2009-04-05 12:12:01) |
9. ワルキューレ
《ネタバレ》 テレビCMや予告編で盛んに喧伝されている「ワルキューレ作戦は10分」・・・。映画を実際観るとそこに至るまでより、計画が遂行されてから破綻するまでの人間ドラマの方が断然面白い。逆に序盤がいささか平坦な為退屈してしまった。クライマックスに向けグイグイと押しまくる演出は、やはり「ユージュアル・サスペクツ」の監督ならでは。どう転んでもアメリカ人にしか見えないトムクル氏が純ドイツ人将校というのは致命的なミスキャスト。ここはプロデュースに回って主演は別の人に回したほうが良かったのでは?トムのスター性と作品の硬派性とが、互いに反発し合ってちぐはぐな印象に。もちろんトムとしては生真面目に演じているのはわかるんですがね。同じナチスもの「ブラックブック」で正に体を張っていたトムクル妻役の女優さんが、今回はさして見せ場も演じどころもなかったのは、男性キャスト中心のこの物語では致し方なかったのかな?「大いなる陰謀」といいこれといい、トムクルは役柄の方向転換を懸命に図っていると思われるが今の所あまり結果は芳しくない。ナチス内幕ものとしては平均的な出来栄え。 [映画館(字幕)] 5点(2009-03-21 09:59:17)(良:1票) |
10. once ダブリンの街角で
《ネタバレ》 一時間半にも満たない小品、私が大の苦手とするストリートミュージシャンが主人公の映画では有りますが、これはなかなか面白かったです。アイルランドの首都ダブリンというあまり馴染みがない都市の風景、ヒロインがチェコからの移民という設定が巧く生かされています。特に好きなシーン二つ、徹夜明けのレコーディングの後で、躁状態のまんま皆で海岸に繰り出すシーン、あとヒロインが電池を買って夜道を帰って来るシーン。バスに乗っているお婆ちゃんとか、楽器屋の店員さんなんかのごく市井の人々の何気ない表情が巧く捉えられてましたね。ヒロインの家にいきなりズカズカと若い男達が上がりこんでくる場面はちょっと面食らいましたが(笑)流れる楽曲も自分好みの佳曲がズラリ。この監督の演出を半ば放棄してるのかと思わせつつ、観客をダレさせないタッチは結構好きかも。ラストのクレジットが流れて、初めて彼ら二人が『名無し』だった事に気付きました。人間は他人とのちょっとした出会いで生活を変えられる、この映画ってボーイ・ミーツ・ガールのごく普遍的なオハナシだったんだなあ・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-08-29 11:20:43)(良:1票) |
11. 私は二歳
劇中山本富士子が、飄々のほほんダンナの船越英二に向かって「あなたはエゴイスト」って言い放つシーンがあるんです。私はそれを聞きながら、この台詞はもしや監督夫人脚本家和田夏十が、実はダンナの市川監督に向けて言いたかった、強烈なアッパーカット的一言じゃないのかと深読みしてしまいました。というのも以前、女優有馬稲子著自伝「バラと痛恨の日々」を読んでいて、その中にこれは市川監督のことを書いたとしか思えない、エピソードの数々が記されているのを読んでいた為。もちろん人間にはいろいろな面があるのは当然で、読後も私の市川監督の映画監督としての評価はいささかも揺るぎはしないのですが。もし仮にそうだったとしたら和田夏十という女性恐るべし!・・・まあ、興味がある方はお読みください。さて映画ですが、岸田今日子やら渡辺美佐子やら曲者をほんのちょい役で使っていても、彼女たちの個性をひらめかせる巧みな演出が光ってましたね。赤ちゃんがビニールを被る事故後の、船越英二が二人がかりで責められるシーンが最高です。韓国映画のようにバタバタと無意味に人を死なせなくても、浦辺粂子おばあちゃんに不意に訪れた突然の死、これたったひとつだけでも充分に尊い「生」の意味は伝わってきましたね。これがこの年のキネマ旬報ベストワンという評価はちと高いかなあとは思うけど、観ていて気持ちの良い佳作に仕上がっていると思います。物心ついた頃、目覚めた時に山本富士子みたいな美人のお母さんが目の前にいたら、その後の私の女性観は大いに変わっっていたかも(笑) [DVD(邦画)] 7点(2008-04-18 18:56:34)(良:2票) |
12. 悪い種子
《ネタバレ》 映画史上三大極悪少女登場!!(ちなみに後の二人はオードリーの「噂の二人」と「いつも2人で」あくまで私見です)なまじっか主役の少女が梅図かずおのマンガに出てくるような、絵に描いたお下げ髪の金髪美少女なのがまた更にタチが悪い。元々は舞台で好評だった芝居の映画化。殆どのキャストがオリジナルそのまま引っ張ってきた方ばかりなので、生の舞台さながらの丁々発止の演技合戦が画面狭しとすさまじく展開されてます。だいぶ抑制はされているとは思われるが、皆さんかなり誇張された舞台的演技に終始。ハリウッドが誇る職人監督、マーヴィン・ルロイの腰の座ったおっとりした演出には好感が持てるが、映画化ならではの、ショッキングなシーンが幾つかあった方がより印象に残ったかもしれません。まあこの無邪気な残忍さを持った極悪少女の存在自体が十分ショッキングだけれど。役者たちの演技で最後まで緊張感が保たれているような感じ。そうかそうか・・・ハゲと殺人鬼の遺伝はやっぱ隔世遺伝なんだあ・・・。ラストの明るいカーテンコールで何とか救われるが、何かいやあな気分が残るのは致し方ない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-27 10:47:09) |
13. 忘れじの面影(1948)
《ネタバレ》 うむむむむ・・・。古き良き甘物モノクロ恋愛映画大好きな自分ですが、これは古典的というより、古めかしすぎやしないかあ・・・?例えプレイボーイの一夜限りの恋とはいえ、40年代ハリウッドきっての繊細薄幸憂愁美人、ジョーン・フォンテーンの面影を忘れてしまうって事があり得るんでしょうか?よくよく練られ、考えられたストーリーだとは思うんだけど、当時の美しすぎるジョーンをヒロインにした事で、逆に設定に若干無理が生じてしまってますね。それでも映画全体の雰囲気醸成は素晴らしく、特に遊園地のシーン等、忘れがたいシーンも幾つかあるのでこの点数で。ジョーン・フォンテーンって意外に主演作品数が少ないんですよね。ヒッチコック2作に、あとは「旅愁」と有名作品はこれ位?三度目のアカデミー賞の候補になった「永遠の処女」、ワイルダーの「皇帝円舞曲」も是非観てみたい。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-14 11:22:17) |
14. わが町(1956)
これまで大阪人を描いた作品では、同じく織田作氏原作『夫婦善哉』が最高作かと思ってましたが、これも浪花下町を舞台に笑いとペーソスが散りばめられた秀作に仕上がってます。川島監督独特の特異な感覚はここではやや陰を潜め、ロケーションを最大限に生かし、今のニッポンにおいてはもはや絶滅種と思われる、豪快に生きたある一人の浪花日本男児の一代記が綴られていきます。最初あまりにディープな大阪弁を聞き取るのが難しかったほど。この男の生き様をただただ肯定的に描くのではなく、後半孫娘(南田洋子←美しい!)に批判させる事で、人物像に奥行きが出て一本筋が通った作品になったのではないでしょうか。それより何よりも当時の大阪下町の町並み、風物、風景こそがこの映画の最大の魅力でしょう。主役のタアやん=辰巳柳太郎はじめ、隣のおっちゃんおばちゃんを演じる殿山泰司、北林谷栄等脇役もすこぶる充実。一般受けする大スターは出てないけど、巧いバイブレイヤーを使う事によって、温かな雰囲気が滲み出せたのは川島監督の手腕によるものかと思います。好きなシーン、町の写真屋の前で子供たちとマラソン大会の写真をみつめるシーン、あとは・・・、やっぱりラストのプラネタリウムの南十字星かなあ・・・。う~ん、また大阪行きたくなってきた・・・。 [映画館(邦画)] 8点(2007-07-14 13:02:43)(良:1票) |
15. 私は告白する
主役のローガン神父は、まさにモンゴメリー・クリフトに当てはめ、創造されたようなキャラクターですね。常に思索にふけり、懊悩している端正なマスクのこの神父役、当時全盛期を迎え内面的演技に磨きをかけていた、クリフトにはうってつけの役どころだったと思います。地味な題材ゆえに、ヒッチコックのフィルモグラフィーの中では特に黙殺されがちなこの映画、果たしてこの神父は教会の戒律をあくまで固守し、告白された罪を白日の下に晒す事はないのか?クリフトの一挙一動演技に真実味があるからこそ、クライマックスまで緊張感が保たれ心理的サスペンスの佳作として成り立った作品のような気がします。・・・ただクリフトファンのはしくれとしては、こういう陰性な役柄より陽性なクリフトの姿を映画でもっともっと観たかったっていうのが正直な気持ち。フレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』を観ると、コメディにも十分対応可能な役者だったような気がするんだけど・・・。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-21 13:52:13)(良:1票) |
16. 私をスキーに連れてって
このタイトルを見ると真っ先に思い出すのは、箪笥の奥に大事にしまっときたい位にカワイイ(←アブナイ)当時の知世ちゃんの「BANG!」でもなく、今ではすっかりサイコ系三上博史(←もしや日本のアンソニー・パーキンスかっ?)の翳りのない好青年ぶりでもなく、亡き沖田浩之の「とりあえず」でもなく、原田姉の妙に色っぽいスウィートボイスでもなく、「♪恋人はサーンコーン、背の高いサーンコーン、ニカラグアから来た~♪」嘉門達男氏のダミ声という私は皆さんと微妙に価値観がズレてるんでしょうか・・・? [映画館(邦画)] 7点(2007-03-12 11:09:47) |
17. ワールド・トレード・センター
《ネタバレ》 ん~?ん~??んん~???なんだか自分、この映画過剰に期待しすぎちゃったかもしれないですねぇ。勝手に己の中で先日公開された「ユナイテッド93」があくまで前座、こっちが9・11映画真打ちだと思いこんでたっていうのもあるんだけど・・・。映画的昂奮みたいなものが意外に稀薄で拍子抜けしてしまいました。もちろんあらかじめ事実というか、結末がどうなるのかっていうのはどちらの映画も知っていた上での鑑賞。地下からの必死の救出劇と、待機してる家族たちの想いっていうのは誇張なく見ごたえはあったんだけど、途中から「なんかこれ別に『ワールド・トレード・センター』じゃなくても良くねえ?」ってついつい余計な考えが頭から離れず・・・すみません!それにしてもマギー・ギレンホールって目元あたり弟のジェイクそっくりですね。 [映画館(字幕)] 4点(2006-10-07 15:16:47) |
18. 若草物語(1994)
マーチ夫人がスーザン・サランドンという事で、これまでの目立たない淑女的イメージとは違う破天荒な母親像になるのかと思ったら・・・意外に普通のお母さんでしたねW。この最新版の功績は、↓皆さん既に指摘されてますがローリー役にクリスチャン・ベールを持ってきた事でしょう! [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-25 11:28:25) |
19. 若草物語(1933)
《ネタバレ》 さすがに昔の映画好きの自分としても、ここまで時代が下がってしまうとキャサリン・ヘプバーン以外の、姉妹役女優さんの区別が全くつきませんW。最新ウィノナ版をリアルタイムで観た方が、49年度版マーヴィン・ルロイ監督バージョンを観た時に持つ印象と同じかもしれません。そんだけキャサリンの役者としての個性が突出しているとも言えますが・・・。何回も繰り返しリメイクされるだけあって、やっぱりストーリーはしっかりしてますよね。でも自分としては、何度も読み返してみたくなる、豪華見開き絵本みたいな49年度版がやっぱ一番好きだなあ・・・。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-25 11:16:13) |
20. ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
何か自分はこの映画の笑いのツボにあんまり乗り切れませんでしたね。当時の時局におもねたようなストーリー展開、ピリッとした風刺もそれほど効いていない感じ。まるでモンローの真似事をさせられてるような女優さんも、彼女のキャラクターに合っていないようで見ていて痛々しい。ワイルダーにはストーリー的にあまり大風呂敷を広げさせず、男と女が狭い中でガチャガチャワイワイ動いているような映画の方が合っているような気がします。ギャグニー氏の狂躁的マシンガントークにも、自分は最後までは付き合い切れませんでした。大傑作「アパ鍵」と「あな今」に挟まれた小品という評価に留めておきます。 [DVD(字幕)] 5点(2006-07-02 10:34:22) |