1. 惑星ソラリス
《ネタバレ》 タルコフスキーらしく何もしなくても、ものすごい作品になっている。ほんと彼の作品を見ていると想像力をかきたてられる。あのハンモックには何がいるのだろうとかみんなは何を創造してしまったのだろうかと見る者に想像させる。とはいっても見せるところはしっかり見せてくれる。生き物のように蠢くソラリスの海はとても美しく、感情を持ったハリーが液体酸素を飲み込み、再生するシーンは神懸り的で、バッハのコーラル・プレリュードに乗せ、重力の解けた部屋で抱き合い幻想に浸るシーンは荘厳でさえある。あの名作「禁断の惑星」をもっとリアルに哲学的に表現したようなSFらしくないSF巨編である。そして水の映像はどこまでも深く美しい。 [DVD(字幕)] 10点(2007-02-17 00:25:58) |