1. 室町無頼
《ネタバレ》 見終わって真っ先に思ったのは、こいつぁ昭和の頃によく作られたチャンバラ時代劇、ぽいな~でした。音楽然り、カット割り然り、極めつけは夕日を背に歩いてくる大泉洋たち然り。時代考証も一応はされてはいたみたいですが、もうそんなの関係ないくらいエンタメエンタメしまくりで、野暮なツッコミなんかいらぬお節介と思えてしまうほど、懐かしのチャンバラ時代劇を感じさせてくれました。で、最初に「ぽい」といったのは、あの頃の時代劇は勧善懲悪がほぼ主流だったけどこの映画は多少は勧善懲悪を本流としながらも、やや考えさせられる不変的な問いかけ要素も含んでいて、痛快なエンタメ映画にとどまっていなかったのと、それを象徴するかのような堤真一の存在が単純な憎たらしい悪役ではなかった点ですね。私利私欲ではなく揺るがない理念や信念を持って行動するタイプで、それでいて処世術で世渡りもするような、単純に善悪で割り切れるようなキャラではなかったです。まあ何となく中村主水みたいな、そんな感じでしょうか。 この映画の主演はもちろん大泉洋。彼のファンも大勢観に来るでしょう。がしかし、今回の大泉さん、あまり表情の変化がなく多彩な演技力をあまり感じられませんでした。主演とは言いつつもなんかそこまでぱっとしないんです。主人公ぽくないというか、困難や試練を苦労して乗り越えるようなこともなく、終始ひょうひょうとしているんです。だからどちらかといえば孤児の才蔵の方が主人公ぽくは感じられましたね。読んではいないけどもしかしたら原作小説は才蔵が主役なのかな?わからんけど。とにかくこの才蔵くんが努力して強く成長していく過程がまるで少年漫画のようで面白かったし、最後の大立ち回りも最高にイカしてました。ハッキリ言って大泉洋よりもめっちゃ強かったです(笑) 正直、もう少しコンパクトにまとめても良かったんじゃないかなとも。それと殺陣のシーンにもう少し迫力は欲しかったな。なので最初は及第点で5点くらいかな。て思いもしたんですが、チャンバラ時代劇がめっきり減って需要もあるのか分からぬこのご時世に、それでもこうやって作品として世に出してくれたことへの感謝と、作品から滲み出てくるチャンバラへの熱い愛をいやというほど感じ取れたのでプラス1点で6点にしました。あしからず。 追記:もしこれから鑑賞してみようかと思われているのなら、多少なりとも歴史を軽くかじっておくことをお勧めします。室町後期と応仁の乱あたりを中心に。私は知らない状態で鑑賞してしまったので知ってたらもう少し感じ方も違っていたかも...と後悔しちゃったので。はい。 [映画館(邦画)] 6点(2025-01-19 21:37:04) |
2. 呪呪呪 死者をあやつるもの
《ネタバレ》 韓国ドラマ「謗法 運命を変える方法」のその後を描いた映画です。ドラマがめっちゃ面白くってハマったので、ドラマ見終わってまだ旬 なうちに鑑賞しました。なのでスムーズにドラマから繋がりを感じられました。 一番最初に投稿された方も述べているように多分ドラマを観ていなくても十二分には楽しめるかとは思います。思いますがやっぱりドラマを観てからの方がより一層楽しめもします。それぞれのキャラ達の関係性を理解した上で観ることでより深い楽しさを得られます。 「謗法 運命を変える方法」の時はまだ幼さが感じられたチョン・ジソちゃんが、めっちゃ大人の色気を醸し出しちゃっててセクシー女優に!たった3年でこうも変わるとは...おじさんビックリ!! エンドロール後に登場する人物もまたドラマの中で重要な役割をしていた人で、まだ続編あるのか分からないけれどすごく興味が湧きました。「先生」て台詞...まさかあの人なのか!? 製薬会社に大量のゾンビが襲いに来るシーンは本当に圧巻でした。とにかく韓国エンタメ力の底力をこれでもかと見せつけられました。ほんとすごい。すごすぎます。 呪術師(謗法師)のソジンの登場が結構後半で、活躍シーンが少なかったのが残念でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-12 22:33:54) |
3. 怪物(2023)
《ネタバレ》 予告編だけの情報しかなかった時はもっと猟奇的な内容なのかと思ってました。実際に観てみたら全然違った。たしかにミステリーぽさはあるけれど、これはもう一つの純愛映画でしょう。同性愛に気付き始めてしまったまだ幼い男の子の純愛物語。私はそう捉えました。「怪物」ていうのは恐らくマイノリティを受け入れられない「偏見」への揶揄なのかな。または自分自身の中にある「嘘」に対するものかも。誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。誰にでも手に入るものを幸せって言う。この台詞こそが「怪物」に対しての宣戦布告なのでしょう。 物語は母親、教師、息子と、三人の視点によって進んでいきます。母親目線だった時は観客も「怪物」であるように仕掛けられて、教師目線でそこから少し距離を取れるようになり、最終的に息子の目線で全てが白日のもとにさらされて「怪物」から解放される。実に見事な編集です。 また一つとても良い映画に出会えました。ありがとうございました。 それとこれは余談ですが、安藤サクラさんの演技が個人的には一番、怪物、でした。ほんと、すごすぎです。 [インターネット(邦画)] 7点(2025-01-06 16:30:30) |
4. アナログ
《ネタバレ》 可もなく不可もない、いかにも日本人が好きそうな感じに作られた映画ですね。それとタイトルである「アナログ」が、思っていたほどではなかった。単純に有名なヴァイオリニストである事から身を潜めたいがために携帯を持っていなかっただけで、二宮くんと真剣にお付き合いしていこうと思った矢先にはしっかりと携帯電話購入してたからね。不便な交際をどれだけ楽しく見せてくれるのか。そこが一つの魅力だと思っていたけど、多少のピュア感はあっても結局不便さの方が目立ってしまっていた。もうちょっと不便さの中にあるささやかな幸せみたいな事にこだわって欲しかったかな。 二宮くんは別に悪い役者さんだとは思わないけれど、そこまで感情を揺さぶられることがないのが歯痒いです。一生懸命さは伝わるんだけどね。 余談ですが、劇中内での波留さんのファッションがとても素敵でした。 以上。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-01-05 22:41:24) |
5. Cloud クラウド
《ネタバレ》 いくらなんでもアウトレイジな展開はちょ~っとないんじゃないんか。この作品を通して言いたいことも分かるし、エンタメ要素が大事なのも分かる。でもね~、じゃあ実際にこれを主人公のような転売ヤーが観たとして辞めるとは思えないんですよね、転売を。鼻で笑われちゃうんじゃないかな。ないないないって。そもそも命の危険にさらされているのにオークション品を取りに自宅に戻るってありえないし、尊敬してない先輩だろうと頭下げて命乞いくらいはするだろうし、あそこまで心が無さ過ぎるのもやりすぎじゃないかな。まあだからこそ怪しい組織に目を付けられたのかもしれないし、恋人の秋子が死んで初めて人間らしさを見せるあそこのシーンが活きてくるんでしょうね。まあ心が痛まないからあんな転売が出来るっちゃ出来るのかも。ただな~もうちょっとリアリティのある復讐劇の方がゾッとできたかも。銃撃戦って怖くないんですよね。現実味も感じにくいし。特に一般人がそれをしちゃうとなおさらです。 劇中内に現れる様々な「?」に対して明確な答えを提示しない不気味さだけは良かったかな。得体の知れない不気味さはこの監督の持ち味ですね。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-01-05 10:16:26) |
6. PERFECT DAYS
《ネタバレ》 特にこれといってドラマチックな展開があるわけでなく、ただただ淡々と進んでいく。毎日同じことの繰り返し。休みの日もほぼ同じ。そんな決まったルーティーンの中にたま~に予期せぬ出来事が舞い降りてくる。その時にチラッと現れる普段とは違う姿。「人間」ていう生き物をここまで的確に、かつリアルに描ききった演出にはただただ恐れ入りましたの一言です。多少の違いはあったとしても主人公平山は、ほぼごく普通に働いている人達の写鏡であり、わたしたちそのもの。何のために生きているのかふと疑問に思うこともあるかもしれないけれど、そんな哲学こそ日々の中に潜んでいて、それを心地良く感じながら共存していくことが完璧な日々、パーフェクトデイズなのかも...。 寡黙な作品ではあるけれど、その実、多くのことを語っている作品でもありますね。 主人公の職業をトイレ掃除に設定したのは恐らく、汚いものを綺麗にすることで心が浄化されていく...そんな意味合いがあったのかな。 ちょっと脱線しますがよくその会社が優良企業かどうかはトイレを見ればわかる、という話を耳にしたことがありますが、たしかにそうかもって思った。だってトイレって一番汚れる場所だし綺麗にしてもまた汚れる。だったらそこまで丁寧に掃除しなくても...ていう考えにもなるし、どうせ従業員しか使わないならそんなに気を使うこともない...てなってそこまで掃除しなくなる。つまり会社のために働いてくれている従業員の人たちに対するリスペクトの気持ちがそこまでない会社、てことになっちゃいますよね。気持ちよく働いてもらいたいっていう気がない。そんな会社を優良企業とは言えないですよね。 不特定多数の人たちの使う公衆トイレを綺麗にするのって、そう考えると縁の下の優良企業であって、自分自身を誇れる事の出来る仕事でもあるんじゃないかと。はい。 ただ一つだけ難点を言わせてもらえるならば、平山の担当する公衆トイレが最新式でめっちゃお洒落で綺麗な点かな。そこがなんか救われている気がしちゃって、誰もやりたがらない嫌な仕事に見えにくくなっちゃってるかも。まああれか、世界に日本のトイレの「美」を見せたかった狙いがあったのかもしれませんね。だから芸術性はアップしてますね確実に。リアルに汚いトイレを見せるよりは。 この映画を観て私自身の中の汚れも多少は綺麗になれた気がします。良い映画をありがとうごいました。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-01-02 08:52:43)(良:1票) |
7. シャザム!~神々の怒り~
《ネタバレ》 前作よりもパワーアップして見応え十分な、ザ・マンガ!なエンタメ映画でした。ただ今作ではもうすぐ18歳になるという主人公の少年。ガキっぽい所が本作の魅力であることは分かっちゃあいるんですけど、ちょ~っとガキすぎませんかね~。てかこれでまた2、3年後に続編てなったらもう成人じゃん。さすがに今のようにはいかなくなるんじゃ・・・まあ実年齢と精神年齢が釣り合わない人なんていっぱいいるけれど、う~む・・・実際に原作のアメコミではどうなってるんだろう・・・。 ワンダーウーマン登場か!! てオイ!魔術師かい!! て先にやっておいてのまさかの最後の最後にご本人登場とは・・・ニクイ演出です。 主人公以外がシャザムの力を奪われて孤軍奮闘の展開になるけれど、まるで日本のアニメや漫画のようで親近感を感じた。胸アツですね。 スーパーパワーの力を戻したい人!て問いに義理のお父さんも手を挙げてたけど、ヒーローになったのかな?め~~~っちゃ気になる~~~(笑) この作品、1作目も今作も、「家族」というテーマが根底にあるのがシリーズとして筋が通っていて気持ち良いし、派手なアクションを絡めながら観客を飽きさせずにテンポよく進めながらそのテーマをしっかりと描ききっているのが素晴らしいですね。前作は人間の家族で今回は神の家族。はてさて、3作目は・・・。 [インターネット(吹替)] 6点(2024-12-16 19:24:04) |
8. シビル・ウォー アメリカ最後の日
《ネタバレ》 観る前に思っていたのは、なぜ内戦になったのか?その根底な部分を歴史や政治などを交えながら紐解いていく、そんなドキュメンタリータッチな映画かと思ってました。ところがいざ観てみたら、一人の半人前な報道カメラマンの女の子が、幾多の修羅場をくぐり抜けて、いっぱしの報道カメラマンへと成長する物語だったとは・・・いや~思ってたのとは違いましたが、これはこれでなかなか見応えがありました。 私が撃たれたらその瞬間を撮る?て問いかけたその半人前のカメラマンが、憧れだった先輩カメラマンが撃たれた瞬間、躊躇なくシャッターを切り続けるまでに成長しちゃう、それほどまでに過酷な世界での対応力、順応力のすごさがこの映画の本性だったんですね。恐ろしい映画です。 実際問題もしも本当に内戦が起きた場合、まず株価は暴落しますよね。次に産業の停止。法や秩序の崩壊。日常生活が機能しなくなり、略奪や暴力。でもそんな中でも人間らしさを失いたくないという集団も。この映画ではその二つを見せてくれてるのがリアリティがあってぞっとしました。内戦=戦争でありつつも、「ウオーキングデッド」さながらの無秩序な暴力な世界もあって、むしろ兵士どうしの戦場よりもそっちの方が怖かったです。銃社会だからこその恐怖ですね。 ただ一つ気になったのは、そこまでアメリカの軍の現状を知らないので何とも言えないんですが、大統領サイドの正規軍、圧倒的に強そうなイメージなんですけど、説明ないけど反乱して離脱した兵や隊もあった、て勝手に補足すればいいのかな?こういうところを事細かに描いてたら3時間近くいっちゃうかも(汗) 最後に、射殺した大統領を囲んで笑顔な兵士たちの写真でエンドロールを迎えますが、この写真をキッカケに半人前だった女の子は一躍トップ報道カメラマンへとなっていくんでしょうね。そしてまた次世代の若手カメラマンが現れて・・・。歴史は繰り返す。そういうことかな。 「アメリカの内戦」そのものは結局はただの「舞台」でしかなかったわけで、その点ではそれが見たかったのに!てなるのはやむなしですね。まあでも私自身は1本の映画としては良かったと思えたのでこの点数にしました。あしからず。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-12 15:50:49) |
9. ルックバック
《ネタバレ》 元の原作はネットで読んでたことがありました。でも最後どうなるかとかは明確に覚えてなかったです。元の原作漫画自体がとても良く出来ててめっちゃ感動した、てことは覚えていたので鑑賞前からすでに高評価は間違いなしだったけど、本当にそうだった。てか原作漫画読まずにこのアニメだけ観てたらもっと違った感動だったんだろうな~...まあでも本当に素晴らしい作品です。 とにかく主人公藤野の心境の変化が本当に素晴らしい。自分より絵の上手い京本の存在を知って努力し始める。しかし努力しても適わないと努力を諦める。しかしその京本から実は先生と崇められていたことを知りまた努力し始める。それも二人で...。この一連の流れが思春期の時期とリンクしてより一層そこに、青春。としての輝きを放つ。漫画制作という傍からはじみ~に見える世界なのにとてもキラキラと輝いて見える。二人の、二人だけの世界が本当に純粋で美しい。だからこそその京本が、離れ離れでも存在していた京本が、突然この世界から消えてしまう喪失感は、心を半分もぎ取られたみたいでいたたまれない。藤野が外の世界に連れ出した自分のせいだと責めるけど、そうしないと息をすることさえままならない。悲しすぎるけどそれでも京本が昔描いた4コマ漫画を読んで、漫画の魅力を、自分が漫画が好きだということを、二人で歩んできたあの大切な日々を、思い起こさせてくれる。言葉や台詞はなくとも表情だけで心境の変化を表現して見せてくれる演出には本当に脱帽です。素晴らしすぎます。 藤野が小学生の時に描く4コマ漫画が、いかにも小学生が描きそうな漫画すぎてその内容がもう優勝です(笑) [インターネット(邦画)] 7点(2024-12-02 17:18:05) |
10. THE FIRST SLAM DUNK
《ネタバレ》 原作漫画は当時リアタイで読んでました。読んだのは当時のその時だけ。なので最終的にどう終わったかまではハッキリと覚えていなかったです。ただなんとなく全国大会のトーナメント中のとある試合で全力出し切って、次の試合でボロ負けをした、というのは覚えてはいたんですが、それが漫画原作の方だったのか、アニメ版の方だったのか記憶が曖昧になってしまっていました。で、劇場版を観る前にテレビ版をアマプラで見返してみました。すると!アニメ版はその全国大会に行く前で終わっていたことに気付きました。なのでこのファーストはテレビアニメの続きであり、原作漫画の最後の試合が描かれるていうことなんだとわかりました。 と、ここまでが本編を観る前の下準備。得てきた情報も予告編のみ。さあいざ出陣! ん?おや?あれ?始まってしばらくしてこの映画ってひょっとして主人公はリョータ?そうなの?て困惑。でもまあこういったアプローチの仕方も別に否定はしない。新しいものを見せてくれなら。でもね、やっぱり自分の中にある「スラムダンク」て花道なわけで、青春スポーツコメディなんですよ。新しいものへの期待はそりゃああったけど、父が死んで次に兄が死んでって、昭和のお涙頂戴かよ!てなってしまって、自分が好きな「スラムダンク」とはなんか違う場所にある要素がいきなりなだれ込んで来ちゃったからもう大困惑ですわ。まあでもこの映画って脚本も監督も原作者である井上雄彦さんがやられているから、こんな「スラムダンク」も描きたかったってことなんですね。原作漫画やアニメのあの感じのままやっても意味ないと、そういうことなのかな。 これを投稿する前に他の方のレビューには目を通していないので皆さんにどう評価されているかは分からないけれど、勝手に想像すると半々か、賛成・肯定派の方が7割くらい多いかな。わからんけど。では自分はどうだったのか?見終わってみて思ったのは確かに昭和のお涙頂戴ではあったかもしれないけれど、それでも原作者の井上先生が描きたかった、見せたかった新しい「スラムダンク」はたしかにそこにあったし、主人公であるリョータも今まで見てきたリョータと何ら変わらず、さらに奥深さが増した。結果これはこれでアリてなりました。ただ100%の完全肯定ではないですが。 アニメ版を見終わってからそんなに間を開けずに鑑賞したから、どうしても声優の違いには違和感を感じずにはいられませんでしたね。これは仕方ないです。それと花道のあの独特のおバカなノリを、超キレイなアニメで見せられちゃうのも変な感じではありました。 とにかくあっちこっち、モブまでもずっと動いているからすっげえアニメだな~て感心しまくり。こういうのこそまさに映画!て思えますね。 メインとなる山王戦。前半はそうでもなかったけれど後半に入ってからの山王の圧倒的な強さが目立ち出し、湘北大ピンチ!な展開はやっぱり引き込まれちゃいますよね。結果は知っていても湘北頑張れ!て自然と応援しちゃってました。やっぱピンチからの追い上げは胸熱です! 全編CGで声優も変わっててシリアスな部分もあったけど、それでもなんだかんだで「スラムダンク」の正式な完結(たぶんw)をこうやって観れたことには素直に感謝しかないですし、主人公を変えちゃうという斬新さもスピンオフとして捉えれば別に問題はない。あと対戦相手の山王の沢北が神社でのお願い事に対して「敗北」がそれだったことのあの演出はこの映画の中で1番好きなシーンでした。てへ。 蛇足:花道の悪友たちが応援席でペットボトルをドンドン叩くアレ。アレって原作でも山王戦の時はやってなかったのか?アレ好きなんですよね。それだけw [ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-27 21:59:37) |
11. ミステリと言う勿れ
《ネタバレ》 原作は未読でテレビは全話観ています。めっちゃ好きなので劇場版には少なからず不安はありました。だって劇場版にした途端急にお金をかけて無駄に派手にしたり、ウケ狙い的な要素を詰め込んで本来の持ち味を台無しにしたり、今まで多くのヒットしたドラマの失敗した劇場版を観てきたから...。でもその不安は見事に吹き飛ばされました。これは傑作です!実に面白かった!遺産相続争いのまま話が進んでいくのかと思いきや、途中から全く違う展開になっていくからまんまとしてやられちゃいましたね。そして主人公整くんの観察力のすごさが相変わらず冴え渡っていて、それが伏線回収されていくのは毎度のことながら(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!てなっちゃいます。ただ今回の真犯人の彼はあの登場人物の中でとても分かりやすい立ち位置にいたから、薄々彼じゃないかっていうのはバレバレでそこまで、(;`Д´)<お゙お゙!お゙お゙!とまではならなかったけど。 あと最後の石のプレゼント。正直あれはヒロインのだけで良かったんじゃないかと。他の兄弟の分は端折っても問題なかったかなって。 汐路役の原菜乃華ちゃん。なかなか良かったです。内に秘めた闇を隠して大げさに芝居をする芝居が、なんともいえず物悲しさに包まれていて、哀愁もあり健気さもあり、ヒロイン汐路そのものでした。ほんと、素晴らしかったです。 自分の才能に気付いて夢を諦めた汐路に、気付いたってことはそれは上達するチャンスなんですって整くん言ってたけど、そういう自分も色々な夢、才能ないからって全部諦めちゃってたからあの台詞はものすごく刺さりました。もっと早く整くんに出会えてたら...(^_^;) 最後に我路くんの所に1枚の写真が届くけれど、汐路ちゃんがマフラーを巻いていたのがニクかったですね(*⌒―⌒*) なかなか良くできた脚本で素晴らしかったんですが、どうしても映画的な感じがしなくて、撮影、編集、照明、音楽、どれもみなテレビ感拭えないので、7点に近い6点ということで。はい。 原作は読んでいないのでわからないけれど最終的には整くんと我路くんの、最終決戦!になるのかな?ドラマにせよ映画にせよ、映像化希望です。はい。非常に観たいです。お願いします。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-27 13:34:14) |
12. すずめの戸締まり
《ネタバレ》 映画公開から約2年。やっと観れた~。その間この映画に関する情報は予告編のみ。なので細かい内容や設定は全く知らず出来る限り真っ新な状態で観れた。観る前に思っていたのは、あの髪の長い青年は扉の向こう側から来た別世界の人間なのかと。でもごく普通...いや違うけどこっち側の人間だったんですね。そんな彼、草太に淡い恋心を抱きはじめるヒロイン鈴芽の心の変化の表現が、この監督のセンスの良さなのか、嫌味のないごく自然な感じでそうなっていくのが本当にお見事で、相手がただイケメンだからとかそういった感情だけでないところも憎めないです。 人々の記憶から消え始めてる廃墟から、天変地異を引き起こす災いが出てくるていう設定はとても良いと思った。そういった場所って負のオーラが溜まりそうだし、色んな場所にありそうだから。ただ御茶ノ水のあそこだけはなんか違うよな気がした。あそこってなに? 震災で母を失った少女が成長し、今度は震災を止めるための手助けをする。なるほど、そういうことなんですね。 ダイジンが実は空いてしまった扉に鈴芽たちを誘導していた、ていうことらしんだけど、じゃあ東京にあった要石は誰がどかしたんだろう?ちょっとそういう細かな所わからなすぎる...。その東京の要石がサダイジンでいいのかな?で、そのサダイジンはなんで叔母のたまきにとり憑いたようになって本音をぶちまけさせたの?でも最終的にはなんか味方みたいになってるし、もうその辺の整理が全然追いつけませんでした。 旅の途中で出会った人たちに帰りにまた会ってお礼をするシーンは好きですね。粋です。 焼きうどんにポテサラは真似しそう。自分はカレーライスにポテサラはたまにやります。 あと見終わって思ったのはこの作品の聖地巡礼って、大変そう~でしたw [ブルーレイ(邦画)] 6点(2024-11-25 21:45:20) |
13. マッドマックス:フュリオサ
《ネタバレ》 もしかして初なんじゃなかろうか。マックスの出ない「マッドマックス」て(笑) そして今までのようなシンプルなマッドマックス映画じゃなくって、ちょっと複雑に入り組んだドラマ仕立てになっているのがすっごく良かった。主人公フュリオサの2転3転する展開には、本当にグイグイと引き込まれました。なんだよジョージの旦那、こんな複雑で粋なお話も手掛けられるんじゃん(´∀`) よく前日譚ものでアレはこうしてこうなったからです、てあるけれどそれらの大概が取って付けた感じが否めずもうちょっと上手いこと描いて欲しかったな、てなること多かったけれど、この映画でのフュリオサの左手の義手とか全然自然で無理のない展開だった。てか「怒りのデスロード」のフュリオサのことをそこまで明確に覚えてなかったから鑑賞後に確認して、ああ!てなったんだけどね(^_^;) やっぱり体を張った生身のアクションを堪能させてくれるのは、な~んにもない場所が最適ですね。周りに何もないからこそアクションのみがクローズアップされて迫力が増すし、スタントマンの命懸けのアクションもめっちゃ映える! クリス・ヘムズワースの悪役は、とにかく顔が優しすぎるからそこまで憎々しく見えないんだけど、なんていうか逆にそれがあの世界でもそういった人物でさえ生き残るためになんだってやらなきゃならないという、ステレオタイプじゃない悪役像を生み出していて面白いです。後生大事にしているぬいぐるみが、死んだ娘さんのだって語られるシーンがあって、父親としての愛情の深さが垣間見れるし、幼きフュリオサを内心では死んだ娘と照らし合わせていたのかもしれないですね。なんかガモーラを養女にしたサノスみたい。 主演のアニャ・テイラー=ジョイちゃん。マジであの眼力は凄すぎます。あの眼力だけで物語の半分は語れちゃってるんじゃないかしら。そして、汚れやペイントのないお顔になった時のなんともまぁお美しいことお美しいこと...惚れ惚れしちゃいます(〃▽〃) 観た後に気付いたけれどこの映画上映時間約2時間30分もあったのね。全然長いって感じませんでしたよ。鑑賞前にコーヒー飲んだから途中でトイレタイム来るかと思ってたら結局来ないまま一気に見終わっちゃいました。それだけ面白かったってこと。 前作の「怒りのデスロード」正直薄らとしか覚えていなかったんですが、逆にそれが功を奏してフュリオサというキャラを新鮮に見れることが出来た。だからもしこれからこの映画を観ようと思ってて、前作をおさらいしようとしているなら止めたほうがいいかもしれません。その方が先の結末や顛末を思い描かず真新しく見れますから。 とにかく本当に最高な映画でした。ありがとうジョージの旦那(*⌒―⌒*) [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-11-24 21:29:10) |
14. 劇場版 SPY×FAMILY CODE: White
《ネタバレ》 「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」みたく映画だからの特別感は特に感じられず、まあまあいいところ、テレビスペシャル版の様相を醸し出している。端的に言えばつまらないわけではないけどこれを、映画、としていいものかは甚だ疑問です。 とにかくお互い正体がバレずに素性を隠し通すのが本作の面白さであり売りであって、テレビシリーズではそれが非常に丁寧にコミカルに描かれていた、がしかし!いくらなんでもアーニャが軍に連れ去られたからって戦闘機に普通に乗る、医者、なんておかしいし、飛行中の軍用飛行船にやってきたただの公務員もおかしすぎる。百歩譲ってヨルさんは天然キャラだからそれくらいのことでは怪しいとは思わないにしても、頭脳明晰なロイドに至ってはあのヨルさんの行動をスルーするのは不自然すぎます。劇場版だからと、派手に豪勢に大盤振る舞いした見返りが、まさかの本質を見失ってしまう結果になろうとは...脚本の段階で気付かなかったのかな? それと女スパイの「とばり」とヨルはテレビシリーズで面識があるのに、特にめっちゃ変装しているわけでもない「とばり」を知らいない人としているのにはやや疑問符が残りました。 あとヨルさんの正装であるあの殺し屋スタイルがOPのみというのはファンとしては寂しすぎます。てか相手がいかにも弱そうなターゲットを始末する描写は一時殺しに対して疑問を抱いたヨルさんを知ってしまった側として、痛々しく見えちゃいますね。最後にサイボーグみたいなやつと戦うけれど、取ってつけたような敵すぎてなんの感情も湧いてきませんでした。炎でやられるっていうのもなんかつまらなすぎました。 大好きな作品ですがやはり「映画」としての点数はこうなります。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2024-11-24 07:26:02) |
15. マイ・エレメント
《ネタバレ》 すごく良かった。悪役も陰謀も策略もない、家族の物語。エレメントという世界を借りて、現代社会への風刺にも見える脚本や演出はお見事。偏見や差別、逆境を乗り越えて生まれる深い愛ほど美しいものはないですね。また伏線となっている泣かせるゲームとか、水をレンズに仕立てて火を起こすところとか、アイデアもしっかりあって素晴らしかったです。それぞれの家族の描き方が対照的なのもなんか手垢が付きすぎた設定かもしれないけれど、それでもそういったことをド直球でやられるとかえって清々しくって気分がいいです。エンドロールでお互いの家族の交流の場面があったのにはホッコリさせられました。 ただ実に良い作品ではあるのだけれども、ピクサーにしてはサブキャラたちの個性や活躍があまりなかったのはわざとなのか、そうじゃないのかはわからないけれど、そこはちょっと物足りなさを感じてしまいました。 ぜひ続編を作って欲しいです。 [インターネット(吹替)] 7点(2024-11-18 20:10:32) |
16. グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
《ネタバレ》 前評判が良かったのでちょっと期待しちゃいましたね。たしかに悪くはなかったんだけど、そこまで言うほどのものかとも。約2時間30分と長い上映時間にも関わらず飽きることなく最後まで観れたことは評価したい。そして映像は圧倒的で文句のつけようはないし、役者さんたちもみな素晴らしかった。特にデンゼル・ワシントンのひょうひょうとしたあの感じはさすがでした。ただなんていうか、クライマックスが近付くにつれて段々と尻つぼみしていく話そのものが、なんか面白みに欠けるというかスケールダウンしていくというか、とにかくもっと最後は大軍勢同士の激しい戦いで幕を下ろして欲しかったかな。ちょっと肩透かし感は否めなかったです。 そもそも前作の主人公のマキシマスと先の皇帝の長女との間にいつの間に子供なんていたんだ?前作にルシウスがマキシマスの子供だって分かるようなそんなシーンあったのか?...う~む...。それにマキシマスが前作で非道な皇帝を倒したのになんで息子を逃がさなきゃ行けないのかもちょっと説明不足。逃がさなきゃいけない経緯がよくわからなかった。なんであのまま皇帝の座につかせなかったのかも...。 次から次へと名のある人物、将軍や皇帝が殺されていっちゃうから、その時点で全体的に重みのない軽い感じになってしまっているようにも思える。で、元凶の大本であったデンゼル・ワシントンが警護もなにもなしで一人で一目散に逃げ出して行くからもうめっちゃ小者に見えちゃって、もう小者に成り下がってしまった奴を倒してもそこまで高揚感が湧き上がってこないんです。やっぱりラスボスは手強くてやっとの思いで倒してこそなんじゃないかな。まあ彼の最終目的は皇帝になることではなくローマを没落させることだったから、一人で逃げるのはわかるとしても、あそこまで綿密に事を遂行してきた慎重派がいくら予想外の出来事が起きたからって取り乱しすぎじゃないのかと。自分の味方となってくれる兵がいるのになんでわざわざリスクの高い1対1を選ぶのか?あれは完全に物語を終わらせるために選ばれた「演出」でしかなく、それが見えちゃうのがちょっと残念でした。 あとグラディエーターたちの指導員であり教育係みたいな彼。彼って別にそこまで憎たらしいわけでもなかったし、普通に任務を遂行してただけなのに、最後にあんな殺されかたされるなんてちょっとあんまりだよ~でした。 これは蛇足なんですが、劇中に「三途の川」と表現される場面があって、あれ?「三途の川」て仏教じゃないのか?なぜローマに?と思って鑑賞後に調べてみたら、「ステュクス川」という呼称で、あの世とこの世を渡っている川とされているそうです。宗教が違っても同じような思想なのが感慨深いです。 最後に総評として、何だかんだとダメ出し的なことも言ってはきたけれど、まあそれでも娯楽作品として気楽に観れるし映画ならではの迫力もあってまあまあではありました。はい。 [映画館(字幕)] 6点(2024-11-17 21:14:00) |
17. ヴェノム:ザ・ラストダンス
《ネタバレ》 ヴェノムは個人的に大好きなキャラなので、どうしてもそういった思い入れが先行してしまう。1作目はヴェノムになるまでちょっと時間がかかりすぎた感じがしたけど、それでもそこへと繋がるドラマ自体は悪くはなかった。つまり映画として及第点な出来だった。2作目は1作目で完成されたヴェノムが縦横無尽に暴れまわり、エディとの凸凹コンビの面白さにも磨きがかかり、元婚約者アンも加わることでさらに面白みが増した。しかし最終章となる今作は前2作と比べると正直ドラマとしての軸そのものがなんかピンとこないし、逃避行なのか何処に向かって何をしたいのか、なんだかしたいことそのものがボヤけてしまって入り込みにくかった。まず主人公であるエディの本職である記者としての役割がない。ただ追われて逃げるだけの人になってしまっている。元婚約者アンのような存在がいない。エディとヴェノムの凸凹コンビにツッコんだり叱咤激励したりする、そういった第三者がいなから、彼らだけでの漫才を見せられ続けても限界があるから飽きてきちゃう。UFO大好き家族との交流も、取って付けた感しかなくだから何?でしかなかった。最終的に謎な液体で溶けてしまうんだけど、あの液体そのものの存在や説明がイマイチなので感動的なラストになるはずなのに、やや置いてけぼりされてしまったみたいになってしまった。 完全体になったらハンターに感知されちゃうって分かっているのに、ダンスシーンを見せたいがためなのかあのダンスシーンは興ざめでしたね。バカじゃないの、でした。ほんといらない。ああいうウケ丸出しのシーンは。 ラストに登場する大量のシンビオートは面白いことは面白いのだけれども、なんていうかただの物量作戦にしかなっておらず、もうちょっと個々の能力なり頭を使った戦い方などで工夫して欲しかったな。唯一カミナリシンビオートだけが個性を発揮していたけど、ひょっとして彼女が今後のヴェノムとして活躍していくのかな? 前作でトム・ホランドをチラ見せしておいて結局絡みはないのね。まあ裏事情は知らないけれど、とにかく映画は製作者のためじゃなく映画ファンのためだってことをまず分かってほしいです。事情はどうあれ面白いものをお願いします。 あ、先にも言いましたがヴェノム大好きなのですいません、点数は甘めです(^_^;) [映画館(字幕)] 5点(2024-11-07 06:18:05) |
18. 十一人の賊軍
《ネタバレ》 日本の時代劇ものでド派手なアクション時代劇ってなんか久々な気がして、鑑賞前はかなり期待しちゃってました。でもここに出てくる十一人は全員が剣術使いや格闘のプロっていうわけではないので、実際に中心になって戦うのは半分くらい。なのでやや物足りなさは感じられた。それとほんの小さな閉鎖空間での少人数同士の戦いなので、スケールの小ささは否めませんでした。 ただそれでも次々と起こるトラブルの数々で、グイグイと引き込まれ飽きることなく最後まで観れました。 主人公の山田孝之が、終始どっちつかずな行動をするから主人公としての吸引力の弱さを感じてしまった。それでも最後の最後に仲間のために命を掛けるシーンだけはグッときた。ただな~...やっぱり遅すぎたかな~...。もうちょっと主人公と同調できてたらだいぶ評価も変わってたかも。良くも悪くも普通な人だから、状況次第でコロコロと態度が変わってしまうのはリアリティあってそれはそれでいいんですけどね。でもやっぱり主人公なんだからもうちょっと物語の中心でしっかりと立ち振舞ってはほしかったかも。正直他の登場人物たちの方がキャラ立ってたし、印象にも残りやすかったな。 この戦いそのものがただの時間稼ぎにしかすぎないから、なんかもうその時点で切なすぎる。実話を元にとのことだけど、どこまでがフィクションなのか気になる~。てかこれが実話ネタだっていうのは鑑賞後に知ったんだけどね。でも劇中にやたらといつどこでの説明がなされるから、ん?もしかして!とはなったけど。で、案の定だった。賊軍の中でおバカと女性だけが生き残るラストは、複雑化していく現代社会でも処世術のお手本的な意味合いも込められてるのかな。でも俺はあのおバカが最後に阿部サダヲをやっちゃうのかと思ってましたよ。でもやらなかったから生き残ったわけですもんね。 千原せいじはまだいい。女好きな坊主に見えるから。でもナダルは見えないんですよ。官軍の将に。イジられ芸人にしか見えない。 とにかく官軍との戦いだけでなく味方との戦いもあるから、緊張感は半端なくってヒリヒリとした空気感は映画館でしか味わえないものだった。 官軍と手を組むことが分かったのになぜその時点で敵として同盟軍は何もせず、首謀者の阿部サダヲの切腹だけで済ませようとしたのか、あそこだけどうしても理解が追いつけなかったです。はい。 藩士ではなく道場主の彼が最後に、自分が十一人目の賊軍だ!てなったけどなんか昔見た「宇宙からのメッセージ」を思い出しちゃった。てかその時点で賊軍て十人しかいなかったんだ~...のほうが強かった。正直そこまで人数あまり気にしてなかったしw まあでも、なんだかんだで面白かったです。はい。 [映画館(邦画)] 6点(2024-11-01 21:23:31) |
19. ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り
《ネタバレ》 それなりにお金の掛かったB級映画と思って鑑賞した。公開当時はなんとなく評判も良かったので、まあまあは期待しました。感想としては可もなく不可もなくといったところでしょうか。ずば抜けて魅力的なキャラがいるわけでもないし、ずば抜けてあっ!と言わせてくれるようなシーンもあるわけではない。ただそこそこな映像とアクションと笑いなんかをポテチ感覚で楽しむのみ。ただそんな中で唯一、デブのドラゴンは長い映画鑑賞人生で初めてお目にかかったのでとても新鮮でした。もうちょっとあのデブドラゴンとの絡みで何かアイデアがあれば良かったかも。惜しい...。 タイトルの「ダンジョンズ」と「ドラゴンズ」言うほど「ダンジョン」じゃないし「ドラゴン」も小さいの2匹とデブ1匹で呆気ない。 こんなこと言ったら元も子もないんだけど、キーラちゃんのあの姿を消せるネックレスさえあればいくらでもなんとかなりそうじゃない?て思えてしまう自分ってなんかな~です(^_^;) まあ肩の力を抜いて気楽に楽しむ映画なので、あれこれ言うのも野暮、ですね(*⌒―⌒*) [インターネット(字幕)] 5点(2024-10-31 12:46:16) |
20. ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ
《ネタバレ》 前作と同じようなことはしたくないと監督は言ったそうだ。製作会社もGOサインを出したという。たしかに映画製作はギャンブルだ。何が当たるかなんて分からない。有名俳優もいない低予算映画が大ヒットすることもあれば、超有名俳優をと多額の製作費を使って作った映画が大コケすることもある。だから今回のこの映画のチャレンジ精神には大いに敬意を評したい。 ただそれがうまくいったかどうかは別問題。はっきり言ってこの作品は前作で誕生させた「ジョーカー」をことごとく破壊したのだ。丁寧に丁寧に作り上げた「ジョーカー」をなかったことにしてしまった。確かにいくら人気キャラとはいえ犯罪者であることには変わりはない。だから英雄にするわけにもいかないし、有罪になってはい終わりでは味気無さ過ぎる。死んだか死んでないかみたいな曖昧な終わり方もあるけれど、監督はそれを良しとはしなかった。破壊したことが吉と出ることももちろんあるだろう。しかしながらこの「ジョーカー」はあまりにもそのカリスマ性が大きすぎるし、なによりも鑑賞前のジョーカーに対する熱量が半端なかったから、見終わった後には何も残っておらず、良い悪い以前に無気力になってしまった。そして段々とそこから脳裏に浮かんできたのは、じゃあ前作はなんだったの?でした。あれだけ手間暇かけてジョーカーを作り上げた意味って何?無かったことにする意味が正直わからないし、まさかとは思うけど皆さんいかなる理由があっても犯罪は決してダメです、な~んて言いたいわけでもなかろうに。とにかく好きだった前作を否定された気持ちになってしまいました。 それと新たな試みとしてミュージカル仕立てにしてあったけど、ミュージカル映画として観ても面白さはあまり感じられなかった。なんていうかこの曲のあそこのシーンは名シーンだよな、がまるで思い出せない。それほどまでにだからなんだったんだろうしかない。どうせただの幻想なんだからもっと派手にやれば良かったんじゃないかな。 ただそんな中でも唯一面白いな~と思えたのは、アメコミ原作は知らないけれど、自分が今まで観てきたジョーカーとハーレイの関係は、精神科医のハーレイがジョーカーに感化されてビランへと変貌していくけれど、この作品ではアーサーがハーレイに感化されてジョーカーへと変貌していくという、逆転の図式になっていたところ。そこは面白いな~て思えた。 でも結局アーサーは弱き者であり一介の囚人にしかすぎないわけで、調子に乗りすぎて監視員をおちょくったせいで暴行を受け、挙句の果てにジョーカー信者の囚人を死に追いやってしまう。それで自分は「ジョーカー」なんかじゃない、ただのアーサーなんだと思い知る。もう「ジョーカー」なんていらない。自分を愛してくれるハーレイと生まれてくる子供がいる。無事に刑期を終えて出所して穏やかな家庭を持とう。そう、「ジョーカー」はほんの気の迷いでしかなかったと。 ただね、そんなアーサーにラストチャンスが訪れるんです。「ジョーカー」を選択できるチャンスが。裁判所が破壊され信者が迎えにやって来て逃走できるチャンスが。そのまま無事に逃げおおせて、もう一度「ジョーカー」になることも出来たはずなんです。でもアーサーはそれを選ばなかった。選んだのはごく平凡な生活。ハーレイが待っていてくれるかもしれないと母親と住んでいたアパートへと向かう。たしかにハーレイはいた。しかし警官を従えて。ハーレイが愛したのはあくまでもジョーカー。アーサーには興味はない。 こうしてアーサーは「ジョーカー」とハーレイを失い、そして最後は命も失ってしまった。 ほんと、救いようのない映画です。救いのない映画は世には沢山ある。中には名作と呼ばれるモノだってある。この映画も人によっては名作になっているかもしれない。ただ現時点での私には、この映画に対して名作の冠は与えられないです。でももしかしたら時間が経つにつれて見方や考え方が変わってくるかもしれない。そういった映画は過去にたくさんあった。ひょっとしたら時代を先取りしすぎてしまったのかもしれない。この先改めて観る機会があって、その時の心境や色んな情報を得たことによって見方や評価が変わるかも知れない。ただそれはそれ。ここに付けさせてもらった点数は私の鑑賞ポリシーである、出来るだけあれこれ情報を得ずに真っ新な状態で観る、で観た結果の点数です。鑑賞後にまだここのサイトにこの映画の投稿欄がなかったので、その間に色々と情報を得たので、それを踏まえた上でのコメントになっていますことをどうかご理解ください。 先にも言いましたが挑戦することは素晴らしいと思う。チャレンジ精神大いに結構。ただ監督の想いと私の想いが現時点では相容れなかっただけです。はい。 [映画館(字幕)] 4点(2024-10-22 20:56:06) |