181. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 原作もテレビドラマも未見ですが、私的には最初から引き込まれたまま一気に見ることができて、面白かったし合格点ではあると思いました。阿部寛のキャラクターはややマンネリ化した感がしないでもないのですが。シリアスな題材をあくまでコミカルに描いてくれたので、昨今の暗い話ばかりのお先真っ暗な世の中で、さらに落ち込まずに済みました。バブルの頃だったら、もっと真面目に描けよなあ、と思ったかもしれませんけね。問題のソフトボールのシーンですけど、最初のやつは竹内結子の短パン姿を見せてくれた、サービスシーンとしても、エンディングのやつは確かに意味不明。日ごろの愚痴患者たちが田口先生に同情するシーンで=>エンディングメロディーならば、A級作品のままで終わったんじゃないかと思うのですが・・・ [ビデオ(邦画)] 6点(2010-10-04 19:33:09) |
182. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 そこそこ面白かったしテンポの良いサスペンス物として合格点はあげられるのですが・・・。だらだらと中だるみした映画にも閉口しますが、その対極にある超テンポの良い映画も見終わってみるとなんか味わいが感じられない、ということを証明した映画に仕上がってしまったようです。製作側のテンポ重視の姿勢は評価したいですし、見始めると一気に引き込まれはしたのですけど、なんか大統領暗殺の実況生中継ニュースを何度も見ているような感じでした。ソフトクリームのお譲ちゃんとか(なんで出て来たんだ?)黒人観光客はいらないからバーンズやテロリストたちの人物像何かをもう少し描いて奥行きを出すべきだったと思います。それからテロリスト側の計画なんですが、多くの人間を巻き込んで、司令部は皆殺しにするわ、影武者作戦の裏をかいて大統領を誘拐するわと、なんかめちゃくちゃ準備周到で緻密な計画を実行しておきながら、その一方で大統領を誘拐した後は、なんの準備も手立てもなくただ救急車でひたすら逃げるだけで、車がひっくり返っておしまいって、何というお粗末ぶり。もう少し脱出計画も真面目に考えろよなあ、とテロリストに突っ込みたくなりました。 本日(2019/09/11)再度地上波で鑑賞しましたが、過去に見た事すっかり忘れていて初めて見たのかと思いました。コメント内容は当時と変わらないです。テロリスト達の大統領誘拐までの計画の周到さに比べ、少女に情けを掛けた(用済みの兄弟を殺してしまう冷酷さなのに、少女は引き殺さずによけようとするのは、彼らにも多少なりとも両親が残されていると言いたいのでしょうか。)為に全ての計画がおじゃんになったというのは、ちょっと納得いかないものを感じました。 今回気付いたのですが、バーンズと大統領は近しい関係のシークレットサービスであれば、当然大統領が替え玉だと気が付くはずで、「おっさん誰?」てなことになっているのでは。 [地上波(吹替)] 6点(2010-09-11 16:34:45) |
183. 告白(2010)
《ネタバレ》 いやあ、面白かった、もう一度見たい、とか言うと人間性疑われそうな内容ですけど、でも正直、映画館にわざわざ見に行って良かったと思いました(たぶん地上波テレビでは放送されないでしょうから)。この映画の予想外のヒット(日経MJによれば、邦画ヒットの3大要素:①テレビ局とのコラボ、②ハッピーエンド、③イケメン男子が全くないのにヒットするのは驚きだそうです)は、現在の日本の世相を反映しているのではないでしょうか。高度経済成長時代なら、単なる悪趣味な映画で終わっていたかも。上辺だけの優しさや偽善、馬鹿丁寧さ(客を様付けで呼ぶ、お世話していないのに“いつもお世話になっております”等)、本音を隠して表面的には取り繕った明るさなどが氾濫する昨今の世の中で、主人公たちがかくも自己中心的、自己正当化的行動を繰り返すのをあからさまに、あっけらかんと見せつけられると、なんかむしろ爽快感すら感じてしまいます。こんなに自分本位に行動して人を殺しても後悔すらしなかったら人生さぞかし楽でいいだろうなあ、なーんてね。あの終わり方に異論はあると思いますが、それは森口先生に善性を期待するからではないでしょうか。そして私たちをその期待にミスリードするものは、松たか子が優秀な女優であるばかりではなく、個人的にも明るく聡明で育ちの良いことに起因しているのではないでしょうか。中島監督はこの役をできるのは彼女しかいないと切望したそうですが、役者さんは演技力ばかりではなく、その人の持つ個人的なイメージも大事なことだと感じました。このお話の中の森口先生は決して優秀な先生ではなく(クラスは崩壊状態)、子供たちに愛情を感じ熱心に指導しようという教育者としての資質を全く保持していない人物であり、そもそもこの映画は教育や命の大切さをテーマにした映画ではないと思います。 追記:NHKBSで放映されたのを改めてみて、劇中で語られる女子中学生が家族4人を毒殺したというルナシー事件。当時はまあフィクションの世界のお話と思って特に記憶に残っていませんでしたが、何年か前に佐世保や名古屋で起きた女子高生、女子大生による異様な殺人事件。その加害者が同級生などに毒物を飲ませた過去があるという話を聞いて、もしやこの映画に触発されたことはないのだろうかなどと思ってしまいました。大人でもかなりインパクトのある内容の映画なので、子供が見たらどう感じたのでしょうか。劇場公開時はPG13の規制がかかっていましたが、見ようと思えば誰でも見れたのでしょう。 [映画館(邦画)] 7点(2010-07-01 18:44:10)(良:1票) |
184. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 面白かったかと聞かれれば、素直にイエスですね。前半/後半と2度の犯人逮捕の場面で結構ハラハラ、ドキドキさせられました(最初の=現在の犯人逮捕が意外とあっけなかったんですが、そこから第二幕=過去の物語がスタート)。勿論、タイムマシン物につきものの、矛盾と疑問は満載で、最後まで多くの疑問が残ってしまい(現在から過去に物を送ってしまったら矛盾が起きるのは必定です)、ストレスを感じる向きもあるでしょうけど、映画それ自体がフィクションですから、矛盾点には目をつぶって単純に「デジャヴ」というテーマを楽しむしかありません。 [地上波(吹替)] 6点(2010-06-20 16:15:04) |
185. ザ・シューター/極大射程
《ネタバレ》 ここでの評価が意外と高いので多少期待はしましたが、ちょっと・・・というか、シュワルツネッガー映画の出来そこないみたいで、痛快感がなかったです。「要人暗殺+替え玉に仕立て上げられた男の逆襲」というパターンも随分見あきた気もしますし。オズワルド程度の男で十分だった替え玉を、ワイオミングで隠遁生活していた凄腕のスナイパーにしなければならなかった理由も納得しかねました。射程のすごさ以前の問題として、明るい湖の上から暗い小屋の中なんて真っ暗のはずで、ピンポイントで狙えるわけないのでは。しかもボートの上からなんて、あんたの祖先は那須与一ですか?ってつっこみたくなりますね。まあ複雑化してストレスのたまる世の中ですから、単純に銃で全て片づけるというのはある意味ちょっと憧れてしまうところはあります。 2021年12月追記 途中で何となく見覚えがあると思ったら11年前に観ていました。当時はややネガティブな 評価のようでしたが、今回観たところでは結構面白かったです。 確かに粗はあるのですが、今回はあまり気にはなりませんでした。年取って寛容になって しまったのかも。 最後の悪人皆殺しの場面ですが、通常はもっとじわじわといたぶりながら殺すところを 意外とあっさりと撃ち殺してしまったのが意外でした。大佐あたりはもう少し時間かけて 殺してほしかった、なあんて危ない人間の考えることですね。 [地上波(吹替)] 6点(2010-03-10 21:00:11) |
186. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 確かに面白いプロットでした。2日の夜に何をしていましたかと問われて、実際に母子で映画を見ていたならば、真実を疑われることもなく証言できますからね。堤さんも好演でした。但し、この映画の最大の欠点は、果たして石神さんは第二の殺人を犯す必要があったのだろうか、という点です。石神さんのアリバイ工作のためには第一の殺人の遺体が簡単に見つかってはいけないわけで、それゆえ死体を巧妙に隠しました。ならばそれで終わりではないのでしょうか。富樫はホームレス同然でしかも多額の借金を抱えて逃げ回っていたわけで、そういう男が消えてしまったからといって誰も捜索願などは出さないし、警察も死体がでなければ捜査を始めないでしょう。現に警察が殺人事件として捜査を開始したのは死体があったからです。石神さんが母子に恩を売りたかったのであれば、何も第二の殺人など犯さずにに、富樫の死体の隠滅をすれば目的は達せられたはずです。この点は映画が封切られた際に指摘はなかったのでしょうか? [ビデオ(邦画)] 6点(2009-12-30 16:03:32)(良:1票) |
187. 16ブロック
《ネタバレ》 まあ後味は悪くないし、弾が飛び交った割にはそんなに人も死ななかったし、テンポも良かったんですけど、ここでの評価が分かれたのは、毎度おなじみの家族から見放されたアル中のよれよれ刑事のキャラや、悪徳警官による警察組織腐敗のテーマにはもううんざりだったり、なーんだ「ガウントレット」の焼き直しじゃん、という失望感から来るものかもしれませんね。残念ながら私は後者でした。 ちなみに、事件の発端となった殺しを目撃され、ジャックに足を撃たれた刑事をみんなで始末してしまえば、あそこまで大ごとにならずに収拾できたので はないかと思います。エディが証言したとしても被疑者死亡で起訴はされず、死人に口なしで芋づる式に悪事がばれることもなくなりますから。 物事には状況に応じた発想の転換が必要なのです。さもないとこういう風に墓穴を掘ってしまいます的な教訓の映画でしょうか。 [地上波(吹替)] 6点(2009-11-23 13:06:49) |
188. アンダー・サスピション
《ネタバレ》 ここでの評価が微妙だったので、期待はせずに見たのですけど、非常に面白かったです。確かに、謎解きとして期待するばらば、ラストのあっけない幕切れに、それはないだろーと突っ込みたくなるし、もしたまたま真犯人が捕まらなけりゃ完全な冤罪事件だろう、とか感じるのは当然ですけど、心理劇と考えれば十分楽しめました。日本人の配役でリメイクしてほしいですね。ジーンハックマンの役どころを演じるのは難しいとは思いますけど。それにしてもあの奥さんは美人で魅力的でしたね。あんな奥さんに指一本触れることが出来なければ、旦那がやけ起こすのも分かるような気がします。 [地上波(吹替)] 7点(2009-11-14 21:17:49) |
189. 20世紀少年
《ネタバレ》 ここでの評価の低さを知っていたし、確か今回が2回目のテレビ放映だったので、 意外と冷静に、この作品の問題点を分析しながら見ることができました。少なく ともこの映画は、同窓会から始まって30年前の少年時代をフラッシュバックさせ ながら“ともだち”の謎を追って行くあたりは、結構おもしろかったし引き込ま れて行くものを感じました。 それぞれの人物の無邪気で楽しかった少年時代と現在の境遇の描写なんかも、最近 はやりの昭和に対するノスタルジー物を彷彿とさせるほのぼの感があって良かった と思います。 ただそれが話がだんだんと大きく荒唐無稽になって行くに従って、現実感を失って、 仮面ライダーやゴレンジャーの世界(決してこれらをけなしているわけではありません) に突入してしまう展開には、やはり失望せざるを得ませんでした(勿論こういう展開が 好きな人もいるでしょうから、あくまでも一般的な立場として)。原作は連載漫画だと いうことですので、人気が出るに従って、作者の思惑や出版社の意向などが入り混じって、 こういうお話になってしまったのでしょうか。 連載小説や漫画などは、一度世に出たら、もはや一人の作者の私有物ではなくなって (勿論、出版社の単なる金儲けの手段でもない)、次の展開を期待する多くの読者がいる “公共物”であることを製作者側はもっと考慮して、その期待を裏切らない最大限の配慮 をしてもらいたいものです。そういう意味で非常に残念な5点。 [地上波(邦画)] 5点(2009-08-23 00:36:12)(良:1票) |
190. フライト・オブ・フェニックス
《ネタバレ》 以前に見たのを忘れてテレビ放映の録画をしてしまったので見たのですが、何度見ても面白いですね、この映画。砂漠からの脱出とか孤立した場面での心理劇などのテーマは良くありがちなんですけど、飛行機から飛行機を作るというプロットが面白かった。ちょうど良いタイミングで盗賊が襲ってくるとかご都合主義的な点もありますけど、合格点はあげられると思いました。エリオットのキャラが光っていましたね。最後に模型飛行機の設計者だったというオチもなかなか。 [地上波(吹替)] 7点(2009-07-11 11:42:52) |
191. ゴーストシップ
《ネタバレ》 いやあ、面白いじゃないですか。ここのでの批評がボロクソなんで全く期待しなかったせいもあるかもしれませんけど、十分楽しめる娯楽作品だと思います。確かに、全てがサタンの陰謀、というのは芸がないのですが、その割にはプロットに無理がないし、サタンの手先のお兄さんも意外性があったし、それなりにサスペンスを感じられる考えられた筋書きだと思います。サダコのような個人的な恨みではなく、サタン様の意思ならば逆らえませんからね。そもそも、昨今の人類は、命は地球よりも重いとかおかしなことを言って(そうなら地球はとっくに人類の重さでブラックホール化している)、生きる権利ばかりを主張して、死ぬ義務を果たさなくなってしまいました。アフリカの飢えた子どもを救うのも大事でしょうけど、かつての発展途上国のいくつかが工業化しただけで、石油や穀物の高騰を引き起こしたのですから、世界各国が等しく発展して全人類の平均寿命が80歳以上になってしまったら、この地球はどうなるかは明らかなのです。そういう意味でサタン様の人間狩りは必要悪なのです、などと書いてしまいましたが、これはもしかして私もサタンの手先になってしまったのでしょうか。 [地上波(吹替)] 6点(2008-12-08 21:32:40) |
192. ユナイテッド93
《ネタバレ》 公開された当時は、もっと国粋的な宣伝映画色(先の戦時中に作成さてたような)が強いのではないかと思って敬遠したのですが、今回地上波で放映されて見た印象は大分違っていました。生存者がいないのでボイスレコーダーや地上との電話などに残った肉声によるあくまでも想像上のストーリーではあるものの、忠実に事実だけを伝えようとする姿勢はひしひしと伝わってきました。実際の時間経過とほぼ同じ流れで再現された内容は、不必要な過剰演出などを全てそぎ落として、息つく暇も与えない迫力ある内容に出来あがっており、好感が持てました。 尚、9.11のテロについては米国側の陰謀説も噂され、この映画に出てくるシーンなどでも当時そんなに簡単に空中で携帯が通じたのか、墜落した現場の状況から単純な墜落ではなかったのではないのかなど、今でも疑問は残っていますが、逆に考えると、当時この映画の通りのことが起こったのだとしたら、米国の防空能力、危機対処能力などに大いに問題があったということになります。米国が軍事大国だというのは大いなる幻想なのかもしれません。 [地上波(字幕)] 7点(2008-11-23 19:06:08) |
193. 幸福な食卓
《ネタバレ》 ここでの評価が高かったので見てみましたが、ほのぼのとしてすごく癒されました。若い頃の純な恋愛っていいですね。確かに、家族の絆を描いたにしろ、高校生の恋愛を描いたにしろどちらも中途半端で、家族の崩壊と再生がテーマであるならある意味では失敗作であるかもしれません。中原家もそんなに壊れているように見えないし。でもまあこれはこれでいいんじゃないんでしょうか。いい人ばかりの登場人物の中で、さくらは異質な存在でしたが、重要な役割を演じていましたね。彼女はこの頃からそれまでの可愛こちゃんキャラから転換していったのでしょうか。ちょっと不謹慎ではありますけど、ここの評の中で誰かが大浦君が早いタイミングで突然死んでしまうとか書かれていたので、いつ死ぬのか、いつ死ぬのか、ドキドキしながら見てしまいました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-10-11 21:14:27)(良:1票) |
194. キサラギ
面白かったです。公開当時に新聞の映画欄の評価が高かったのもうなずけます。いずれ舞台とかアメリカでリメイクされることになるのでは。お金をかけなくても、プロットと脚本次第ですばらしい映画が出来るのです。難を言うと、やはり皆さんが書いているように、最後の落ちですね。真相が分ってあのままやれやれで解散してしまうと、まさに「12人の怒れる男」になってしまうので、なんとかオリジナル性を出そうと色々と考えたのでしょうけど、もっと別の落ちが考えつかなかったのでしょうか。まさか続編を作ろうなんて考えてはいないのでしょうね。あと配役ですけど、みな好演ですけどテレビなど良く知ってる顔なので、盛り上がった場面でもいま一つ感情移入が難しかったです(塚地君はドランクのコントとかぶってしまったし)。小出恵介君はどことなくキムタクの若い頃に似ていました。 [地上波(邦画)] 7点(2008-08-16 17:04:44) |
195. 地下鉄(メトロ)に乗って
《ネタバレ》 追記 2022/10/11 最初観たのが民放でかなりカットされていたのですが、今回NHKBSでフルバージョンで観て 全体の流れがようやく分かって少しはこの映画の捉え方が変わりました。 この作品をSFやタイムスリップ物として期待するとはちゃめちゃな作りで批判的になるのは しょうがないところですね。 ある人物の過去の人生を語る場合には、主人公が知人を訪ね歩いて話を聞く、本人の残した 日記を読む、などが現実的ではありますが、もっと安易な方法として主人公が過去にタイム スリップしてしまうという方法があると思います。 この物語ではタイムスリップは、登場人物たちの過去の人生や関わりを説明する為の道具に すぎないということで(かなり乱暴でご都合主義的)、そこに突っ込みをいれてしまうとも うこの映画を楽しめなくなってしまうのではないでしょうか。 この映画はあくまでも父と息子の和解と再生を主体とした物語として捉えるべきなのでしょう。 ただそれにしても、みち子さんの自分殺しは必要だったのだろうか?真次と佐吉の話だけでは月 並みで花がないと思ってみち子の物語も付け加えたのでしょうか。父と息子の物語に社内不倫や 近親相姦はそぐわなかったのではないでしょうか。 野平先生は満州の戦闘シーンで登場した民間人と同じ人のようなのですが、彼はどのような役 割を果たしていたのでしょうか?昭一の実の父という話もあるようですが、よく見ると違うよ うです(もしそれなら昭一が死んだ時に野平先生と民江の間のやり取りがもっと描かれるべき でしょう)。民江がお焼香をあげる戦死した遺影の人物(東京帝大生?)が実の父親のようです。 などなど、物語自体にも不明な点は多くて、これらについては未だに理解不能です。 ただ不可解なものがあるゆえに奥深い(そう見える)作品になっているとも言えるでしょうが。 ちなみに自分は一時期新中野の近くに住んでいたことがあり、みち子さんのアパートから見える 丸の内線の車両基地が中野富士見町のものだと思って、あちこち探し回ったけど見つからなかった のですが、今回調べたらあれは茗荷谷の基地だったようですね。 (以下は初見の際のオリジナルコメント) ここでの批評がかなり厳しかったので、期待せずに見ましたが、まあ合格点はつけられると思いました。厳しい批評の方たちは、この作品をSFタイムスリップ物として期待したのかもしれませんが、実際にはノスタルジックなメルヘン物語ではないかと思います。ですから、あっちこっちに勝手にタイムスリップするのも、過去から現代に電話してしまうのも、目をつぶってあげましょう。親が若かった頃に戻って、人生を精一杯生きている姿を見てみたいというのは、多くの人が抱く心情ではないでしょうか。特に現在の親が風采があがらなかったり、不仲だったりすればなおさらのこと。ここの批評を読んで初めて、あの老先生が長男の実の父だったことが分りました(あの映画の中でどうすればそれを読み取れるのだろうか)。意外と筋書きは凝っているのですね。登場人物の年齢がおかしいという批判がありますが、43歳の主人公が30年前の東京オリンピックの年(64年)に最初にタイムスリップした、ということは、現代の設定が1994年ということになり(田園都市線が新玉川線と呼ばれていたのは1990年代)、みち子さんも65年に生まれたとして現在29歳でぎりぎりセーフではないかと思います。お時さんはちょっと若すぎるかもしれませんけど(あの時代では超高齢出産になります)。舞台となった丸ノ内線や新中野が結構現在の自分に関係のあるものばかりだったので、いつか自分も地下鉄で同じような経験をするのではないか、などとなんか人ごととは思えませんでした。 [地上波(邦画)] 6点(2008-06-10 22:16:54) |
196. 鉄人28号―白昼の残月
《ネタバレ》 鉄人28号の劇場版アニメだということで、どうせ蓄膿症の怪少年・正太郎が鉄人をこき使って、敵ロボットをぶち壊す、荒唐無稽なお話なんだろうな、と思いながらなんとなく見始めたのですけど、全く様子が違いました。子供の頃テレビで見た時は全く意識していませんでしたが、鉄人て旧日本軍の秘密兵器だったのですね。戦争の傷を引きづった人たちや再生されてゆく東京の街など(出来かけの東京タワーが印象的)、なんかノスタルジックで切なかったです。昭和に対する郷愁をテーマにした映画が最近いろいろ作られていますが、なんかこの映画が一番印象に残りました。映画興行の方は不振だったようですが(この内容では子どもたちは何がなにやら分らないでしょうし、私を含めて大人は「鉄人28号」の先入観から、劇場まで見にゆくことはないでしょうから予測はできたのではないかと思いますが)、監督がなぜこのような映画を今作ったのか、興味が湧きます。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2008-06-08 17:59:54) |
197. ハンテッド(2003)
《ネタバレ》 戦争で心を病んだ犯人、師弟対決、追跡劇、と前にどこかで見たようなプロットや場面ばかりという感じで新規な要素は少ない内容でしたが、その割には飽きることもなく、一気に見ることができました。二人の演技力もさることながら、プロットに新鮮味がなくても作り方次第では、このぐらいの映画は作れるということなのでしょう。最近は期待させておいて、監督の思い込みばかりが空回りしていて、表紙倒れなものが多いですから。 [地上波(吹替)] 6点(2008-06-08 17:34:25) |
198. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 思っていた以上に楽しめました。確かに、この作品は2度楽しめますね。文明を離れて暮らす人々の人間模様とホラーサスペンスとしての最後のオチまでの流れ。オチについてはなるほど、そう来ましたか、という感じで、いきなり現実に引き戻されはしましたが、悪い印象はなかったです。ところで、こういう「村」については、ノアの方舟や欧米のGated communityなどから発想を得て、ずいぶん前から私自身が現実問題として思い描いていたものであり、又、実際には実現は不可能でしょうから、せめて小説として世に出してみたいと思っていたものです。今から書いても、この作品のパクリになってしまうでしょうから、ある意味先を越された感じで残念ではあります。情報化革命などにより、文明が急速にかつ複雑に進歩する中で、人々の価値感の多様化、思ってもいないような恐ろしい犯罪やテロの多発、為政者による政策の不毛などによる世の中の不満の高まりなどにより、一部の心ある人たちの「囲い込み」行動というものはこれから必然的な流れとなって行くように思います。 [地上波(吹替)] 7点(2008-06-01 11:25:21) |
199. ペイチェック 消された記憶
《ネタバレ》 あまり期待しなかったからなのか、 意外と面白かったです。娯楽作品としては合格点だと 思います。 「未来の悪いことが予言できたら、人間は必ずそれを 阻止しようとするから、結果的に未来はどんどんと変 わってしまう」という矛盾は、言われてみると当然の ことだけども、なぜ今まで取り上げられなかったのか 不思議な気がします。 ただし、2時間という限られた時間枠にあまりにも多く の要素をつめこみ過ぎたので、全てが中途半端になって しまった感は否めません。 24時間のようなシリーズ物にして、20個アイテムを一つ につき1話ぐらいで作ったら良かったのかもしれません。 [地上波(吹替)] 6点(2008-03-20 22:27:11) |
200. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 前編最後で、いかれたお嬢ちゃんが出てくるは、死神がもう一匹現れるはで、こりゃあ後編はさぞはちゃめちゃなことになるのではないか、と危惧してましたけど、みごとにひっくり返されました。何人かの人が書いているように、続編が盛りあがった数少ない映画でした。ハリウッドあたりで作られていたら、ハリポタ級のヒット作品になっていたかもしれません。何となく現実味に乏しくゲームを見るような雰囲気の所も、人が次々と死ぬ割にはどぎつさが押さえられていて不快感を感じさせない効果があったように思います。ラストの1年後のシーンはもう少し工夫してほしかった。海砂は2度死神の目を得たことによって寿命が1/4になってしまったのだから80才=>40才=>20才ということで、月を思いながら安らかに死を向かえた、とかなんとか(不謹慎ではありますけど)。それにしても、前編の時にも感じたのですけど、Lはやっぱり物足りませんね。あの程度にしておかないと一般に受入れてもらえないという配慮なのかもしれませんけど、近所の変わり者のお兄ちゃん、ていう感じでした(Lのファンの人ごめんなんさい)。 [地上波(邦画)] 6点(2008-02-11 19:16:50) |