181. ジュリア
《ネタバレ》 フレッド・ジンネマンは苦手だけど「ジュリア」は凄く良い映画だと思う。 最初は執筆の日々に追われる日常を描いた恋愛映画でもあるし、後半はジンネマンらしいサスペンスフルな緊張が奔る。 特に列車内のシークエンスでジリジリと張り詰める緊張、ベルリンの食堂で再会する場面の鮮烈さ。彼女が乗る前に慌てて転ぶ瞬間からその緊張は始まる。煙草の煙にむせ、隣で音が聞こえる度にビクビクしてしまう様子。 ジンネマンの映画は常に孤独との戦い・恐怖・怒り。 それを劇中にぶちまけるリリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)の強烈さ! ウィリアム・ワイラーの作品に多数参加した事でも知られるリリアン。その容赦の無いシナリオには戦慄を覚えるほど唸るものが多い。特に「偽りの花園」は凄えぜ。 劇中でも煙草プカプカやりながらタイプライターを叩いて叩いて叩き、ゴミ箱を蹴るわタイプライターをムシャクシャして窓からぶん投げるわ、サンドをムシャムシャ食うわ、野郎にビンタを浴びせるわと絶えず何かにイライラしている。 そんな女を優しく受け止めるダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーツ)の存在も忘れられない。闇夜を静かに照らすように燃える焚き火、波の音、くゆらせた煙草の煙のように流し、なだめる。 そしてリリアンと深い友情を結んだジュリア。 映画では回想を含めミステリアスな存在で短い時間の登場だったが、実際は友情以上の感情も抱いた仲だっただろう。食事の後に仲良く踊ったり、ベッドで語らい合った以上の関係に。 リリアンにとってジュリアは古くからの友人であり、尊敬すべき師であり、女として愛してしまった掛け替えの無い女性でもある。 女たちは既に語り終えている。それを観客の前でグダグダやらずに、表情だけでその“時間”を感じさせてくれるのだ。役者陣の演技の素晴らしさもこの作品をより際立たせる。 ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイブ)といいリリアンといい、戦う女は何時の時代も美しい。 彼女たちは独りで戦うが、心の中には常に友の存在があった...たとえ死によって二人が永遠に別れようと、回想を通じて心の中に生きつづける友の魂は次の世代にも受け継がれていく。 「地上より永遠に」とはまた違った戦争の描き方。あの映画は波打ち際で抱き合う恋人たちの姿が忘れられないが、この作品も湖上のボートから見る曇り空がラストには美しい夕焼けとなって映る。 [DVD(字幕)] 8点(2015-02-27 15:52:21) |
182. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 この作品にはあらゆる“一瞬”が積み重ねられていく。 TVに映る同時多発テロの様子、戦争で腕を失った少女、義足の青年、棺に刻まれた気休めの勲章。 その一瞬だけ映る筈だったものが、戦友たちにとって一生消えない傷として刻まれていく。隣で体を失った仲間が楽しげに喋っている痛々しさ。五体満足でいる自分が申し訳なく思ってしまう辛さ。 それに幾度も響くドリルの音。日常では工具のドリルが、戦場では風穴を開けて人を殺す武器に使われる。ドリルの音を聞く度にそれを思い出さなきゃならない。 そういった拭いきれない傷跡が幾重にも心に刻まれ、戦場から帰った後もクリスの心を蝕む。 狩りや射的、訓練とは違う。疑わしきは女子供だろうが殺らなきゃ殺られるのだから。 でもそれ以上にゾッとしたものがある。 いつ死ぬか解らないのに、肝心のアメリカは兵士を何度も日常と戦場を行き来させる遠征という名のピクニック気分。兵士にしてもいつ敵に出くわすか解らない戦場で家族に電話をかけるような腑抜けっぷり。アメリカの怠慢がここに描かれ...ってそれをクリスあんたがやんのかよっ! 気持ちは解るよ。でもまさか二度も嫁に電話かけるとは思わねえよ。しかも二度目は戦闘中にだぜ?爆音や悲鳴を生で聞かされる嫁の気持ちにもなってみろよこの野郎。 軍服の前と後ろにドクロのマーク付けた男がそんな事してんだもん。こりゃ敵もクリスの事を悪魔呼ばわりしたくもなるわ。 夕飯振舞ってくれた人たちが床下にとんでもないものを隠していたり、 黒頭巾の狙撃手との撃ち合い(携帯を使って無言で黒頭巾の男に情報を入れる黒服の女性もイカす)、 死んだ男から子供が武器を拝借して撃とうとするのを見て「頼むからやめてくれっ!」と言ってクリスが吐きそうになるシーンよりも戦慄したよ。 それでも狙撃者同士の戦いはやっぱ燃えますよ。見えざる敵をどちらが先に見つけるか、ソイツを“見つけた”瞬間の緊張と高揚!大将首ぶん奪っても終わらない壮絶な銃撃戦、砂埃で視界が利かない中での死闘。 クリスは戦場から帰っても、消えない心の傷が元でいつ犯罪を起こしてしまうか、その矛先を家族に向けてしまうのではないのかという恐怖にも苛まれる。 そんなクリスが子供たちと西部劇ごっこという命を奪う真似事で遊んでいる姿は微笑ましくもあるし、とても悲しい姿に見えた。クリスは死ぬまで銃を片手に過ごしていたのだろうか。 [映画館(字幕)] 9点(2015-02-26 14:17:15)(良:1票) |
183. 魔女(1922)
《ネタバレ》 デンマークのベンヤミン・クリステンセンによる驚異的な作品。 今見れば恐怖はまったく無いだろう。終始ゆったりした展開で退屈に感じるかも知れない。ただその映像の凄さに酔えるか酔えないかだけだ。 冒頭からしばらく流れ続ける不気味な悪魔のイラストや解説。悪魔に対する歴史的考察は中々勉強になる。 そこからオムニバス形式で悪魔に取り憑かれた人間たちの狂乱の連続。 悪魔に誘われ犯されていく女性たち、サバトの醜悪な宴、気の触れた修道女たちの醜態・・・異様な光景の数々。 その異様さは何処かユーモアさえあるのではないだろうか。 特殊メイクによって作られた悪魔の造形も凄い。 魔女狩りや異端裁判といった中世の呪われた歴史も絡んでくる。 傑作だ。 [DVD(字幕)] 9点(2015-01-28 05:43:08) |
184. 港の女
《ネタバレ》 まずは、本作品のページ作成に御協力して下さいました総ての人に感謝してもしきれません。誠にありがとうございます!! 「港の女」は最初晴れた空から始まる。そこから雨季に入り雨が延々と降り始める。神父とサディ・トンプソンの“闘い”のゴングを打ち鳴らすように。 外は雨が降り始め、ホテルの中はトンプソンたちの乱痴気騒ぎ。最初12分はトンプソンたちの狂乱で笑わせてくれる。そして12分が過ぎ、いよいよ神父とミス・トンプソン最初の“闘い”が始まる。 熱烈な信仰者である神父は、自堕落で他人の迷惑も考えないトンプソンを放っておけない。彼は悪魔的に騒ぐトンプソンの心が病んでいると思ったのだろう。今にも二人の怒声が聞こえんばかりの迫力。 そんな神父を殴りつけるのはトンプソンを愛するオハラ軍曹。 粋な登場をしたオハラだが、この作品も粋な場面がいっぱいある。 煙草で“キス”する場面とか、雨が降りしきる中でトンプソンとオハラが会話するやり取りとか、オハラがトンプソンをおぶって走る場面とかユーモアもたっぷり。これらのシーンは「雨」でも描かれていた。 特に雨どい?でウォルシュと会話を交わすスワンソンの表情が色っぽくて可愛いのなんのって。 しかしあのアルバム写真はなんなんだよ。首の取って付けた感じが酷い(笑)…その直後にオハラの元に届く“手紙”との温度差。 オハラが中々トンプソンの元に来れなくなると、今度はデヴィッドソン神父がちょくちょく来るようになる。神父はトンプソンを“善人”にしようと彼女に働きかけ続ける。 しかしどんな手もトンプソンには通じない。物凄い剣幕で神父を罵るシーンの凄味といったら! しかし神父も“奥の手”を使ってくる。コレには流石のトンプソンもタジタジ。さっきまであれだけ喰ってかかっていた彼女の狼狽振り。 トンプソンは厚化粧を止め、髪もおろして“おしとよかな”女性に変貌。デヴィッドソン神父もまた、そんな彼女の生まれ変わった姿を見てすっかり彼女に“惚れてしまった”ような素振りを見せる。 そして、自分の役目が終わった事も悟っただろう。彼はトンプソンと“最期”の会話を交わす…。 どうやらこの部分のフィルムは失われてしまっているようだ。フィルムはスチール写真と字幕のみで語られていく。終盤の大部分のフィルムも失われてしまっているのか。うーむ、ラストのフィルムが残っていないのが惜しまれる。 [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2015-01-28 05:40:11) |
185. 雨に唄えば
《ネタバレ》 ミュージカルって甘ったるいメロドラマや悠長な歌で退屈してしまう映画が多いが、この作品はとにかく踊って踊って踊る面白さ! ジーン・ケリーやドナルド・オコナーの物凄いダンス、デビー・レイノルズのパワフルな歌声。何気に暗黒街の情婦役でシド・チャリシーも出てんだね。「バンド・ワゴン」のチャリシーは凄えぜ。 ジーン・ケリーが剣戟映画のような動きをする場面は、自身も出演したジョージ・シドニーの「三銃士」へのオマージュがあるそうだ。 スケート靴で街を走り抜けるシーンが良い例だ。雨が振るなら土砂降りの中でも歌い続ける!そういう腹の底からエネルギーが沸き立つ作品だぜ。「雨に唄えば」の旋律が心地良い。 物語はサイレントからトーキーに移り変わろうとする時代。 「ジャズ・シンガー」のエピソードや、サイレント作品を無理やりトーキーにしようとする話はハワード・ヒューズの「地獄の天使」辺りのエピソードだろうか。 ジーン・ヘイゲン演じるリナは、サイレントという「温床」で悪声でも問題なかった時代の終焉を物語る。 「ハリウッド・レビュー」の“悪声オンパレード”で一体何人の俳優が地の底に堕ちていった事か。 舞台出身で声は問題なかったキートン等も、サイレント時代のイメージと合わないというだけで姿を消していってしまう。 サイレント時代の終わりは、同時に舞台でセリフやダンスを磨き上げた叩き上げのトーキー(喋る)役者たちの時代の到来。 ボードヴィル等で活躍したジェームズ・キャグニーやポール・ムニといった語りで魅せる役者たちのな。 そういうストーリーがあるが、終盤の華麗なダンスの数々はセリフが無くとも圧巻なサイレントの「魅せる」演出。それが面白い。美しい映像だ。 ジョージ・ラフトもどきが何人も出るのがまた楽しい。 キャシーが表舞台に出るラストは感動的だけど、リナはちょっと可哀想だなあ・・・なんて。 それにしても、ジーン・ヘイゲンは本当に名演。 ジーン・ヘイゲンの事を甲高いオバサンくらいに思っている人は、ジョン・ヒューストンの「アスファルト・ジャングル」を見てみると良い。低いトーンの女性らしい声なのだから。これが本来の彼女の声。 本当は上手いのに、ワザと下手なフリをするというのは簡単に出来る芸当じゃない。正しく彼女は女優です。 [DVD(字幕)] 10点(2015-01-21 19:55:39)(良:2票) |
186. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 「キングコング」に並ぶ怪獣映画の最高峰。それをデジタル・リマスターの美しさと音響で味わえる感動。 真っ黒い体躯、珊瑚礁のような背びれ、放射能を吐く怪獣「ゴジラ」。 日本に古くから伝わる伝承と、当時問題となっていた水爆実験を「怪獣」として具現化したのだ。 もしまた原爆が落ちれば、国会議事堂も、子供を抱きかかえた母親も何もかも全て吹き飛ぶ。 ゴジラの破壊は、正にそんな意味合いも持ち合わせている。 ストーリー全体はゆっくりゆっくり進む。 まるでゴジラが徐々に近づくように。 戦闘機の模型などはお粗末な物だが、実際に人が入り動くゴジラは本当に生きているかのような迫力を感じる。 水爆実験で揺り起こされたゴジラを食い止めようと苦悩する人間たち。 この人間ドラマも重要になって来る。 ゴジラに踏み潰されるだけが人ではない。 その圧倒的な恐怖にどう立ち向かい、どう打ち勝つか。 生物学者としてゴジラを調べたいという山根博士、 人類の驚異としてゴジラと戦おうとする尾形、 ゴジラを滅ぼせる兵器を作り出してしまった事に苦悩する芹沢。 原爆の惨状から生き残った事をほのめかす人々、 そして毎回ゴジラの熱線で散々な目に遭う事を義務付けられているような自衛隊! 懲りろ!! 人類が勝つか、ゴジラが勝つか、あるいわ一緒に戦うか・・・以後何十年に渡るゴジラとの戦いの歴史が始まる。 ゴジラもまた孤独・・・。 [DVD(邦画)] 9点(2015-01-21 19:25:23)(良:1票) |
187. 風(1928)
《ネタバレ》 この作品のリリアン・ギッシュはとにかく可愛いく、美しく、怖い。 列車からはじまるファーストシーン。外は猛烈な風が吹き荒れ、ちょっとでも窓を開けようものなら風がビュッーと砂を撒き散らして人々に襲い掛かる。 列車におけるレティとロディの出会い、 レティを迎えに来た兄のビバリーとお爺さん。奥さんが牛の解体をする傍らレティとコーラの子供たちはとても仲良く遊ぶ。あたしがこんな仕事をやっているって時にこの女は…とでも言いたげな表情。だからってそんな血まみれの手じゃ子供じゃなくたって驚くわ。 ダンスパーティー、レティを誘惑するロディの再登場、コーラの嫉妬の爆発、そこにサイクロン(竜巻)まで来る。避難所が常設されている辺り頻繁に来るのだろう。西部劇で竜巻に襲われる作品は貴重。幸いな事に竜巻で被害は出なかったが、レティが悩む度に画面に映される風は絶えない。 レティはコーラの虐めに耐えかねて家を出る。そして何を思ったか近くに住む荒くれ者のライジと婚約。ライジは喜んでレティを受け入れるが、レティはまだライジに心を許す覚悟をしていなかった。衣服を脱ごうとするレティ、ライジは既に夫になっているので遠慮はしない、レティはまだ恥ずかし気な様子。いやもうちょっと遠慮しろよライジ…抱きしめる時もちゃっかり胸に腕を回しやがって(終盤)。 ライジは不器用ながらもレティの夫になろうと努力するが、心が中々通じない事に苛立ちを募らせる。レティもまた吹き止まない砂嵐で徐々に神経をすり減らしていく。 二人の心が通じ合わず距離が開いた様子を足だけで伝える。レティは太陽が照りつける熱さ、砂嵐に怯えてどんどん神経をすり減らす。めまいがし、風で家が揺れ、窓ガラスが割れ、その衝撃でランプが倒れて火が付く!火の熱か音かレティは正気に戻って慌てて火を消す。もう彼女の精神状態は限界。そんな時に再びレティの前に姿を現す衰弱したロディ。それを運んできたのは兄のビバリーとお爺さんだった。ビバリーもお爺さんも去ってしまい、回復したロディはレティを再び誘惑する。レティは相次ぐ風、幻影、好色漢のショックで気を失ってしまう。 翌朝。嵐は去るが風は依然強いまま。レティは昨夜の出来事を思い出し、去ろうとするロディに向って…。ここからが怖い。埋めた筈の者が風によって砂の中から顔を出す瞬間…ゾッとする場面。男が扉を開け、レティに向う…! [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2015-01-19 18:30:03) |
188. 近松物語
《ネタバレ》 太鼓の連打で始まる冒頭、店先の混沌から始まる物語。それぞれの仕事に打ち込む男女、劇中人物にとって変わらない日常の風景。それが金をめぐり周辺人物を巻き込みんで人々の運命を狂わせていく。 京都御所の絵巻を任されるほどの大経師である以春。御所との違法な取引、若妻をはべらせ女中にまで手を出す。女の胸元ではなく袖の方から手を入れるエロ親父。 その以春に半ば強引な形で妻にされた女性おさん。 以春に次ぐ発言権を持つ彼女だが好きでもない男に芽生える筈も無い愛情、自分を嫁に出した家族への複雑な気持ちで満たされぬ日々。 うら若き彼女は以春の下で働く絵師である茂兵衛の若さに惹かれる。その茂兵衛は既にお玉という女性と婚約を誓う仲。 お玉と親しい間柄でもある彼女は二人を見守ろうと思いつつもどかしさに悶える。 中盤の逃走劇、逃げ出した後を物語る扉、闇夜の水面に浮かぶ船の中で激しく抱き合う二人。一度は覚悟した“死”を引き止める“言葉”。 「愛しています」・・・普通ならどうとない言葉、だが自分を立場でなく一人の人間として尽くす心を理解した女にとって何物にも代え難い生きた言葉となる。死ぬのは嫌だ生きていたいと揺れる船の上で激しく抱き合う二人。 「今更何をおっしゃいます」っておまえが「好き」だなんて言うからだろうがまったく。二人は絆を深めるように幾度となく抱き合う。髪を乱し、愛故に逃げる男を愛故に声をあげ追いかける女。心臓の鼓動の如く轟く太鼓。 だが愛していた筈の男からその言葉を聞けなかった女はただただ辛い。残され生きながらえるよりいっそ一緒に心中しようと言われた方がどんなに気が楽だったろう。 逃げた男の父親・女の母親も相当辛い。そんな二人を怒りながらも助けてしまう親心。だが逃げる男女二人も本気だ。 「もう“奉公人”やない!あたしの“旦那”さんや」 終盤の怒涛の追い込み、愛する女のために戻ってくる男、どうせ捕まるならテメエも道連れだ以春。冒頭の栄え具合と終盤の落ちぶれ振りの対比。 ラストで手を繋ぎ、幸せそうな顔で“あの場所”に向かう二人。どんな形であれ一緒に結ばれた事に満足した顔。本当は悲しいはずなんだが、この場面からは充足感が伝わって来る。上から罪人を見るように映されるロングショットは街の人々の視点、下から哀しき恋人たちを映すロングショットは店の仲間たちの視線。 [DVD(邦画)] 10点(2015-01-16 22:06:57)(良:1票) |
189. ミニミニ大作戦(2003)
《ネタバレ》 ピーター・コリンソンの「The Italian Job」も洒落た逸品だったが、俺はF・ゲイリー・グレイの「Italian Job」の方が好きだ。 冒頭の金塊を奪うまでのシークエンス。階の違う得物をピンポイントで奪い去る緊張、裏切り、犠牲。ヴェネチアでの水上チェイス! 冒頭から穴という穴に得物を追い込んでいく。 その後に出会う凄腕の“娘”。小さくて可愛いミニ・クーパーSやアストンマーチン・V12ヴァンキッシュといった車が市街や地下鉄、下水道を縦横無尽に駆け巡るカーチェイス。 「マネーボール」やクリストファー・ノーランの傑作群の撮影を担当したウォーリー・フィスターのカメラワークを見よ! 小さな穴という穴を飛び越えるような楽しさ。それを追跡するバイクやヘリとのおにごっこ。 得物を狙うチームの絆も魅力的。ドイツもコイツも楽しそうな顔でマシンを走らせやがる。流石「交渉人」の監督だぜ。 [DVD(字幕)] 9点(2015-01-15 16:56:14) |
190. 麦秋(1951)
《ネタバレ》 紀子三部作の中では「麥秋」が一番面白いと思った。 「麥秋」は誰も死なないコメディ調で原節子のノーブラ乳首。これが戦前なら偉そうなクソ検閲官どもがカットしろだの上映禁止だのイチャモン付けてくる場合もあっただろうけど、戦後は誰がどうしようが自由。今まで抑圧されてきた時代が、戦後の原節子のノーブラによって終焉を意味してもいると思う。ましてアメリカではまだヘイズ・コードやプレ・コードが幅を利かせていた時代である。 黒澤も「わが青春に悔いなし(1946)」で原節子がビーチク(ry いやあ良い時代になったなあ(意味不明)。 本作は小津映画でも珍しくラストのクレーン・ショットで田園風景を捉えたシーンが小津らしくなくて凄い好き。 このシーンを含め美味そうに飯を飲み食いする食事シーンの多さ(ケーキが物凄い食べたくなる)、浜辺の開放的なショットや港でショボくれる子供たちの姿、空に天高く飛んでいく風船の様子など見ていて気持ちの良い場面ばかり。 他の紀子三部作で感じた人工的な人物造詣の気持ち悪さもこの作品はそれほど強くない。 そりゃあ、冒頭は子守唄みたいに音楽が響くし会話の不自然さも時折あったが、ギャグをかます場面はその不自然さが逆にプラスになっていたと思う。 なんせ配役でアレとコレが兄妹というのも無理がありすぎてギャグでやっているとしか思えない(原節子と並ぶ笠智衆が黒髪というのも謎の違和感)。 この映画の原節子はすげえ呑気だし、女性陣の掛け合いは思わず噴出してしまう。どんだけ「ねーねーねー」と言うんじゃ。クッソ、こんなしょうもないやり取りで笑ってしまうとは・・・w 他の作品に比べると祖父や孫、家族の仲は凄く良い感じ。「大嫌いだよ」もただのツンデレに聞こえる。からかわれるのをちょっと楽しんでいるようにも見える。 戦後の小津映画で最も女優が色っぽい小津作品の一つじゃないだろうか。 自然なメイクの原節子は元より(他の小津映画にあった気味悪さをこの作品では余り感じなかった)、三宅邦子の豊満な尻や淡島千景の可愛らしさもそそ(ry ゲフンゲフンッ つうかローアングルのショットに盗撮めいた執念を感じる。変態カメラマンが(褒め言葉)。 [DVD(邦画)] 8点(2015-01-15 16:54:38) |
191. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 ま、アレですよ。 原作の終わり方に納得できなかった俺は、断然コッチ派。 いやね、二部も捨て難いと思うのよ。ハル・リドナーのお●ぱいとかおっ●いとかおっぱ(ry 原作のシャワー中に銃つき付けられても余裕なハルが素敵やないですか)何の話だ)。 中坊の頃は良かった・・・この映画のおかげで漫画もアニメも見た感じ。 ちょっとボサボサ頭のキラがカッコイイと思ったし、 Lの冷静沈着な性格だけど甘党というギャップも好きだった。 「天国に一番近い男」で“龍崎”になっていたワタリさんとかとにかく色々。 原作に佐波さんが出なくてちょっぴり残念だったりするんだぜ。 まさか「ガメラ」の監督とは知らなかったよ。通りで面白いワケだ。 何より、Lがキラを騙す展開がカッコイイ。 どうせ差別化するならおもいっきり、しかも面白くしてくれて良かったと思う。 総一郎とLの“最後”の会話は何度見ても切ない。 [DVD(邦画)] 9点(2015-01-06 18:35:01) |
192. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 今となっては「オール・ユー・ニード・イズ・キル」がダグ・リーマンの最高傑作だと思うし、「ボーン」シリーズも「アルティメイタム」が頂点だがこの作品もかなり好き。 スリルとサスペンスに満ちた久々のスパイ・アクション映画。 子供の頃はモチロンこの映画を見たのだが、再見するまで内容をまったく覚えていなかった。 取り敢えず男が記憶失って暴れて逃げてリコールして・・・それ「トータル・リコール」じゃねえか。 そして再見してみた。 スゲー面白かった。 つうかこんな面白い映画を忘却していた俺の記憶力ふざけんじゃねえよ! 記憶=アイデンティティー(存在意義)を求めてひたすら彷徨うジェイソン・ボーン。 記憶は失っても体は「戦い」を覚えている。「体の記憶」と闘争本能が結びついていく様子が面白い。 次から次に謎と伏線がバラまかれる展開。 多彩な戦闘やド迫力のカーチェイスよりもそっちの方が気になってしまう。でも「スプレマシー」はカーチェイスの方が凄かったと思う。 謎を残したまま終わるラストも良かった。 [DVD(字幕)] 9点(2015-01-06 18:30:50) |
193. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 「アルティメイタム」ほどじゃないが、この作品もカーチェイスとかが凄い。「アイデンティティー」に比べるとカメラの揺れ具合が増して酔いそう。俺はこういう演出が大嫌いなのだが、何故だが「ボーン」シリーズだと許してしまえる不思議。 しかし感想は「アルティメイタム」と比べるとテキトーな殴り書きになる私です。 ノンストップ・スパイ・アクション「ボーン」シリーズ。 「俺の友達だが知らないか?不幸に見舞われてな」これからオメーが不幸にすんだろーが。 「選択の余地はあるわ」→水没 ヒロインの「例のアレ」は最早お約束。 ボーンは結局死神なのか? 過去との決別、思い出は写真一枚の中に・・・捨てきれぬ愛情がボーンの強みであり弱み。 「彼を拘束しろ!」→瞬殺→首になりたくなかったら頑張んなさい。 ボーン速すぎバロス。 手ブレも慣れてくると「ブレでごまかしてんじゃねえよ!」→「CG無しの迫力パネー」となる(筈) ナイフvs冊子! 冊子は導火線でもあるんだぜ?アクションもカーチェイスもやっぱり凄い。 もう怖いもの無し。余裕で顔見せ。 パメラ「ぐぬぬ」 次は笑顔でピースとかしそうな勢いだ。 ボーンも必死だ。 ニッキー&パメラ「マリーって誰だよ!!?」 「おまえに安住の地は無い!」 だったらテメエらの安住の地も無くしてやらあ!逃げるが勝ちじゃあああっ! 殺し屋がポリ公? ボーン「同じような髪型しやがって・・・被る」 事故は起こる。恐ロシア。 ボーン「君は疲れている」 物語は「アルティメイタム」に続く・・・。 [DVD(字幕)] 9点(2015-01-06 18:26:37) |
194. 戦争・はだかの兵隊
《ネタバレ》 まずは、記事の作成に御協力して下さった鱗歌さんに感謝、感謝ですっ! マリオ・モニチェリによる傑作戦争コメディ。 ニーノ・ロータの穏やかで何処か哀しさもある音楽が印象的。 舞台は第一次大戦。徴兵検査から訓練、一時の平和から一気に戦争へと突っ込んでいく内容。 徴兵をちょろまかそうとするが騙されて結局軍人となってしまう前科者のジョバンニ、 ジョバンニを騙して金をくすねたが紆余曲折を経て相棒となる衛生兵のオレステのデコボココンビ。 物語はどんどんシリアスになっていくが、ところどころに転がるギャグでクスクス笑ってしまう。 くすねた煙草をくすねた相手に勧めたり、列車の上での追いかけっこ、手榴弾のインク、ドアでのやり取り、特にジョバンニとコンスタンチーナの“再会”シーンは爆笑。 そもそもイタリア人がノリノリでナンパしているだけでも笑ってしまう。ドサクサにまぎれて人妻の胸を揉むなよ・・・w ニワトリの件も和んだ。 だが、戦争となるとシリアスだ。 爆弾に火を付ける作業は怖かったし、鉄条網を伏せて不意を付いたり、食事中の敵兵を撃たなきゃならない辛さ、ボロボロの兵士たちを見て歓迎パレードが葬式の通夜のように静まり返る場面、遠くで閃光が飛び交い味方が焼かれているというようなシーンは凄かった。D.W.グリフィスの「國民の創生」を思い出した。 戦いは冬から春へと移っていく。 街での“別れ”のシーンは切ない。 雨の中での砲撃は火薬が湿気らないだろうか? ラストは哀しい結末だが、軍人として、そして仲間のために秘密を守って散っていく姿はカッコ良くて胸に迫った。 [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2015-01-02 21:41:03) |
195. 結婚行進曲(1928)
《ネタバレ》 まずは、私が投稿した要望に加筆・修正をして下さった鱗歌さんに感謝してもしきれません。誠にありがとうございます。 本作は個人的にシュトロハイムの映画の中で一番好きな作品。 「愚なる妻」のコメディタッチ版とも言えるこの作品は、自ら騎士の甲冑に身を包むシュトロハイムの姿で幕を開ける。 いつも通りシュトロハイムは好色な貴族として登場するが、今回は若く純真な様子も覗かせる。空中から映される市街と人の群れ、群れ、群れ、教会を行進する人々の群れを捉えた優美なショット。その部分だけテクニカラーのフィルムとなる。 またこの映画は“指”も象徴的に映される。 娘を物色する指、嫉妬で往復ビンタを喰らわす女の手の指、結婚が決まり期待と不安で胸を膨らます心理を表す指、指、指。 美しい平民の娘に心を奪われるシュトロハイム。零落の限りを尽くす男は何人もの女性と関係を持つ。部屋に散乱した女の服が昨夜の情事を物語る。 わざと事故を起こし娘を病院に連れ込みキッカケを作ってしまう周到振り。猛犬を餌付けで買収するなど手馴れたもの。肉屋の男と花をめぐるやり取りは爆笑。 月夜の晩に花が咲き誇る広場のなんと幻想的で美しい事。 二人の男の間で苦しむ娘は、激しく流れる川の向こうに黒い化身の幻影を目撃する。 まるで彼女たちの運命を嘲笑うかのように、甲冑に身を包み彼女そっくりな女性を腕に抱えて去っていく。その姿は彼女にしか見えない。 シュトロハイムも金目当ての政略結婚は嫌なようだ。結婚相手くらい自分で選びたい。 美しきその娘もまた、昔からの知り合いである肉屋の男が度々ちょっかいを出してくる。無理矢理キスするものならツバを吐かれる始末。ただ、次第に粗暴ながら自分の事を思う肉屋に心を動かされかける。 ラストの雨が降りしきる中での結婚式。 短いショットの連続で緊張感を高め、祝福と殺意が飛び交う会場。ピアノを弾く手が死神のような白骨に変わる。 シュトロハイムは自らの運命を受け入れ、娘もまた身を引く潔さ。 だが涙は嘘をつけない。暴力的だった肉屋の男も、ようやく優しく彼女を励まし支えていく決意を固める。 冒頭のシュトロハイム扮する騎士は、幻想に出て来た黒い化身に代わり幕を閉じる。 [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2015-01-02 21:36:05) |
196. バリー・リンドン
《ネタバレ》 ほんとうに長くて疲れる映画だったが、見応えのある傑作だった。 やっぱりキューブリックの戦争映画にハズレなしだね。 決闘の場面からはじまるファースト・シーン。 イギリスの簡素な自然の美しさが、劇中の寒々しさをより引き立てる。 主人公の日常も“賭け”からはじまる。 「体の何処でもご自由に。勇気があればだけど(笑)」 ほほお~積極的ですね~。けしからんおっぱいしやがって・・・うらやまし(ry バリーもまた嫉妬と意地で決闘を申し出る。決闘の度に流れる淡々としたドラムロールが痺れるぜ。 若気の至り、だがバリーには若さと「もっと暴れたい」というエネルギーが有り余っていた。 追われる身となったバリーは紆余曲折を経て真紅の征服に惹かれ軍隊に。それにしても礼儀正しい追いはぎだ事。 馬も金もない、あるのはくいぶちを稼ぐために軍隊に入ろうという気力と覚悟だけ。バリーは七年戦争へと参加する。 血気盛んなバリーはどんな決闘も受けた。 殴り合いのシーンは「拳闘試合の日」を思い出す。 バリーと策士グローガンの友情、 軍隊としての戦い。 一斉射撃の様子は火を放つようだ。 別れは同時にバリーの生存本能を揺り動かす。 身分を偽り、 ささやかな交流、 嘘も方便、しかし嘘は次の地獄へとバリーを誘う。 バリーはどんな過酷な地獄も生き残った。 その本能が人脈や新しい絆を結んでいく。 兵卒から伍長、二重スパイ、そしてギャンブラー。バクチのような人生を送り続ける。 バリーは“取立て人”として剣の腕を振るっていた頃がピークだろう。 だがバリーは取り返しの付かないミスを犯してしまった。それは結婚相手を間違えてしまった事だ。公然と死が迫る人間に向って死の宣告をする大胆さと度胸、おごり。 ココまでは栄光に満ちた半生だが、後半はバリーが不幸のどん底へと堕ちていく。 バリーは女の本当の気持ちを知らなすぎたのだ。 つうかタイミングを考えろよコイツ。 重なる不幸はバリーの心も蝕んでいく。 ブリンドンの“戦線布告”は昔のバリーを思い出す。ブリンドンの覚悟は足りなかったが、バリーはその意気を買ってあえて身を引く。いや、昔の自分を見るような自己嫌悪だったのかも。 「ルドビコ」って「時計じかけのオレンジ」? とにもかくにも、ラストは暗い終わり方だったが美しい者も醜い者も今はすべて同じあの世なワケです。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-31 22:07:47)(良:1票) |
197. 遊☆戯☆王
《ネタバレ》 TV版とは別格の神作画、神デザイン。 何より原作の雰囲気をここまで出したアニメは未だこれが最高だと思っている。 枯れたキャベツ(社長)のコートが神ってます。 たった30分で荒木伸吾と姫野美智の作画・・・贅沢すぎる。 この贅沢なメニューで「渇いた叫び」&「明日もし君が壊れても」だろ!? たまらんわ・・・DVDはよ。 原作イメージのブラック・マジシャンもカッコイイし、ブルーアイズの唸りも凄い。ブラック・メテオ・ドラオンを拝めるのが凄い。 ちなみに当時の遊戯王カード(98・99年初頭当時)で発売された「青眼の白竜3体連結」は「邪悪なる鎖」とセットで8回連続攻撃できるというチート。攻撃力・守備力は「青眼の究極龍」と同じ。 [ビデオ(邦画)] 9点(2014-12-31 22:02:41) |
198. るろうに剣心
《ネタバレ》 久々に純粋に面白いエンターテイメントな時代劇に会った気がする。 まるで握手して再会を分ち合うかのような感じだったよ。 大昔の「用心棒」とか「座頭市」とか・・・とにかく「戦う男」を久々に見たね。 「十三人の刺客」のリメイクですらまだ物足りなさを感じていた俺にとって、ここまでやりたい放題やってくれた映画はありがてえ。 明治と武士の時代の変わり目に交錯する様々な人間ドラマ。 それを逆刃の刀が振り下ろす爽快な抜刀劇が盛り上げる。 よく実写でアニメや漫画の迫力を引き出せたなと拍手してやりたい。 キャスティングは「?」とか「!?」とか「ヽ('Д`;)ノ!?」とか思いまくったけど、段々馴染んでいくのが良かったね。 オリジナルの「るろうに」を作っていくという空気がさ。 チンピラに徹した左之助も悪くない。 アニメの時もそうだったけど、それぞれの「こだわり」が爆発していくのが面白い。 原作も飛び上がりまくってるし、ワイヤー演出が自然に感じられた。 しかも所々原作で親しんだ場面が出てくる出てくる。 原作から入った奴も、この映画から入った奴も両方楽しめる仕掛けがたっぷりある。 特に香川のあの狂演! 久々に日本映画でああいう悪党を見れた! ドス黒いスマイル100%でガトリングガンを連射する! もうそれだけ! そんなブッ飛び具合がよく再現+進化してた気がするわ。 ただ、曲が残念。余計な盛り上がりはこの映画にいらない。 黙って斬り倒される男たちの背中が語りかける「無言の声」。それだけで充分すぎるのである。 思い出(原作)は、いつもキレイだけど それだけじゃお腹が空くわ~ [DVD(邦画)] 8点(2014-12-31 21:53:16) |
199. ドッグヴィル
《ネタバレ》 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は余りの嫌悪感に殺してやろうかと思っていたトリアーだが、この映画は素晴らしい。 3時間近い長尺だが、不思議と退屈せずに惹き付けられた。 ベルトルト・ブレヒトの「三文オペラ」に触発されたと語るトリアー。 舞台のような場所に線を引き、観客には丸見え、登場人物たちには塀や窓といった“壁”が見えている。或るいは、本当は見えているのに見て見ぬフリをしているだけなのかも知れない。 10の章に別れたこの作品。 “犬”の街と言われたこの街で、一人の女性が文字通り飼い犬にされていく残酷な話だ。 逃げる女、それを追う黒服の謎の男達。 女は何者で、何処から来たのか解らない。怪しい見た目とは逆に、彼女は何処までも受動的だ。 ゲーム感覚で住人に認めてもらえるようある賭けを提案するトム。 彼はミステリアスなグレースの虜だ。 他の男達も、次第にグレースに欲情していく。 女達も、受けいれては徐々に彼女に嫉妬と怒りをぶつけていく。 彼女は住人に認めてもらおうと涙を呑んで耐えて耐えて耐えた。 舞台劇のような作りで残虐な演出は無いが、精神面はナイフでえぐられるようだ。修羅場怖いよ。 線だけで区切られた“家”の中で犯される女。 住人には見えていない。観客だけがこの真実を知るのだ。 大体ジェイソン一家のせい。 唯一残念な事と言えば、グレースが来るまで男達を虜にしていたリズの裸が見たか(ry 街の住民も酷いが、グレースの“無自覚”さも本当罪な女だよ。 グレースは優しいね。 今まで“世話”になった恩をしこたまお返しするクライマックスの壮絶さ! 後味は悪いが、妙にスッキリするものを感じたのは俺だけ? [DVD(字幕)] 9点(2014-12-31 21:42:56) |
200. 劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ
《ネタバレ》 映画にミュウが再登場する珍しい展開。 過去から人物やポケモンが出てくるのは「セレビィ」やちょっと違うけど「ジラーチ(100年周期)」以来。 伝説クラスのポケモンが3匹も出てくる展開は「ルギア」を思い出す。 ルカリオが段々心を開いてサトシと打ち解けていく過程は中々。 アーロンの真意が明かされる展開も王道ながら良い。はじまりの樹での冒険、波導まで宿していたサトシはもう完璧タイプ:ワイルドのポケモンです。 キッド・サマーズはクールでカッコイイ。 [地上波(邦画)] 9点(2014-12-31 21:20:52) |