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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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181.  灰とダイヤモンド 《ネタバレ》 
「命を賭しても好いと思える様な(自分にとって)重要な」仕事と、「ただ命を賭す覚悟が無ければ出来ない」仕事、というのは似て非なるものであり、一見はレジスタンス活動の危険な任務の齎す高い目的意識で充実している様に見えなくもないマチェクの人生は、その実確かにとても空虚である様に思える。崇高な理想の下に立たせて「貰って」はいたとしても、所詮彼も(替えの効く)歯車でしかないのだ。『世代』と同様にコレも本質的には青春映画、ただ今作は徹底して、その何者でもない若さの「虚無感」を逆説的に描き出している様に思われる。  クリスティーナがマチェクに惹かれたのは、彼に自分と同じモノを感じ取った、からだと思いませんか。彼女も虚ろな人生を生きているのでしょうが(彼女の人生をそう至らしめたのは確実に戦争なのでしょうが)、だから今作で描かれる彼と彼女の交りというのは、おそらく愛だ恋だと言えるモノでもない様に思えて、唯「成り合わざる」トコロの埋め合せ合い、なのではないかと思うのです。でも、不思議にもその一夜だけの情交には、これも逆にどこかピュアで清々しい人間性というのを感じ取れたのですよね。それは、終戦を祝う乱痴気騒ぎと其処で浮かれる濁々とした「大人」達、其れと彼らとの対比が見せる幻、なのかも知れませんが。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-23 22:20:18)
182.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
いや~痛快、痛快!!怪獣映画はこれぐらい単純で上等ですよ。話もシンプル、怪獣バトルも力任せの殴り合いで、こんなにナニも考えずに観れた映画も結構久しぶりで大いにリフレッシュできました。大満足。  敢えて難癖を付けるなら、ポッと出のメカゴジラがちょっと妙に強いとゆーのと(毎回思うのですが、こんだけ強いんだったら量産すれば問題は全て解決するのであって)、ゴジラにせよコングにせよやや物分かりが好過ぎる(怪獣てのは、もっと全然人間が制御できない天上天下唯我独尊な感じが恐ろしい・魅力的なのではないかと)つーことくらいですかね。  ただ、どこかの怪獣映画で観たよーな設定・シーンの切り貼りとゆーこともあるし、かつ主要な怪獣(コング・ゴジラ・メカゴジラ・ギドラ・モスラ)もここまでで出し尽くしてしまったので、東宝ゴジラのレガシーはもう尽きたという気がします。次回作はちょっとオリジナリティをつくり込まないとキビシイ、ですかね。
[3D(字幕)] 8点(2021-07-04 12:57:46)
183.  THE PROMISE/君への誓い 《ネタバレ》 
特に、日本においては決して知名度が高いとは言えない歴史上の事件を、かなりシリアスかつ真摯に冷徹に描いた作品、というだけで、とりあえず観ておく価値は間違いなく非常に高い作品だと言える(もちろん、娯楽映画として観れる類いの作品ではない、ということは前提として)。全体的にオスマン帝国政府・軍に対する批判的な製作姿勢が大いに見て取れるものの、例えばエムレのエピソードに代表される様に決してバランス感覚を著しく欠く、という訳でもないと思う。また、主役3人の三角関係的恋愛模様をシナリオに持ち込んだことも、あくまでこの要素は添え物に留められている、という点からしても個人的には決して悪くない工夫だと思えた(こーいうのがあると、登場人物が一層「人間」に見えてくる、というか)。  ただ、本作の意義は重々認めつつも一点だけ指摘したいのは、本作が主に描いているのはとある「結果」であり、より重要なのは「原因」だということだ。何故このような事態に陥ってしまったのか、というのは、本作を観ただけではちょっと分かり辛い、というのが正直なトコロで、その辺の事情、アルメニア人とトルコ人の宗教的差異であるとか、アルメニア人勢力・ロシア・トルコの三つ巴の関係性とそれに第一次大戦が及ぼした影響、といったことは別途自分で調べないといけない。ソコを上手いコト作中に描き込めたのであれば、よりバランス感覚に優れてかつ深い映画になった、と言えるのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2021-06-24 23:41:26)
184.  みをつくし料理帖 《ネタバレ》 
ドラマの内容としては(ほんの一部にシリアスな場面も孕みつつも)ごくほのぼのとしたヒューマン系、しかもややダイジェスト的、というか、好いトコロ寄せ集め!という感じでもあるケド、その纏め方自体はかなり手堅く、そしてこれも緩やかな全体の間の取り方もあって実にノンビリとホッコリと観てゆけるという作品だと思う。  そしてその間の取り方とゆーのが、個人的に非常に心地好かったですね。時代劇ならでは、と言いつつ、最近は時代劇も(昔に比べれば)実に忙しなくなってるなあ、というのを逆に実感しました。そもそも現代劇では中々こーいう間の取り方はこれも逆に難しいかも知れない、とも思います。今作、役者さんの演技がこれまたその間にズバリとマッチしてるというか、どれも非常に味の有る優れたものばかりでしたね。一番好きなのは終盤の澪と小松原のシーンです。これも時代劇的、というか、何とも奥ゆかしい日本的な好さのある素晴らしいシーンだったかと。確実に良作以上で、かなりオススメな方でゴザイマス。
[DVD(邦画)] 8点(2021-06-18 23:55:06)(良:1票)
185.  クルエラ 《ネタバレ》 
まず、シナリオの出来がまま高いです。クルエラの生い立ち、デザイナーとしての異能と、その狂気の源泉、と(前日譚として)必要とされる要素を無理なく自然に繋ぎ合わせ、同時に見せ場もふんだん+テンポも良好で、やや長めの尺ながら無駄とゆーのが殆ど無い濃密な時間を楽しめました。難癖を付けるなら、クルエラ自身は「復讐」という意味では本作でも罪を犯していきますが(序盤、生きるためにコソ泥をやってんのは置いといて)、結局「根」はそこまで悪人でもないかも?と見えかねない部分は、スーパーヴィランの誕生譚としては少し違和感として残る、というよーな気もしますケド。  ただシナリオがいま一歩90点だったとしても、他方でひとつ美術面は確実にそれを超えてゆく、というクオリティでありました。なんと言っても肝心の衣装が実に素晴らしい。クルエラ或いはバロネスのデザイナーとしての能力というものにリアリティを与えているというか、これのおかげで本作は単なる娯楽映画になっていない(部分的には芸術映画の風をも纏っている)という様にすら感じました。流石、二度のオスカーを誇るジェニー・ビーヴァン女史のこれも卓越した仕事であると同時に、商業作品でこーいう部分のつくり込みにここまでこだわってワンランク以上に優れた結果を出せるとゆーのが如何にもディズニーらしいとも思いますね(毎度トンデモなくゴージャスな製作ですこと)。  もう一点、音楽がこれまた素晴らしかったのですね。劇中の年代が70'sに設定されており、劇伴は基本的に当時のパンクロック楽曲で構成されていますが、まずそれが「権威」に挑戦・反逆してゆくというクルエラのアナーキーな特性にもマッチしていましたし、レトロな聴き心地自体も非常に興味深い、というものでした。サントラを買おうかと思ってますデス。
[映画館(字幕)] 8点(2021-06-16 21:46:06)(良:2票)
186.  最後のギャング 《ネタバレ》 
あるギャングの転落を描く映画としては、筋書き自体は非常にシンプル、かつ全体的に少しばかり駆け足というか効率的というか。かなりコンパクトな尺も相まって、終盤までの見応えは率直に「軽め」な作品だと感じていた。が、圧巻はラスト付近のエドワード・G・ロビンソンの諸々の演技の重厚さである。ああ、映画を観るのが「人間」であり続けるなら、この演技が在る限り本作もまた永遠不滅であろうなあ、とすら。(そこまでも決してそんなに悪くもないケド)このラストの見応えだけで、私は今日も満足。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-25 00:39:12)(良:1票)
187.  カランコエの花 《ネタバレ》 
演技の自然さ、それでいてのキレ味の高さも素晴らしいし、これも非常に自然ながら十二分なリアリティを兼ね備える展開運びもお話としての見応えまで抜群、と、短編としては最高クラスによく出来ていると思う(このクオリティのまま2時間の映画に拡張できたとしたら、製作者はその時点で超一流と言えるだろう)。  そして何と言うか、LGBTという要素の「難しさ」が凝縮されていた、という様にも感じられる。残念なことに当然、まだ世の中には無理解や悪意といった明らかに不適切な意識を持ったままの人も居る、がソコに加えて、そういった悪意ではなく善意の方をある程度十分に持ち合わせていたとしても、実際に身の回りにそういった人が現れた場合に、どういう行動を採るのが適切なのかそれが分からない・判断できない(あるいは判断を誤ってしまう)という人がまま多い、ということなのだとも思う。そしてそれは同時に、そもそも現在の社会自体が、根本的にこのトピックスについて何が正しいのかということの「答え」を出せていない側面が非常に多い、ということだとも思うのですよね。  個人的に、今の社会的な潮流というのは、このトピックスを単純化してまとめて片付けよう、という方向性を強めてゆこうとしている様にも感じることがある。私は、一番重要なのは社会的な意識・コンセンサスだと思っている。この複雑で多岐に渡る「問題」は、そーいう方法では解決しないのではないか(むしろそれは、解決への距離を遠くするのではないか)という気がしている。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-23 01:05:54)(良:1票)
188.  コリーニ事件 《ネタバレ》 
法廷ものとしてはどちらかと言えばシンプルな展開運びだとも感じられるが、率直にクライマックスの見応えは実に素晴らしかった。一点、それは今作において法廷で問われてゆくのが、被告が「有罪か無罪か」ではなく、被告が犯した罪に対する量刑(=情状酌量)の妥当性だ、という点で、それは厳密な法論理・ロジックからはいくぶん離れて、むしろより本質的な「正義とは何か」というヒューマニズム的葛藤に帰着してゆくからだ、と感じられたのである。他方、そうで在りながら本作のサスペンス展開には高度な論理性と十二分な明快さもが見事に保たれている。そのロジカル的・サスペンス的な面白さと、描き出されるヒューマニズムの清々しさの両立、という部分には、私の愛して止まない『人間の証明』を読破した時の感動というのを少し思い出させられた様に思う。  演技面は全体的に非常に手堅い感じであったが、ひとり、フランコ・ネロに関しては文句無しに出色の出来だったと思う。非常にユニークなクオリティをつくり出しており、これには流石!と言う他無いかと。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-20 00:50:31)
189.  カセットテープ・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
世代的にブルース・スプリングスティーンなんて殆ど聴いたコトないのだけど、不思議なものでいざ本作中で色々聴いてみると、彼の音楽が嘗て世界を「構成」していたということが確かに実感できるのだ(否、今なおそうなのかも知れないが)。純粋な音楽自体の性質もそうであろうと思うが、諸々と非常に高度な「普遍性」を備えるひとつの文化の結実ではないかと思う。その意味で、彼の音楽は観るひとの世代の垣根を取り払うオーソドックスさというのを本作に付与していると言える様に思う(意外と)。  内容も、80年代のイギリスにおける移民差別、というティピカルながら個別的である題材を取り扱いつつも、本質的にはこれも非常に普遍的なテーマを擁する作品だと感じた。差別される移民の不自由さと共に描かれてゆくのは、未だ「何者でもない」という全ての若者が抱える不自由、そしてそこから主人公が脱却してゆく成長の過程である。序盤に描かれる前者から、より普遍的な後者へと次第にテーマを掘り進めてゆくシナリオ構成が、誰しものより深い共感を可能にしている様にも感じられた。この部分も中々優れた、かつ手堅い仕事であるかなと。  もう一つ、無理解な親とそれに反発する子、というのも非常に普遍的な要素であろう。ジャベドの父親の価値観は、彼を苦しめた不自由さを生き抜くひとつの「知恵」でもあり、ただしそれは息子のそれとはあの時代のあの時点で相容れなかった、ということだと思う。人の価値観が時代と共に常に移り変わってゆく以上、これも絶対にどんな時代でも避けられない対立なのだろうと思うし、本質的にはどちらかがより「正しい」ということでもないのだろうと思う。それこそ「もっと自由に挑戦して生きてゆけ!(ジャベド)」「俺はただ平凡に暮らしたいんだ!(息子)」なんてことだって、個人主義が発展した現代なら然も起こり得る、とも思われるし。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-15 11:24:37)
190.  大いなる罪びと 《ネタバレ》 
面白い。賭博(とそれによる堕落・破滅)をテーマとするシナリオは一見比較的シンプルに見えるのであり、中盤、グレゴリー・ペックが大勝ち→調子に乗ってスッカラカン、くらいまでは「だ~から、言わんこっちゃない!」てな感じで(ここまででも十分面白いケド)よくあるヤツとして観てたのですが、そっから先が更に二段ぐらいまた面白いというか、尻上りにどんどん面白くなってったという感じでしたね。賭博者はカネと同時に「魂」をも賭けている、という台詞が身に沁みます(賭けても何も「実の在る」見返りは無いのかも知れませんが)。  演技面でも、脇役からしてコレがウォルター・ヒューストン、メルヴィン・ダグラス、エセル・バリモア、アグネス・ムーアヘッドと綺羅星の如く豪華で、実際の演技もいずれも実に申し分無い。エヴァ・ガードナーもこれまた最高に美人。ただ、何と言っても今作は主演のペックの抜群さでしょう。上品で澄ました前半の出で立ちからの、尾羽打ち枯らした無様な後半に漂わせる哀愁は絶品でしたすね(特にその虚ろな目が素晴らしい)。コレを観ずしてギャンブル映画を語るなかれ。
[DVD(字幕)] 8点(2021-04-29 13:16:07)(良:1票)
191.  ブータン 山の教室 《ネタバレ》 
ある意味、劇映画と言うよりは確実にドキュメンタリの方に近い作品なのだと思う。ロケ地も現実の村で、登場人物も多くが実際の村の人々で、そして何より、本作が描こうとする彼らの価値観(信念)というものは確かに彼らの中に実在するものである、のだから。  舞台はブータン僻地のルナナ村。標高4800メートル、住民50余人のこの村には、そこへ行きつく容易な手段を含めて殆ど「何も無い」(電気すらあったりなかったり)。しかし彼らには、そこで今までどおり暮らし続けること(そうすることで幸福に暮らしていけるということ)への揺るぎ無い信頼がある。その信頼、そしてその理由というものを、村にやってきた自分の人生に迷う一人の青年の目を通して描き出してゆく。その意味では比較的シンプルな作品であると思うが、だからこそ、描き出される価値観の「確からしさ」というものがより際立って感じられるのであり、それが尚更、彼らに対する一種の尊敬の念をも観る我々に抱かせるのであろう。  非常に珍しい製作国ブータンというブータン映画ですが、感動はひとしおでした。多くの人に是非観ていただきたい作品です。
[映画館(字幕)] 8点(2021-04-26 20:52:45)
192.  グランド・ジャーニー 《ネタバレ》 
稀にみる素晴らしい映画でした。絶滅危惧種の渡り鳥に安全な渡りのルートを教えるという「大いなる旅」は、自然科学・環境保護の観点からの深い意義を孕むと同時に、父の夢、そしてその息子の飛躍的な成長の道程でもありました。特に、日ごとに逞しく、また人と人との繋がりを得て正に子供から青年へと脱皮してゆく息子の姿には、観ているコッチも大いに勇気を貰えたという気がします。そしてそんな中で家族の絆というものも取り戻されてゆきます。人間ドラマとしても満足度は最高でしたし、爽やかなラストもとても好かったと思います。  映画の技術としては、諸々の撮影が非常に見事でした。繰り返される大胆な空撮はヨーロッパの自然の意外なまでの美しさ・雄大さを画面に収めると同時に、実に素晴らしい爽快感・高揚感を映画にもたらしていました。加えて何と言っても鳥たちを使用したシーンの出来の好さ・巧みさが素晴らしい。CGや特撮は未使用とのことなのですが、ちょっと信じられない、という感じですね(動物映画としても十二分に観る価値があるかと)。  邦題『グランド・ジャーニー』も中々悪くないと思いますが、原題の『Donne-moi des ailes』は”翼をください”という意味だそうです。こちらの方も、様々な意味・価値を包含する本作を言い表すものとしては、とても適確な言葉だと思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2021-04-23 23:03:18)
193.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 
甲子園に辿り着いた野球部とゆーのが青春高校生活の頂点ならば、アルプススタンドの端っこというのは確かにその最下層であろう。まだ若いのに、ちょっとの挫折でヒネくれたガキ共のルサンチマンが其処には渦巻いている。  しかし、彼らはまだ若いのだ。恋と友情のスッタモンダが、彼らに「それ」を取り戻してくれる。暑っ苦しい茶道部の先生が、個人的にはかなり好きですね。ああいう人って、実はとっても貴重ですよね。  人生は「熱」。冷めた人生などに何の価値が在るだろう。極めてシンプルなシナリオ・テーマですが、共感もひとしおでした。
[DVD(邦画)] 8点(2021-04-18 13:01:09)
194.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
正直、コレは凄いですよ。アンビリーバボーですよ。「大したもんだなあ」というか(暢気)、しかし人間の可能性は無限だ、とも思いましたね。もちろん、その果てしない努力がこうして実を結ぶというコトを如何にして最初に「信じる」コトが出来るか、というコトだとも思うのですけど。やはり、人生を賭けるに値するのはひとつ、夢だけなのかも知れない、と思いました。  内容については敢えて触れませんが、諸々のクオリティは保証できるものです。一点だけ注意するとしたら、今作は三部作の一作目としてつくられているので単体の映画として完結しているものではない、ということだけ、鑑賞前に頭に入れておいた方が好いかと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2021-04-13 23:28:44)
195.  街の上で 《ネタバレ》 
主人公は冴えない若葉竜也ではあるが、彼同様に彼の物語というのも(少なくともラスト付近までは)結構どーでもよくて(=どーでもよい様に見えて)、描きたいのはむしろ彼の物語上に登場する幾人かの女性のキャラクター、という様に思われた。  誰が一番好みか、と言われれば、個人的には古川琴音だろうか。というか素直に「善人」と言えるのは彼女だけな気もする。穂志もえかなんか普通にかなり自分勝手だと思うし、萩原みのりは確実にそれ以上だし(みのりちゃんは最近こんな役ばっかだね)。一見屈託の無さそうな中田青渚も、彼女も彼女で打算というものが見え隠れする。諸々ひっくるめてコレは男が愛すべき「女の女たる所以」というヤツなのかとも思うけれど。  どーでもいいと言いつつも、若葉竜也(と女子達)の話は(それでも若干のコミカル分を含みつつも)思いがけないほどにマジメに淡々と進められてゆく、ソコをごく温かく半笑いで(長尺ながら心地好く)観てゆけるというのは、若葉くんの素晴らしきキャラあってのことか、とも感じた。別に今作でも友情出演の成田凌が主役でも何の問題もない様にも思うが、どちらかというと若葉くんの方がこの頼りない主人公としては(成田凌よりは)感情移入は確実にし易いかと思う。その意味ではラスト、監督が堪え切れなかったかの様に放り込まれる一大コメディの大立ち回りを経て暢気なまでのグッド・エンドが若葉くんに訪れるのも、観客としては間違いなく至上に喜ばしい終い方だった、とも思う。
[映画館(字幕)] 8点(2021-04-12 22:27:08)(良:1票)
196.  赤線地帯 《ネタバレ》 
いわゆる「赤線」というのを描いた映画として、もう少し後の年代だとロマンポルノ、例えば『赤線玉の井 ぬけられます』なんてのがあって、現代の我々の目から見ると非常に特殊な習俗を描いた作品としても価値が高いのはソッチも今作も同様だろう。  一方で、アッチはロマンポルノなので直接的な濡れ場(とそれがもたらす独特の淫靡で蠱惑的な雰囲気)というものにセールスポイントがあるワケだ。それが無い今作は何をウリに勝負するか、と思って観ていたら、実に単純に登場する女性たちの抱える物語の「凄み」というトコロの質が高くて、心を穿つ様な重厚さがあった、と。お話としては完全にコッチの方が面白いですし、観た後に何か「残る」モノというのがありますね。  他方で、女性たちの描かれ方はとても品好く洒脱で、却って女性的な魅力(「魔性」な部分も含めて)というものが実に素晴らしく引き出されていた、と思いました。「賤業」などと称される彼女らに対する監督の温かい感情・目線が感じられます(監督が本当に彼女らを美しいと思っているから、こうも美しく彼女らを描き出すことが出来たのだ、と)。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-04-08 22:10:10)
197.  世代 《ネタバレ》 
もちろん、非常にシンプルなレジスタンス映画としての価値も十二分な作品ではあります。がそれ以上に、実に普遍的な価値を擁する青春の物語だとも思いました。世界を変えたいという熱情と、情熱的な恋というのは、正に青春の両輪たる炎ではありませんか。本作の主人公においてはそれらが文字通り綯交ぜになり、彼は闘争活動に没入してゆきます。ラストが実に好かったですね。ひととき手にした恋が破れると同時に、闘争にも一つの敗北が訪れる。限り無い高揚からの耐え難い挫折、これも正に青春そのものではありませんか。ある歴史の事実を冷徹なリアリティで描き抜いた作品でありながら、歴史を超越した価値をも備えるという。傑作だと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-04-06 23:33:56)
198.  赫い髪の女 《ネタバレ》 
こーいうのって、世界中でホントによくある光景だとは思うのですが、ド直球な映像化というのはあんまりされてない、のかも知れませんかね。生々しさ、という意味では昨今のAVよりもなお上回る様な気がしてます。どこだか知りませんが雨ばっか降ってて、実にイヤらしく湿り切った情景の中に描き出されるエロスというものは正に匂い立つかの様な出来映えです。台詞もどれも実にエロいし下品だしで、場末感というか底辺な感じというか、それがより一層情欲というものに真実味を与えているというか、この上なく素晴らしい質感ですね。  そーいうロマンポルノとしての質の高さを持ち合わせていながら、本作にはその本来の性質であるトコロの文芸的な趣き、というものまで微かながらしっかりと感じられる、という部分に、本作の傑作たる所以があるかと思っています。これはナンでしょう、例えば石橋蓮司のどことなく哀愁も漂わせる演技の質の高さ、あるいは地味に結構凝っている画づくりの質の高さ、そーいった個々の要素から生み出されている…?のかも知れませんが、個人的は結論は出せていません。しばらく後にまたじっくり研究したいと思います。  今回、ブルーレイを調達しての再見となりましたが、コレは画質が非常に申し分なかったです。購入検討されている方は、是非。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-04-05 21:11:21)
199.  ボーダー 二つの世界 《ネタバレ》 
のっけからのかなり風変わり、否、もはや「異様」とも言える雰囲気には、中々に高度な「観たコトないモノ」感があって率直に最初からとても面白かったです。話が進むに連れ、その異様さというのは比較的シンプルな「ヒトならざる存在」に由来するのだ、ということが分かってきますが、その部分の設定・世界観のつくり込みもシンプルながら非常に明解、かつ不自然さというものが全く無くて、製作側の描きたいモノというのが割とスンナリとこちらに伝わって来るというのも非常に巧みでした。お話を無暗に広げ過ぎずに、あくまで主演2人のストーリーに絞った、というのがまずグッドチョイスだったというのと、その2人のキャラクターのつくり込みがこれも非常に秀逸だった、というコトかと思います。演技が実に素晴らしかったですね。見た目は人間?だけど、何とも言えない「リアリティのある異質さ」というのが醸し出されていましたし、その上で「彼ら」というのは比較的表情に乏しい(特に目)にも関わらず、感情表現にも深さと同時にここぞの場面の凄み・迫力も兼ね備えていましたね。(主演は2人とも)とても独創的な仕事だったと思います。  そして、内容・テーマの面も個人的に非常に好みというヤツでした。「ヒトならざる存在」を媒介にして逆に人間性とは何かを問いかける、という一種ありふれた手法でしたが、丹念に描いた2人のキャラクター(と彼らの関係性)を生かしたその描き方・終盤の展開には普通に観入ってしまいましたし、この部分のクオリティも十分にユニークなものとして完成されていたと思います。非常に完成度の高い、とても好きな映画ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2021-03-27 00:08:07)
200.  断絶(1971) 《ネタバレ》 
観終わってのこの虚無感・徒労感と、それでいてどこかで確実に爽快感を感じている自分が居る……確かに、アメリカン・ニューシネマと言われる作品群の中でもある部分で際立った一品かも知れません。登場人物の誰もが(それは主要4キャラ以外のモブも含めて、ですが)とにかく何がしたいのか、何が目的なのかが皆目分からないままダラダラと物語は進みますが、終盤はその儚い関係性すらが雪崩を打って破綻してゆく、その様には何か「滅びの美学」とでも言うべきモノを感じ取りました。それこそが正にアメリカン・ニューシネマのテーマたる「善なるものへのアンチテーゼ」というべき価値観なのだろうと思います。中々の掘り出し物でした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-02-11 18:49:33)
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