2061. イエロー・ハンカチーフ
《ネタバレ》 あれだけ独立した世界として完結している原作を、一体どうやってリメイクするのかと思っていたのだが、意外に、変えられる部分は変えていて、頑張って作っていると感じた。導入部の静謐な雰囲気はなかなかのもの。ただやっぱり、あの耐え忍ぶヒロインの凛とした誇りは、倍賞千恵子でないと難しいかな・・・。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2012-10-27 00:00:28) |
2062. アーティスト
トーキー時代を経た後に作られるサイレント作品である以上、かつてのサイレント作と同じでは意味がなく、トーキーがもたらした成果を踏まえて作られないと意味がないのだが、いくつかの部分でその努力の形跡は見受けられるものの、全体としては習作の域を出るものではない。ただ、主演の彼の演技は、大げささを排していてなかなか良かったと思う。もっとそれを生かせる演技的な見せ場を用意してあげてほしかったが。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-10-23 21:34:44) |
2063. ミスター・ミセス・ミス・ロンリー
内容的には何が何だか分からなかったのだが、22歳にしてこれほど自我の表現をとめどなくあふれ出させている原田美枝子は、やはり凄い。宇崎竜童や原田芳雄ですら、いつしか組み伏せられている。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 02:27:38) |
2064. みんな元気(2009)
《ネタバレ》 終始、画面や背景が明るすぎるのが気になりました。これでは登場人物は何の悩みも葛藤もないことになってしまいます。ラストに向けての展開もそのまま一直線という感じで、何とも予定調和的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-04 01:35:33) |
2065. 嘆きのテレーズ
《ネタバレ》 例えば、夫が転落したときに、ひたすら列車の走行音だけが響き渡り、周囲にも何も変わったことはなく、「あれ?今のって本当に起きたことなんだっけ?」と感じさせてしまうところとか、凄くリアリティがあってゾクッとするのです。そういう箇所はほかにもあります。なんだけど、全体的には、未練がましい人たちがうだうだ進めている比率の方が高く、スリリングさが継続しませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-03 00:05:10) |
2066. 東京キッド
内容的にはどうということもないのだが、とにかくひばりちゃんのオーラを鑑賞するための作品。特に、常にピシッと伸びた背筋の力が凄い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-02 22:45:46) |
2067. ココ・アヴァン・シャネル
オドレイが頑張っているのは分かるんですが・・・雰囲気だけで構成しちゃったようなシーンが継ぎ足されているだけで、ドラマというものを感じません。彼女は何を、どのように考えてデザインというライフワークに取り組んだのでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-02 02:41:23) |
2068. お嬢さん乾杯
《ネタバレ》 日本にもこの頃からラブコメという表現が存在したことを示すという意味において貴重な作品。ラストの一言をヒロインに言わせたいための脚本ですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-09-25 02:28:00) |
2069. マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙
《ネタバレ》 多分、見た人はみんな同じことを考えると思いますが・・・認知症を患った晩年でのシーンがかなりの部分を占めており、肝心の政局描写はさらっと過ぎてしまっているという印象。せっかく、久々にメリルを本気にさせる題材を持ってきたのだから、どんな重大場面で何を考えてどんな決断をしたのかとか、男ばかりの政界の中でどのように支持を得てきたのかとか、そんなところを誰でも期待するのに。対象の重さから作り手の側が逃げてしまったととられてもやむをえないです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-09-22 02:30:48) |
2070. モア
ドラッグ・カルチャーという社会的背景をそのまんま映像化したかのような、何とも直球であっけらかんとした作品なのですが、主人公がなあんにも考えずに思いついたままで行動しっぱなしなのがそれに妙にフィットしていて、かえって微笑ましい。イビサ島の美しい風景もなかなか。ただ、肝心のピンク・フロイドの音楽が、途中から出番が減っているのが残念。 [DVD(字幕)] 5点(2012-09-07 21:21:39) |
2071. コーチ・カーター
《ネタバレ》 バスケットのシーンは、ほかのバスケ映画、いやほかのスポーツ映画全般を通じてもトップクラスなほど迫力が溢れているのですが、それ以外のところがほとんどすべて予定調和的で、学園スポーツものの定番パターンを順々になぞっていっただけなのが痛い。つまり、この作品で光っている部分の源は、映画の力ではなく、バスケットの力なのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-09-01 00:27:16) |
2072. フローズン・リバー
じっと息をひそめているような独特の雰囲気は悪くないのですが、全体の描写や登場人物がとっている行動がすごく観念的というか、「こう動かしたいからこう動かす」に見えてしまうのです。登場人物の背景や日常が見えないのです。全体的にカメラがやたら近すぎるのも残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-26 00:53:57) |
2073. 王将(1948)
《ネタバレ》 前半は何が描きたいのかよく分からない感じで、主人公のキャラクターに寄りかかっているだけではないかという気がしていたのですが、関根との決戦以降はきちんと物語になっていました。本当は、将棋そのもののディテールも踏まえてほしかったのですが、さすがにそれは無理でしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-23 00:39:18) |
2074. うみ・そら・さんごのいいつたえ
どうです沖縄の綺麗な景色でしょお~~そこにいる人たちもいい人たちばかりでしょお~~~という入れ込み方が作為的すぎて、かえって作品としてのテーマが抜け落ちる結果となっている。それによって何を表現したいのかということが大事なのに・・・。紺野美沙子の出番が少なかったのも残念。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-21 00:17:20) |
2075. ロッキー2
演出の方向性は1に酷似しており、新鮮味はあまりないのだが、後日譚として1に続いても違和感のない出来には仕上がっている。主人公をあくまでもぱっとしないゴロツキの延長から大きく外していないのが良い。3以降はただのヒーローになっちゃったもんな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-15 19:54:54) |
2076. 東京五人男
《ネタバレ》 笑わせようとする部分はそうでもないのだが、それよりも、焼野原でのバラック生活とか、配給やヤミ物資のやりとりなど、生活描写の1つ1つがいちいち生々しいのです。そこで変な事件やアクシデントに走っていないところが、かえってある種の熱気をそのまま伝えています。終戦後半年でここまでの作品を作っていたというのも驚き。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-06 03:02:59) |
2077. コンペティション(1980)
ところどころやたら気合が入っているのだが、一番まずいのは、当事者たちの競技会に向けたスタンスであるとか、周辺人物の立ち位置であるとか、その辺のベクトルが全然はっきりしないこと。それによって、全体の描写がものすごく中途半端になってしまっているし、演奏シーンによりかかった内容になってしまっている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-04 00:55:05) |
2078. 八月の鯨
主人公の老婦人2人が画面に存在して動いているだけでかなりのインパクトがあるのだが、似たような会話のやりとりが最後まで続き、その間脇役を含めて登場人物にさしたる心理の動きが見られないので、食い足りない印象。むしろ、演出側が俳優陣の底力を使いこなすことができなかったのではないか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-28 01:34:40) |
2079. ノーバディーズ・フール
各シーンの随所にどうですいい人たちでしょオーラが漂っていて、かえって意図が透けて見えてしまっているのです。優等生的な人たちが破綻なく物事を進めているだけでは、そこにドラマが感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-27 23:27:07) |
2080. 子供たちの王様
《ネタバレ》 字を覚えて表現するという一点に特化した描写は、それだけにかえってインパクトを生み出しているが、生徒とのやりとりも特定の1人に集中していってしまったのが惜しい。あと、この邦題は何とかならなかったのか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-09 02:07:19) |