2061. HANA-BI
北野映画らしい空気に溢れ、それなりに感慨深い物語ではあるけれど、映画としては他の北野映画に比べると完成度に欠ける感が拭えない。主人公の不器用で悲しげなキャラクターは秀逸と言えるが、ストーリー展開に他作のような荒削りっぽい洗練さが無いように思う。所々で挿入される絵画にも違和感を覚える。 [ビデオ(邦画)] 5点(2003-12-05 23:00:51) |
2062. ソラリス
ひたすらに長く難解だったオリジナル版「惑星ソラリス」と比べると、ソダバーグの小刻みなカット割による展開は、明らかに簡潔で観やすくその世界観に移入しやすかった。主人公と亡き妻とのラブストーリーに絞った展開も良かったと思うが、それならばもっと妻役の女優にビジュアルの愛らしい人を配役してほしかった。超筋肉質で怖すぎるほど眼光の鋭いナターシャ・マケルホーンではやや主人公の妻に対する想いに共感できなかった。ただ宇宙船内のセットは素晴らしく、そのビジュアルの美しさには引き込まれた。冒頭のあまりの展開の速さに製作費が思ったより集まらなかった背景が伺えるが、伝説的名作として評判の高い作品を巧くリメイクしていると思う。もっと莫大な製作費が用意されていたなら、スノー役はブラッド・ピットあたりがやっていただろう。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-05 22:50:05) |
2063. ホーホケキョ となりの山田くん
鑑賞前は「なぜジブリが?」という感じだったけど、実際観てみると「されどジブリだ」という印象を受けた。大層な制作費に対する是非はあるが、アニメーションのクオリティだけ見てみれば流石のクオリティの高さだったと思う。ジブリ=宮崎ワールドではなく、ジブリ=秀逸なアニメーション映画と認識すれば、多様性という面でそれなりに価値ある作品であると思う。 [地上波(邦画)] 5点(2003-12-05 17:05:08) |
2064. ダンサー
耳が不自由なダンサーという主人公のキャラクター性のわりにはストーリーに濃密さがないのは残念だが、主演したミア・フライアの演技とダンスには確かな力強さがあり見応えがあった。リュック・ベッソンが監督として本気で取り組んでいれば、けっこうな秀作になったかもしれない。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-05 16:59:49) |
2065. リプリー
俳優それぞれの演技や部分的な演出は極めて巧く、秀逸な世界観を創造していたと思うが、映画全体としては完成度に欠ける感があった。終盤のストーリー展開に盛り上がりに欠ける印象があり、それが最たる敗因だと思う。マット・デイモンの気持ち悪さはなかなか良かった。 5点(2003-12-05 16:09:41) |
2066. ゴッドファーザー
名俳優たちの存在感たっぷりの演技や、監督の濃厚な演出には確かに目を見張ったが、ストーリー自体に世論ほどの物語性と感慨深さを感じなかった。長~い尺のせいもあるかもしれないが、盛り上がりのないストーリーには明らかに間延びの感があった。世間的にいやにこの映画における「愛」を評価するものが多いが、どこにそれほど特筆するほどの愛が描かれているのか理解できない。これならば、まだ日本のヤクザ映画の方が愛と気概に溢れているのではないか。まだこのパート1しか観ていないので、続編も含めて再度観たいとは思いますが…。 5点(2003-12-03 13:00:56) |
2067. チンプイ エリさま活動大写真
謎の生物の造型をしているチンプイももちろん印象的だが、やはりインパクトが強いのはワンダユウ爺さんだろう。まるっきり犬の風貌でエリさまをあれこれ誘惑するその的外れっぷりが面白い。愉快なキャラクター陣は、藤子・F・不二雄ならではのものだった。 [ビデオ(邦画)] 5点(2003-12-01 14:27:53) |
2068. 死国
四国に住むものにとっては、やはりタイトルに若干抵抗がある映画だ。内容はというと、タイトルほどのドロドロした感はなく地方伝記にそった恐怖が展開され良くもなく悪くもないとう感じだった。 5点(2003-11-29 02:34:29) |
2069. ドラえもん のび太と銀河超特急
単行本のエピソードの題材を映画化しているので目新しさが無かったことは否めない。正直、ネタ切れという感は拭えないところである。単行本のエピソードはミステリアスな秀作だっただけに、そのサスペンスフルなテイストで作り上げて欲しかった。 5点(2003-11-27 18:05:10) |
2070. ルパン三世 アルカトラズ・コネクション<TVM>
ネタ的には興味深く、テレビスペシャル版の中ではなかなか面白かったと思う。緊迫感のあるストーリー展開も引き込まれたが、オチは陳腐すぎた。まあ全然期待していなかったので満足感はあった。 [地上波(邦画)] 5点(2003-11-26 11:35:29) |
2071. ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM>
これはテレビ映画ですよ。劇場では公開されてません。近年のルパンはすべてテレビ映画というよりも、テレビスペシャル的なレベルのものが多い。ほとんど駄作ぞろいだけれど、最新作の今作はその中ではまだ見れる方ではなかったかと思う。ベタと言えばベタだが、それなりに痛快感はあった。 [地上波(邦画)] 5点(2003-11-26 10:36:12) |
2072. プリティ・ウーマン
映画自体には大した感想は持たなかったけど、この映画が残したエッセンスは後々数多く引用されていることからも価値が大きかったと思う。ジュリア・ロバーツはまさにこの映画の役のように、今作でシンデレラストーリーを歩み始めた。 5点(2003-11-25 17:20:47) |
2073. 天国の日々
ただ映像が綺麗なだけで退屈だった同監督作の「シン・レッド・ライン」に比べると、人間ドラマが濃厚だったので集中して見ることができた。ただ若干間延びしたところもあり、ひたすらに映像が美しいのも考え物だと思った。 [地上波(字幕)] 5点(2003-11-25 14:59:02) |
2074. SF サムライ・フィクション
映像センスや独特のノリの良さには非凡な面白さはあるが、内容はなく非常に良く出来たPVを観ているような印象。好きな人は多いし、私自身も嫌いではないけど、純粋に映画として観ている人は少ないと思う。 [映画館(邦画)] 5点(2003-11-25 14:33:39) |
2075. 生きていた信長 完全版
岩井俊二監督作「四月物語」で劇中、松たか子が立ち寄る映画館で上映されていた映画の全長版。当然ながら小道具的映画ではあるが、その主演に江口洋介と石井竜也を引っ張ってくるあたりが面白い。短いけれど、ストーリーもちゃんと作られていて、映像も流石に凝っている。こういう細かさと遊び心が岩井俊二が岩井俊二である所以だろう。 [DVD(邦画)] 5点(2003-11-25 14:07:04) |
2076. 楽園の瑕
時間軸をずらしたストーリーが破錠気味で、風貌や名前も混同するので感情移入がほとんどできなかった。しかし、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルによる映像世界は圧倒的に美しく、その映像美で引き込まれた部分が大きい。スローモーションによって画像をブラしただけのアクションシーンには魅力がなかったが、その他の映像感覚はやはり秀逸だった。ストーリーがもう少しまとまっていれば、かなりの秀作に仕上がったと思う。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-11-19 14:43:07) |
2077. スネーク・アイズ(1998)
冒頭の長回しなどのカメラワークには、さすがブライアン・デ・パルマと言わせるレベルの高さが見られたが、映画全体の出来としては何とも言いがたいものが残った。ストーリーを完全に理解しきれていないのかもしれないが、結局何が起こったかということが最終的に見えてこなかった。伏線につぐ伏線に対するラストの答えの意味も分からなかったので、もう一度見直したいと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2003-11-18 13:59:02) |
2078. ラッシュアワー
意外に息が合っているキャスティングは良かったと思うが、他のジャッキー映画と比べると大した出来ではない。どこかジャッキーの存在感が薄いように感じた。まあ単純に楽しめるので文句があるというわけではないけども。 [映画館(字幕)] 5点(2003-11-18 11:10:19) |
2079. 2 days トゥー・デイズ
Vシネなみの小作であるが、アクション群像劇としてほどほどに楽しめる作品。小気味いいストーリー展開は、痛快感があり良い。センスとしては雲泥のさがあるが、「パルプ・フィクション」ぽさを感じる部分もある。 5点(2003-11-16 17:49:07) |
2080. 犬神家の一族(1976)
金田一シリーズは、「八つ墓村」とこの「犬神家の一族」の2本しか観ていないが、どうも好きになれない。もはや日本の文芸界では伝説的名探偵である金田一耕介であるが、果たして本当に名探偵なのか?と思ってしまう。結局、悲劇的連続殺人は犯人の死亡まで完成してしまい、その後付的に推理しても、金田一よあんた一体何しに来たの?って感じである。まあ描くべきものが名探偵の活躍というよりも、異様な殺人事件そのものである以上仕方ない展開かもしれないが、個人的にはこの爽快感の皆無は頂けない。 5点(2003-11-16 11:51:52) |